映画・テレビ

2018.01.06

映画『その女諜報員 アレックス』

ホットヨガ(六一五回目)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m お正月明けの三連休です。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。私たちは、飛行機に乗って仙台までやって参りました。飛行機が仙台空港に着いたとき、やはり東日本大震災が起こったときのことを思い出して、胸の奥のほうから悲しい気持ちがこみ上げて来ました。何とも言えない気持ちでした。そして、当時同じ職場で働いていた仙台出身の方が、東日本大震災が起こった日に、インターネットのニュース動画を悲痛な表情で見つめていたことも思い出しました。今日、私たちが降り立った仙台空港の映像も含まれていたと思います。あの頃、私たちは、募金に参加することで東北の人たちを励ますことができると思っていました。しかし、必ずしもそうではなかったのではないかと、仙台空港に降り立ったときに思いました。東北の方たちの苦しみや悲しみを一緒に感じることができていなかったように思います。実際にその場に降り立ってみることで、その場所で生活している人たちの気持ちに少しでも近付くことができたのではないかと思いました。


Momentum

 先日の記事に、この年末年始の休暇中に、インターネット(実際は、U-NEXT<ユーネクスト> | 日本最大級のビデオ・オンデマンド)で十四本の映画を鑑賞したと書いたのだが、実はそのあと追加で三本鑑賞したので、合計十七本になった。今回は、それらの中から一つ選んで、レビューを書いてみたいと思う。

 年間を通して、かなりの数の映画作品を鑑賞している私だが、どのような分野の作品でも鑑賞しているわけではない。もともとヨーロッパが大好きなので、ヨーロッパの作品を鑑賞することが多いのは確かなのだが、例えヨーロッパの作品であったとしても、あまりにも有名な作品は鑑賞していない。例えば、私はスパイものは大好きなはずなのに、007シリーズは一度も鑑賞したことがない。それは、007があまりにも有名な作品だからだ。

 本作は、その007シリーズでボンド・ガールに抜擢されたことのあるオルガ・キュリレンコ主演の作品である。おそらくだが、私は本作を鑑賞するまで彼女の存在を知らなかったと思う。そんな彼女に、私は一目ぼれしてしまった。とにかくかっこいいのである。

 銀行強盗の一味として登場する彼女は、必ずしも正義の味方であるとは言い切れない。しかし、物語の途中から登場する「悪」の存在の影響で、あたかも彼女が正義の味方であるかのように錯覚してしまう。美人で、頭が良く切れて、機敏な行動を取ることができる彼女は、今の私が四苦八苦しながら手に入れたいと切望しているものを持ち合わせている。

 そんな彼女を突き動かしているのは、「大切なものを守り抜きたい気持ち」であるかのように見える。本作では、元恋人の家族を守ろうとするわけなのだが、本来ならば、お互いにそっぽを向きたくなるような間柄であるにも関わらず、俗世間的な嫉妬心を感じる余裕もないほど追い込まれたからなのか、驚くほどの連携プレーを見せてくれる。同じ男性を愛した女性たちの美しい姿を見せられた気がする。

 その背景には、物語の最初から最後まで、ずっと私をイライラさせ続けた男の存在がある。そう、彼女が敵対している殺し屋である。頭は切れるが感情が欠如しているような冷血タイプの男である。同じ男性を愛した女性たちが見事な連携プレーを実現できたのは、この殺し屋が二人にとっての共通の敵だったからだという見方もできる。

 何はともあれ、久し振りにハラハラドキドキを体験させてくれた作品だったと思う。この勢いで、今年もいろいろな作品に巡り合いたいものだ。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 本作は、彼女が諜報員を引退してからの話なので、純粋にスパイものとは言い切れないかもしれません。それでも、私には十分楽しめる作品でした。

