映画『SHAME -シェイム-』
※担当外の医師による説明(3)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m ここのところ、私の実家のある愛媛県西条市で、包丁を持った男による強盗事件が相次いでいましたが、ようやくその犯人が捕まったとの知らせを受けました。これでひとまず一件落着ではありますが、果たして逮捕された男がこれまでの強盗事件にも関与していたのかどうかはまだわかっていません。もし、未解決のすべての強盗事件がその男の犯行でなく、他にも犯人がいるのだとしたら、ちょっと怖いですね。何はともあれ、逮捕されて良かったと思っています。

本作を鑑賞したのは、三月十日のことである。セックス依存症の男について描かれた本作は、公開前からとても気になる作品だったので、公開されたら絶対に観に行こうと思っていた。
ニューヨークに住む独身貴族のビジネスマンであるブランドンを演じているのは、映画『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』のマイケル・ファスベンダーである。ブランドンは、仕事以外の時間は自慰行為やポルノ鑑賞、コールガールや行きずりの女性たちとのセックスに費やしている。仕事中に会社のトイレで自慰行為をしたり、自宅の浴室で自慰行為をしている姿は生々しい。しかも、スクリーンには、マイケル・ファスベンダーの美しい裸体が映し出されている。大事な部分にはモザイクがかけられているものの、露出度が高い割りには、セックスシーンも含めて全体的にいやらしさを感じさせないのはお見事である。
そんなブランドンのもとへ、映画『17歳の肖像』や映画『わたしを離さないで』のキャリー・マリガン演じる妹のシシーがしばらく泊めて欲しいと転がり込んで来る。感情豊かで、ブランドンとは対照的な性格のシシーは恋愛依存症で、これまでにもリストカットを繰り返していた。そんなシシーが来てからは、ブランドンの生活が狂い始める。
私は本作を鑑賞したあと、その衝撃のためにしばらく席を立つことができなかった。本作は、肝心なことがはっきりとは表現されていないので、いろいろな解釈があるようである。ブランドンは、女性と感情抜きのセックスはできても、心を通い合わせることに関しては奥手だとかそんな解釈もある。
しかし私は、本作は、セックス依存症をテーマに扱った作品ではないと思っている。ブランドンが何故、何人もの女性たちとのその場限りのセックスを繰り返しても満たされないのか。そこに本作の核となるものが存在しているように思えるのだ。大いなるヒントは、歌を聴きながらブランドンが流した涙や、ブランドンが会社の上司と妹の三人で飲みに行った帰りに自室で見せた苦悩するシーンから得られるのではないだろうか。
単刀直入に書こう。ブランドンが人と感情を交わすことができないでいるのは、彼が本当に感情を交し合いたい相手とはそれが実現できないためではないか。その一言に尽きると思うのだ。彼にとっては、自分が本当に感情を交し合いたい対象以外は、ただ右から左へと通り過ぎて行くだけの存在に過ぎないのだ。何故なら、彼が本当に感情を交し合いたい対象は、社会的に、彼がこの先、どう頑張っても到底結び付くことのできない存在だからだ。だから彼は、自分の本心と自分の置かれている立場とのギャップに激しく苦悩し、その苦悩から必死で逃れようとするために、その対象を自分からとことん遠ざけてしまうことで平静を保って来たのではないだろうか。スクリーンを通して、私には、彼のそんな苦悩が痛いほど伝わって来た。
セックス依存症という表面的な出来事に惑わされずに、ブランドンが感情を落とし込むべき対象との関係性に目を向けることで、彼の本当の苦悩を理解することができるような気がした。
※2013.04.03追記
劇場でもう一度、鑑賞して来ました。そして、私の感じたことは正しかったと確信しました。どういうわけか私には、ブランドンの気持ちが痛いほど良くわかりました。そして、彼がセックスに求めるものは、快楽ではなく、逃避なのだとはっきりわかりました。だから、本作の中で、一番の快楽とも思えるシーンであっても、彼の表情は苦悩に満ちているなのですね。
※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 衝撃的な作品でありました。セックスを繰り返してもブランドンが満たされないのは、それらの行為が彼の本当に求める行為ではないからでしょうね。だから、ラストには少しの希望があります。おそらく彼は、あのあと、セックス依存症から解放されたのではないかと思いますね。
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