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2025.05.18

GWの東北旅行~車中泊と民宿に宿泊の旅(2)

GWの東北旅行~車中泊と民宿に宿泊の旅(1)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m まだ五月だというのに初夏を通り越した暑さですね。今、これを書いているテントの中は32度まで上昇しています。遮光性を持つタープを張り、テントの入口も窓も開けて通気性も良くして、扇風機も回しています。もちろん、既に半袖を着て生活しています。ふと考えてみたのですが、私が中学生/高校生の頃は、六月の始めと十月の始めに制服の衣替えがありました。すなわち、半袖は六月から、長袖に戻るのは十月からだったわけです。しかし、今や私たちが半袖の服を着る時期は、五月から十月までに拡張されているのではないでしょうか。一年の半分を半袖で過ごすことになろうとは・・・・・・。どうか皆さんも、熱中症にはくれぐれもご注意くださいね。それでは、GWの東北旅行~車中泊と民宿に宿泊の旅(1)の続きをお伝えしたいと思います。


 GWの東北旅行~車中泊と民宿に宿泊の旅(1)の記事では、津波にフォーカスを当ててお伝えした。しかし、東日本大震災の被害で忘れてはいけないのが、福島第一原子力発電所の事故である。大地震が発生したときに、原子炉は自動停止したものの、発電所で停電が発生したことにより、原子炉を冷やすための注水ができなくなり、その後、水素爆発が起こり、放射性物質が外部に流出する事故に繋がった。東京電力は、現在も、それらの原子炉を廃炉にするための作業と除染などの作業に取り組んでいるが、これらの作業が完全に終了するのは数十年かかると言われている。東京電力は、2051年(東日本大震災の発生から40年後)までに廃炉を完了させたいようだが、作業に遅れが出ているようだ。

 私たちは、福島県双葉郡にある東京電力廃炉資料館を見学した。ここでは、水素爆発の事故が発生してしまった経緯や、廃炉への取り組みについての資料が展示されていた。

 私たちがここを訪れた感想を率直に書かせていただくとするならば、汚染水が充分に薄められて海に流されていることは納得できた。しかし、福島の一部の地域では高濃度の放射性物質が放出されていることが確認されており、そのために、今なお帰宅困難区域とされており、そこには住めない状況になっているが、それら地域への具体的な対応についての説明が不足しているようにも思えた。

 帰宅困難区域の周辺には放射線のレベルを測定するガイガーカウンターの値が表示されており、値を確認してみたところ、実際に高い値を示していた。実は私たちは、東日本大震災が発生する以前からガイガーカウンターを所持していた。というのも、私たちの共通の趣味は古いカメラを集めることなのだが、一部の古いカメラのレンズにおいて、ガイガーカウンターが非常に高い値を示すものがあると聞いたことがあるからだ。そこで、福島の一部の地域でガイガーカウンターによる放射線のレベルが表示されているのであれば、私たちも手持ちのガイガーカウンターを持参して確認してみることにしたのだ。

Fukushimaplant
東電福島第一原発事故 日本の原子力政策のサイトより画像拝借

 その結果、上記サイトに示されている値とほとんど変わりない値が、窓を開けて走行ずる車の中に設置したガイガーカウンターにも表示された。このことはすなわち、放射線が既に周辺の空気の中に溶け込んでしまっているということなのだろうか。反対に、帰宅困難区域以外の場所で計測した値は、私たちが住んでいる関西地域とほぼ変わらない値だったので、その点においては安心できるのではないかと思う。ただ、帰宅困難区域に住んでいた方たちは本当に気の毒だと思う。誰しも、自分自身の状況に置き換えて考えてみると、悲しくてたまらなくなるはずだ。

 さて、東京電力廃炉資料館を見学した私は、何だかもやもやしていた。処理水の安全性のみに焦点が当てられているように感じたからかもしれない。そうではなく、そもそも日本に原子力発電所は本当に必要なのだろうか? Camblyのレッスンで話題にしてみた。