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2017.11.21

映画『おみおくりの作法』

ホットヨガ(六〇九回目)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 今、テント内の気温は十一度です。(笑)帰宅したときも、七度を超えていたので、昨日よりは一度高いようですね。冬になると、インフルエンザやノロウィルスなどが流行します。うがいと手洗いを欠かさないようにして、感染しないように気を付けたいものですね。


Still_life

 本作を鑑賞したのは、十一月十八日のことである。本作もまた、U-NEXT<ユーネクスト> | 日本最大級のビデオ・オンデマンドで鑑賞した。

 最初、邦題を見たとき、もしかするとイギリス版の映画『おくりびと』なのだろうかと想像した。確かに、亡くなった方を大切に扱うという意味では同じなのだが、日本の映画『おくりびと』とは視点が異なっている。映画『おくりびと』がご遺体に対するお作法を描いたものであるならば、本作は亡くなられた方をおみおくりするまでのお作法を描いたものである。

 仕事をとても丁寧にこなす民生係のジョン・メイを演じているのは、実力派のイギリス人俳優エディ・マーサンである。彼は、孤独死した人の連絡先を調べ、葬儀に参列してくれるように頼む仕事をしている。時には、孤独死した人にはまったく身寄りがないこともあるが、そういうときは、彼自身が弔辞を書いたり、独りで葬儀に参列したりすることもあった。そんな彼は、自らおみおくりをした人たちの写真をアルバムに貼って、大切に保存していた。

 私は、エディ・マーサンが悪役を演じている作品も観て来た。彼は実力派の名優だから、どんな役でも器用にこなす。そして、本作のような控え目で地味な役柄も、彼には似合うのだとわかった。

 血縁関係者がいない老人の孤独死は、まるで自分の未来を観ているようでもあった。私たち夫婦には子供がいないからだ。そういう視点から見ていると、彼のような仕事をしている人たちが、これまでどれだけ多くの魂を救って来たのだろうと有り難い気持ちになった。彼に救ってもらえた魂は、きっと安心して天国に旅立って行ったことだろうと思う。

 そんな彼の優しさ、丁寧さを一層引き立たせるかのように、本作にも悪役の存在がある。悪役は彼の上司で、言い方がとてもきついので、一見、強そうに見えるのだが、彼の仕事の内容が実際にどのようなものなのか、まったく気が付いていないという点においては、上司として失格である。部下に対して正しい判断ができない人こそ、周りから見ると辞めて欲しい存在だと思う。

 悪役の上司の存在も理不尽だが、何と言っても理不尽なのは、彼が迎える結末である。しかし、その結末に対して、彼は報われるだろう。観ている人たちも、温かい気持ちになれたはずだ。私も、じーんとした感動に包まれた。地味な世界にスポットを当てているが、とても良くできた作品だと思う。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 悲しくても救いのある結末でした。本作を鑑賞した多くの人たちが、「丁寧に仕事をしよう」と思ったかもしれませんね。

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2017.11.12

映画『ひつじ村の兄弟』

父が屋根の上に上がると言い出したの記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。寒くなりましたね。ルーフバルコニーでガンモと一緒にご飯を食べていると、寒いなあと感じます。あの無駄に暑かった夏の気温を、冬の寒さのために活用できないものだろうかと、毎年思います。それこそがエコだと思うのですが、なかなかそうも行かないものですね。


Rams

 本作を鑑賞したのは、十一月六日のことである。本作もまた、U-NEXT<ユーネクスト> | 日本最大級のビデオ・オンデマンドで鑑賞した。

 確か本作は、劇場公開中に、劇場で顔抜きだけ撮影した記憶がある。映画のタイトルと顔抜きだけを見て、「一体、どんな作品なのだろう」と思っていたが、鑑賞はしなかった。今回、改めて鑑賞してみると、とても興味深い作品だった。

Rams_kaonukijpg

 舞台となっているのは、アイスランドである。イギリス人の言語交換パートナーに尋ねてみたところ、アイスランドへは、イギリスから飛行機で二時間ほどで行けるらしい。場所にもよるのかもしれないが、日本から韓国に行くくらいの感覚なのかもしれない。英会話のレッスンのときにも話題にしたところ、イギリス人講師からは、「アイスランド人はプライドが高いんだよ」と聞いた。

