湯治
十二月になったが、冬至となるともう少し先だ。骨董市好きの私は、東寺の骨董市にも時々出掛けている。杜氏はお酒を作る人である。答辞は卒業式などで述べられる言葉だ。はてさて、今日の話題は湯治(とうじ)。温泉などで病気を治すことである。
直径九センチにまで成長し、私の膀胱を圧迫している子宮筋腫の処置について、私が下した決断は、やはり手術はしたくないということだった。そのために、自分の身体に対してできることをずっと探して来た。
先日、ふと、ラジウム温泉に入った人の筋腫が小さくなったという話を思い出して、ネットを再検索してみた。すると、秋田県や福島県にラジウム温泉で有名な湯治宿があり、全国から癌などの難病を抱えた人たちが集まって来ていると言う。それらの湯治宿におよそ一週間ほど滞在してラジウム温泉に入れば、身体も元気になるらしい。中には、筋腫が小さくなった人もいるということだ。手術を避けたい私の場合、難病などにはとても及ばないが、湯治という選択肢もあることに気が付いたのだ。
しかし、仕事を持っている上で、一週間もの休暇を取ることは難しい。また、こうした状況を、まず、独身の上司に状況を説明しなければならないこともはばかられる。その上、私が抜けると、忙しいプロジェクトメンバーに更なる負担をかけてしまうのではないかという心配もある。それに加え、これまで担当してくれていた派遣会社の営業担当が今月から新しい人に変わってしまった。これまで世話をしてくれていた営業担当は、私の身体の状況を把握してくれていて、オフィスの空調の件(夏に十五度の設定になっていて、凍えながら仕事をしていた)についても、派遣先に改善策を申し立ててくれた。しかし、まだほとんど会話を交わしてもいない新しい営業担当に、婦人病について話をするのは何となく気が引けてしまう。そして、何よりも、こうした湯治宿は、常に数ヶ月待ちの状況にあるらしい。いろいろ立ち向かうべき課題はあるのだが、ここのところ、以前よりも歩行が困難になり、痛むところにカイロを貼ってしのいでいる。そろそろ、なかなか整わない状況に頭を悩ませている状況ではなくなって来ているたようだ。
折しも、ガンモがこの週末に、社内旅行で会社の人たちと鳥取に行くことになっている。ラジウム温泉について調べを進めて行くと、鳥取にも三朝(みささ)温泉という日本で最も強いラジウム温泉があるという。どうせ家に居ても一人だし、ガンモも鳥取に行くなら私も鳥取に行ってしまおうと計画を立てているところだ。ただ、先週も広島に出掛けたばかりで、身体が疲れているので、ガンモは家で身体を休ませろと言う。しかし、私は出掛けるだろう。もしも三朝温泉で快適に過ごすことができれば、わざわざ秋田県や福島県に出掛けて行くよりも、交通費は安上がりだ。ただし、観光地の温泉街なので、旅館に連泊するのはかなりの贅沢だ。そういう意味で、ちょっと下見がてら、一人でふらっと出掛けて行くつもりである。ああ、何だかわくわくして来た。もともと、温泉や銭湯好きの私にとって、自分の身体のためにラジウム温泉に入りに行くなんて楽しすぎる。しかも、実際に湯治するとなると、難病を抱えた人たちが必死に生きようとしている姿に触れることができる。どんな生き様であれ、そこに新たな気づきがあるのは間違いない。
ところで、先日、掲示板で交流させていただいているちーちゃんが、ドクター・フリッツの情報をくれた。実は、私も以前読んだ『愛しの筋腫ちゃん』という本の中に、ドクター・フリッツのことが書かれてあり、興味を持っていた。彼は、ブラジル人のコンピュータ技師に憑依している医師の霊らしい。ちょうど、シルバー・バーチのお医者さん版かもしれない。ドクター・フリッツは、そのへんのナイフやハサミで手術をするが、患部から血が出ることもなく、患者はニコニコしているそうだ。しかも、ドクター・フリッツの手にかかれば、わずか十五秒程度で難病が治ってしまうらしい。しかし、日本では規制があるため、実際の手術を行うことはできないそうだ。筋腫を抱えた日本人女性が、わざわざブラジルまで出向き、ドクター・フリッツの治療を受けて良くなった例もあると言う。ゴッド・ハンドとは、まさしく彼のような人の手のことではないだろうか。おそらく、霊的な存在が、彼の治療に手を貸しているのだろう。そうした霊的なパワーを、惜しげもなく他の人に分け与えることのできる人は、本当に素晴らしい。話を聞いただけでも、何だかわくわくして来る。そのうち、「ガンまる、ブラジルへ行く」などというタイトルで、記事を書くかもしれない。ああ、未来世紀ブラジルよ。
※この件について、コメントをくださった皆さん、どうもありがとう。今の私の選択は、とてもわくわくするものです。わくわくしていると、次第に状況が整って来るでしょう。
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