 本作に登場するアイスランド人の羊飼いの兄弟は、優良な羊を選び出すコンテストのライバルであるからなのか、四十年間も口を利いていない。コンテストでは、兄の羊が優勝し、弟の羊は二位となってしまった。そのことで、兄に対して強いライバル意識を持つ弟は、コンテストに優勝した兄の羊をこっそりチェックし、その羊が疫病にかかっているのではないかという疑いを持ってしまう。

 世界的には評価の高い作品なのだが、どういうわけか日本での評価はそれほど高くはない。それは、やはり日本人がハリウッド映画に馴染んでいるからかもしれない。そのためいつの間にか、映画にエンターテインメントを求めてしまうのだろう。本作はヒューマンドラマであり、エンターテイメント性は低い。だから、エンターテインメントを求めると、評価が低くなってしまうのだろうと思う。

 それはさておき、弟は、映画の中で羊飼いを演じているに過ぎないというのに、羊に対する愛情が半端ではないと感じた。羊と一心同体になっているからだ。コンテストでは、兄の羊が優勝して、弟の羊は二位に留まったわけだが、もともと二人の羊は同じ血筋から分かれた羊らしい。そして、その血筋を何とかして守るために、四十年間も口を利かなかった兄弟が力を合わせようとするという、ハリウッド映画では決してありえないような作品なのである。

 人は、いざというときには、普段の行いなど完全に帳消しにしてしまえるほどの行動力を備えているものなのだと、本作を鑑賞して思った次第である。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m アイスランドが舞台になっている作品を鑑賞するのは、これで二本目かもしれません。今回も感じましたが、アイスランドはとにかく寒いところのようですね。

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2017.09.27

映画『消えた声が、その名を呼ぶ』

普段と違う行動を取ってみるの記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 今夜はあいにくの雨ですね。先日の台風でテントのブルーシートが劣化してしまいましたので、新しいブルーシートを買い足してかぶせました。これでまたしばらくは快適に過ごせそうです。(笑)


The_cut

 本作を鑑賞したのは、九月二十四日のことである。本作もまた、U-NEXT<ユーネクスト> | 日本最大級のビデオ・オンデマンドで鑑賞した。

 確か本作は、劇場公開中に見逃してしまった作品だと思う。というのも、このタイトルがしっかりと記憶に残っているからだ。鑑賞するまでは、「声を失う」ということはどういうことなのか良くわかっていなかったのだが、鑑賞してみて、ようやく理解した。第一次世界対戦の時代の話だったのである。

 今や北朝鮮のミサイル問題で、世界は以前よりも緊迫した状況にあると思う。もしも北朝鮮の攻撃により被害を被る国が出て来れば、報復という形で戦争が始まってしまうかもしれない。そうした状況に陥ったときに、どんなことが起こってしまうのか、考えるきっかけにもなる作品だ。

 戦争は、「愛する者同士を引き離す」と聞いたことがあるが、本作を鑑賞して、本当にその通りだと思う。何故なら本作の主人公は、いきなり徴兵され、愛する家族と引き離されたばかりでなく、砂漠での過酷な作業を強いられ、挙句の果てには殺されそうになるからだ。

 何人もの同胞が殺されながらも、何とか生き延びた主人公は、喉を切られて声を失ってしまうものの、戦争で離れ離れになってしまった娘を探して壮大な旅をする。第一次世界大戦の時代なので、他国の情報など手に入りにくい時代だったはずだ。それでも、ただただ娘に会いたい一心で主人公は旅を続ける。

 何とも悲しくて仕方がなかったのは、戦争が愛し合う家族を引き離し、残された女性や子供たちが飢餓の状態に追い込まれたことだ。健康状態が良くないために弱り切った人を見掛けても、何の手も差し伸べることができない状態であることにやり切れない気持ちでいっぱいになった。何とかして助けたいのに助けられない状況は、苦悩以外の何物でもない。また、目の前で自分と血を分けた兄弟が殺されるのを目にしたことも、想像を絶する苦しみだったに違いない。

 戦争は、人々の「こうありたい」という希望を打ち砕き、もっとも「ありたくない」状況を強要する。それでも、主人公が旅先で多くの心ある人たちと出会い、助けられたことが救いだった。

 どんな状況であれ、「愛する者同士を引き裂く」戦争を繰り返してはならないと強く感じた作品だった。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 理不尽な扱いを受ける中で、主人公を助けてくれる人物が複数いたことは、闇の中の光に値する出来事でした。生きてさえいれば、やがて苦しい状況は変わり、新たな希望を持つことができるものなのですね。

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2017.09.14

映画『奇跡のひと マリーとマルグリット』

旅行中の洗濯の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 台風の速度が速くなったのでしょうか。実家から兵庫県の自宅に戻る日に台風が上陸する予報だったのが、台風の通過が一日早まりました。おかげで移動に関しては台風の影響を受けずに済みそうですが、引きこもりの帰省になりそうです。(苦笑)水害や土砂災害など、どこの地域にも大きな被害が出ないよう、祈りましょうね。


Maries_story

 本作を鑑賞したのは、映画『黄金のアデーレ 名画の帰還』を鑑賞したのと同じ九月二日のことである。本作もまた、U-NEXT<ユーネクスト> | 日本最大級のビデオ・オンデマンドで鑑賞した。

 十九世紀末のフランスに実在した、耳も聞こえず、目も見えず、話すこともできない少女マリーと、彼女を全力でサポートした修道女マルグリットの密な関係を描いた作品である。

 本作を鑑賞して、たくさん涙が出て来た理由がわかった。障害のある子どもたちを預かって教育する学校に初めてマリーがやって来たときに、マルグリットとマリーが魂の出会いを果たしているからだ。すべてはそこから始まっている。魂の出会いは、人と人を深く結び付ける。マルグリットの魂は、マリーという魂と出会ったときに、大きく突き動かされたのだ。言い換えると、マルグリットは、マリーが抱えていた闇に光を照らすことができることを潜在的に知っていたのではないかと思う。

 しかし、そんな直感的な出会いとは裏腹に、何カ月経っても効果が現れなかったりと、マルグリットは行き詰ってしまう。しかも、追い打ちをかけるような状況にも追い込まれて行く。それでも諦めなかったのは、やはり彼女がマリーと魂の出会いを果たしていたからだと思う。

 本作は、生きることの素晴らしさだけでなく、死を受け入れる覚悟が必要なことについても触れている。現実から逃げずに、決して離れたくはなかった人の死を受け入れることも大切なことであると、本作は暗に教えている。そして、言葉があることにさえ気付かずに、生まれてから今までずっと暗闇の中にいる仲間に対し、自分が受け取ったことを循環させる構成にもなっている。その循環にも、知らず知らずのうちに涙が出て来るのだ。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 盲目で、言葉を話すこともできず、耳も聞こえない人に、他者とコミュニケーションを取る手段を示した作品だと言えるでしょう。とにかく泣けて来る作品です。

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2017.09.11

映画『黄金のアデーレ 名画の帰還』

ノイシュヴァンシュタイン城で来年のカレンダーを撮影するの記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m アメリカのハリケーン、大丈夫でしょうか。今日の関西地方はとても暑いです。私は、仕事中にゆでだこになりそうでした。そして、今はテントの中にいますが、朝方、雨が降るというので、テントの入口を閉めています。暑いです。(苦笑)


Womaningold

 夏休みが始まる前の英会話のレッスンのときに、イギリス人講師が、
「ウィーンに行くなら、行く前に必ず観ておくべき映画があるよ」
と教えてくれた。それが本作だった。しかし、それを聞いたのが出発の二日前だったので、映画を鑑賞する時間は取れなかった。

 帰国してから最初の英会話のレッスンのときに、私がウィーンの美術館でクリムトの絵を鑑賞したことをイギリス人講師に話すと、またまたこの映画のことが話題に昇った。私は、出発前に観る時間が取れなかったので、近いうちに鑑賞するとイギリス人講師に約束した。そして、U-NEXT<ユーネクスト> | 日本最大級のビデオ・オンデマンドで鑑賞できることがわかったので、その週末の九月二日に鑑賞したのだ。

 鑑賞しながら、様々な想いが私の中を駆け巡った。まず、一番最初に投げ掛けたいのは、「美術館に飾られている絵は、本当は誰のものなのだろう?」という疑問だった。

 それが写真であるならば、いくらでも複製できる。しかし、絵はたった一枚しかない。そして、その絵は、画家がモデルを見ながら描いたものであり、わざわざ画家に描いてもらったのであれば、絵を描いてもらった代金を画家に対して支払う。それは、例えば街角などで似顔絵を描いて生計を立てている人に、自分の似顔絵を描いてもらう状況とあまり変わらないだろう。

 しかし、自分の似顔絵を描いてくれた画家がのちに有名になり、絵の値段が吊り上がってしまったら? 更に問題を複雑にしているのは、かつては一般の家庭に飾られていたはずの絵が、ナチスによって強引に奪われしまったということである。このことには憤りを感じずにはいられない。もしも、絵が奪われたりしなければ、クリムトが描いたその絵は、その家の家宝になっていたはずなのだ。

 もともと肖像画というものは、非常に個人的なものであると私は思う。しかし、肖像画が多くの人たちの目に触れることで、時には世界的にも有名な肖像画となり、どんどん価値が上がって行くものも中にはある。そういうことについて、考えさせられる作品だった。

 本作の中にも登場するベルヴェデーレ宮殿の美術館は、まさしく私たちがこの夏休みに足を運んだ美術館だった。本作の中に登場する『黄金のアデーレ』という肖像画も、かつてはこの美術館に展示されていたようだ。確かに、私たちはここで『黄金のアデーレ』を鑑賞してはいない。クリムトの他の作品はいくつかあったが、『黄金のアデーレ』はそこにはなかった。それがこの物語の答えとなるだろう。

 本作で、『黄金のアデーレ』とゆかりのあるオーストリア出身の女性を、イギリス人のヘレン・ミレンが演じている。彼女のドイツ語なまりのアクセントが非常に良く、味が出ている。もはや彼女以外に、この役は考えられないほどだ。

 本作は、実際に起こった出来事をもとに作られているようだが、かつては所有していたはずの名画を取り戻すのは、とにかく根気のいる戦いだったに違いない。それでも、本気で戦った二人には、今の未来が見えていたのではないだろうか。だからこそ、このような結末を迎えることができたのかもしれない。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 私たちは美術館で、多くの肖像画を鑑賞しています。しかし、最初は、それらはあくまで個人的なものなのですよね。おそらくですが、自分の描いた絵が有名な美術館に飾られることは、画家にとっては喜ぶべきことでしょう。しかし、肖像画を描いてもらった人にとってはどうなのでしょうか? やはり誇らしいことなのでしょうか。自分の肖像画ならば、手元に取っておきたい気持ちがあるのではないかと思いました。ましてや、肖像画を描いてもらった人が亡くなってしまえば、その肖像画は、遺族にとって、大切な想い出の品となるのです。

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2017.08.17

海外ドラマ『SHERLOCK/シャーロック』シーズン4

ホットヨガ(五九三回目)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 八月十五日は終戦記念日でした。終戦までに、日本兵士としてたくさんの方たちが亡くなられただけでなく、長崎と広島に原爆が落とされ、多くの一般の方たちも犠牲になりました。今の時代を生きている私たちには想像もできない出来事かもしれませんが、当時の方たちが味わったであろう感情を想像することはできるかもしれません。


Sherlock4

 海外ドラマ『SHERLOCK/シャーロック』シーズン4を鑑賞した。日本語字幕付きで鑑賞できるサイトがどこかにあったのかもしれないが、私は英語学習も兼ねて、英語字幕付きのサイトで鑑賞した。

 シーズン3までの流れとは明らかに違う雰囲気がシーズン4にはあった。登場人物たちが、よりシリアスな問題に向き合わなければならなくなってしまっているからだ。

 シーズン4は全四話で構成されている。最初の作品となる第〇(ゼロ)話はクリスマススペシャルとして放送された特別編で、シャーロック・ホームズやジョン・ワトソンが一八九〇年代を舞台に活躍している。シャーロック・ホームズのテレビドラマは古めかしいものが多いので、むしろこうしたスタイルのほうがしっくり来るという方も多いのではないだろうか。

 特別編に対し、本編とも言うべき三編は、非常に手の込んだ作品群だと言える。特筆すべきは、あることをきっかけに、シャーロックとジョンの関係が著しく悪化することと、シャーロックとマイクロフトの妹ユーラスが登場することだろう。

 シャーロックとジョンの関係が著しく悪化した原因を思うと、二人の関係は永久に修復されないのではないかと心配してしまいがちである。しかし、それはあくまでも私の日本人的な発想によるものであり、彼らがイギリス人であることを忘れてはいけなかったのだ。

 シャーロックとマイクロフトの妹ユーラスの存在は、長い間、封印されていた。というのも、ユーラスはシャーロックの兄のマイクロフトにより、既に亡くなった者とされていたからだ。それには正当な理由もあった。血の繋がった兄妹であるはずの三人が、ユーラスが主導する残酷な頭脳ゲームを繰り広げて行くのも興味深い。一見、サイコパスとも思えるユーラスだが、本当は自分のことを理解して欲しい気持ちで溢れている。ユーラスが遠回しに表現したことをシャーロックが解いて行くという展開になっている。

 シーズン1からシーズン3までがどうだったのか、もはや忘れてしまったが、本作は一話がおよそ一時間半と長めである。かなり見ごたえのある作品群で構成されており、シーズン4は、シーズン1からシーズン3までの内容をすっかり忘れてしまうほど強烈だったと断言できる。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m シーズン4で完結してしまうのか、はたまたこの先、シーズン5が用意されるのか、どちらにも取れる終わり方でした。しかし、シーズン4でこれほどの作品を世の中に送り出してしまったら、シーズン5を作るのはかなりプレッシャーを感じてしまう気がしますね。

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2017.08.10

海外ドラマ『Flowers Season1』

ペンギンの家族の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 今日も暑かったですね。今年の暑さは異常なほどです。明日から夏休みだという方がたくさんいらっしゃるかもしれませんね。夏休みでどこかにお出掛けの方は、どうか想い出に残る楽しい夏休みをお過ごしください。私たちは、お盆の間は出勤して、その後、少し遅めの夏休みを取る予定です。そのため、明日から二泊三日の予定で帰省します。夏休みは五年振りにガンモと二人で海外旅行に出掛けます。今、そのための準備をしているのですが、スーツケースの中から、今更誰にもあげられないような懐かしいお土産が出て来て楽しかったです。(笑)


Flowers

 ロンドン在住の大学生に教えてもらった動画サイトで本作を鑑賞した。日本語の字幕は表示されないが、英語の字幕が表示されるというサイトである。

 本作に関して何の予備知識もなかった。私はただ、そのサイトでイギリスのドラマか映画を鑑賞したいと思い、検索したところ、たまたま本作を見付けて鑑賞し始めたというわけだ。何気なく第一話を鑑賞したところ、あまりにも個性の強い登場人物たちにたちまち惹き付けられた。しかも、一話の長さがわずか三十分弱なので、帰宅時間の遅い平日でも楽しむことができた。

 自分でも何故、こんなに強く惹き付けられたのか良くわからない。ジャンルとしてはdark comedyに分類されている本作の登場人物たちは、何かしら問題を抱えていて、誰もが思い通りにならない人生を送っている。しかも、誰一人として静かに生きていないところが魅力的なのかもしれない。

 また、どこかで見たことがあるような、ないような、日本人らしき俳優さんも出演されているので、一体誰だろうと思っていたところ、何とこの俳優さんが本作の監督でもあり、脚本も書いているWill Sharpe氏だった。彼はロンドンの生まれだが、子供の頃は東京に住んでいたという。そして、出身大学はあの名門大学のケンブリッジなのだそうだ。

 彼は海外ドラマ『SHERLOCK/シャーロック』シーズン1~シーズン3にも出演していたようだが、私も鑑賞したというのにすっかり忘れてしまっていた。あまり個性の強いキャラクターを演じていなかったからかもしれない。ロンドン在住の大学生に聞いてみたところ、彼はイギリスでは有名な俳優さんなのだそうだ。

 ちなみに、普段の彼はきれいなイギリス英語のアクセントで話すのに、本作ではわざわざ日本人独特の英語のアクセントで話している。

 とても魅力的な作品だったからか、作者であるWill Sharpe氏から芸術的な刺激を受けた気がする。何故、こんなにも完璧に、登場人物たちに苦悩を与え続けるのだろうと、彼の天才的な才能を応援したくなった。まだ若い彼が、これからもっともっと大物になってくれることを期待しつつ注目したい。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m このドラマはイギリスではヒットした作品のようです。作者でもあり監督でもあるWill Saharpe氏は、やはり同じケンブリッジで相棒とも呼べる友人と出会っているようです。

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2017.08.03

海外ドラマ『ドクター・フー シーズン9』

忘れていた言葉の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 月曜日の夜に、東京から無事に帰宅しました。大きな台風が接近しているようですね。最近の日本は、自然災害に見舞われ易くなっています。日本に接近している大きな台風が勢力を弱めてくれるか、大きくそれてどこにも影響がないように落ち着いて欲しいものです。


Doctorwhoseason9

 海外ドラマ『ドクター・フー シーズン9』をインターネットで鑑賞した。今回、利用したのは、日本語の字幕は表示されないものの、英語の字幕は表示されるという海外の動画サイトである。英語学習にはとてもいいサイトなのだが、英語の字幕を読むのが追い付かないことがあるにもかかわらず、再生のスピードを遅く調整できないのが難点だった。むしろ、そうした環境のほうが英語学習には適しているのかもしれないが・・・・・・。

 さて、シーズン9では、シーズン8のときにぎくしゃくしていたピーター・カパルディ演じるドクターとコンパニオンであるクララの関係がより濃厚になっていると言える。むしろ、特別とも言えるほどの絆にまで発展していた。いや、クララに対するドクターの執着心を感じるほどである。しかし、残念なことに、クララはこのシリーズで引退してしまうのだ。

 死別してしまった恋人のダニーとクララが、夢の中で再会するシーンがとてもいい。二人はとても愛し合っていたはずなのに、クララがダニーとの別れをあっさり受け入れてしまっただけに、本当は長く引きずっているのではないかと思っていたからだ。それだけに、泣ける。

 それにしても、ドクターとクララは一体何で結ばれているのだろうか? 十一代目ドクターとエイミーのような男女の友情なのだろうか。私は、ドクターがクララに片想いしているように見えてしまった。

 シリーズ8ではぎくしゃくしていたはずの二人の関係がシリーズ9で一気に改善されたのは、自分の中にある好意を相手に対してオープンにしたことも影響しているように見える。実際、ドクターがクララに対する好意をオープンにするシーンも見受けられた。このような手法は、日常生活にも応用できることなのかもしれない。程度の差はあるにしても、相手が好意を示してくれると、それが潤滑油になり得るということだ。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m やはり、『ドクター・フー』は面白いですね。近々、十二代目ドクターを演じているピーター・カパルディも引退し、十三代目ドクターは何と女優さんが演じることに決まっているそうです。

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2017.07.19

映画『聲の形』

ホットヨガ(五八三回目)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 最近、妙な天気が続いているように思います。東京でも、ひょうが降ったそうですね。大雨が降ったり、雷が鳴ったり、ひょうが降ったり、あちらこちらで熊が出没したり・・・・・・。自然が悲鳴をあげているのでしょうか。


Koenokatachi

 映画好きの私だが、普段はほとんどアニメーション映画を観ることはない。とは言え、私が交流している(していた)言語交換パートナーたちの中には、日本の漫画やアニメーションに強く魅せられている人たちも多い。というわけで、本作は複数の言語交換パートナーたちから推薦された作品である。

 小学六年生の石田は、クラスのガキ大将だった。石田に同調する同級生も複数いた。石田は三白眼のキャラクターとして描かれており、他者を受け入れず、いかにも意地の悪そうな雰囲気が漂っていた。

 あるとき、石田のクラスに聴覚障害を持つ西宮という少女が転校生して来た。最初のうち、西宮とクラスメイトたちは、西宮が持参した筆談ノートを使ってコミュニケーションを取っていた。しかし、瞬時に伝わらないもどかしさを感じるようになったのか、のちに石田をはじめとするクラスメイトたちは、西宮を仲間外れにするようになって行った。

 私はまず、聴覚障害を持った少女が健常者の通う小学校に通っていることに驚きを覚えた。決して差別的な意味を含めているわけではなく、まだ小学生の頃は、他者との違いが仲間はずれの要因にもなりかねないので、他者との違いをあまり意識しないで済むような環境のほうが望ましいのではないかと思ったのだ。実際、西宮がつけている補聴器を耳から引きちぎって窓の外に投げ捨てるという石田の行為に胸がえぐられる気がした。この映画のキャラクターは、何てひどいことをするのかと憤りさえ覚えた。

 そのようないじめがきっかけになり、西宮は転校してしまう。また、石田も今までのようにガキ大将ではいられなくなり、これまで味方だった仲間たちが敵になり、孤立して行く。そして時は流れ、石田も高校生になっていた。

 これまで、表面的には良好に見えていた人間関係が一気に崩壊してしまった。このような状況から、一体、どのようにして収束して行くのか、やり過ぎとも思える展開に困惑さえ覚えた。しかし本作は、小学生から高校生までの時を経て、それぞれがトラウマ解消しながら再編成して行くプロセスを見守る作品であるかのように見えた。

 本作は、今、壁にぶち当たっている人たちに気づきを与える作品でもある。その気づきとは、解体された関係は、あくまでも見せかけの関係だったということである。多くの場合、解体が起こると受け身になり、根本的な問題を放置しようとする。しかし、解体された関係を再編成することも可能である。

 ただ、その再編成のプロセスで体験する感情は、常識の範囲内で感じる感情では済まされないかもしれない。解体された状態から次なるステップに進むには、時には傷つき、絶望感にうちひしがれることもある。それでも、決してそこで終わりではない。何故なら、私たちは絶えず変化しているからだ。絶えず変化しているからこそ、いつかは必ず次なるステップを迎えることができる。とは言え、常識の範囲内で感じることのできる感情に浸っているうちは、次なるステップに進んで行くのがひどくスローになるのだと思う。次なるステップを望むなら、自分の身に降りかかることを恐れず、いったんは受け入れ、尋常ではない感情を体験して行くことが必要なのだと思う。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 最初は学園ドラマのように思えて、「若者たちが観るアニメにおばさんはついて行けないわあ」などと思っていたのですが、なかなか深いテーマを秘めている作品だと思いました。この映画を推薦してくれた言語交換パートナーたちにお礼を言いたいと思います。

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