 日本の22倍くらいの広さの国に住んでいるイギリス人講師に、「そちらの国では原子力発電に頼っているか?」と質問してみたところ、「原子力発電は使用していない」という答えが返って来た。日本よりもずっと広い国なのに原子力のエネルギーに依存しなくてもやっていけるということに、私は驚きを隠せなかった。ただ、その国は、日本よりもエネルギーを作り出す資源が豊富で、主に水力発電や風力発電に頼っているということだった。

 別のイギリス人講師は、福島第一原子力発電所の事故のことを良く把握されていて、
「津波が発生しやすい状況にあるなら、原子力発電所を海沿いに作るのではなく、山の上に作ったらいいんじゃないかしら」
と言った。しかし私は、「万が一のときに原子炉を冷やす必要があることと、処理水を捨てる必要があることから、海に近いほうがよいのではないか」と答えた。これが正しいかどうかはわからないが、山に作った場合でも、万が一事故が発生した場合に人間の飲み水に大きな影響を与えてしまう可能性も高いと考えられる。むしろ、水が山の高いところから低いところへと流れて行く過程で、海に近いところにあるよりも山の上にあるほうが被害は広がってしまうかもしれない。ちなみに、イギリスでも原子力発電に頼っているそうだ。

 私は、「原子力に取って代わる、より安全なエネルギーを見つける時期が来ているのではないかと思う。日本では30年以内に大地震が発生すると言われているので、そのときに原子力発電所が再び大きなダメージを受けるのは容易に予測できる」と言った。「しかも、日本は原子力爆弾による唯一の被爆国であるというのに」と付け加えた。

 そうは言うものの、私自身も普段から、脱・原子力発電に向けての活動が充分にできているわけではない。車中泊のときと自宅でソーラーパネルから取り込んだ電気を蓄電して活用しているくらいだ。蓄電の技術がもっともっと進めば、例えば、夏の暑さを冬の暖房に活用できたりするのではないか。またはその逆も・・・・・・。更には小電力で動作する電子機器の開発も必要だ・・・・・・。そんなことを妄想しているくらいだ。

 考えてみれば、福島第一原子力発電所の事故のほかにも、原子力発電については課題が山積みであるようにも思う。さきほど書いた30年以内に発生すると言われている南海トラフ大地震への備えもさることながら、使用済み核燃料の廃棄方法についても考えなければならないのではないだろうか。

 実は以前、映画『100,000年後の安全』という映画を映画館で鑑賞したことがある。映画の内容は、フィンランドにおいて、使用済み核燃料の廃棄に頭を悩ませているというものだった。フィンランドでは、使用済み核燃料を地下500メートルのところに埋めて廃棄しているが、使用済み核燃料が人類にとって無害の状態になるには十万年かかると言われており、その間に氷河期も発生し、おそらく言語も変わってしまうので、未来人たちにこれが非常に危険なものであることをどのように知らせるかで頭を悩ませているのである。

 原子力発電に頼っている国に住む人たちは、使用済み核燃料が無害になるまでの時間を認識しているのだろうか。ただ、中には十万年もかからないと力説する人もいる。

【アゴラVlog】プルトニウムに「10万年後の安全」は必要か
(再生速度:1.75で視聴可能)

 映画『100,000年後の安全』の映画で懸念されていることと、上記の動画で語られていることとどちらが本当なのかは素人の私にはわからない。ちなみに、映画『100,000年後の安全』をYouTubeで検索してみると、日本語の吹き替え版を投稿している方がいらっしゃる。これは違法なのかもしれないので、リンクは貼らないでおく。

 それはさておき、日本においても、使用済み核燃料を廃棄する場所に関して、課題が残されているようである。以下のドキュメンタリー動画には、使用済み核燃料の廃棄場所として、地元を提供しようとする町長と、そこに住む住民たちの戦いが記録されている。

「ネアンデルタール人は核の夢を見るか~“核のごみ”と科学と民主主義~」2021年11月20日放送 芸術祭賞やギャラクシー賞、JCJ賞などを受賞したドキュメンタリー!
(再生速度:1.75で視聴可能)

 このドキュメンタリー動画を見て、やはり原子力発電に関連するものは、多額のお金が絡んでいるという印象を受けた。すなわち、原子力発電に力を貸す自治体は、見返りとして多額の報酬を受け取ることができるということだ。多額の報酬を受け取ることで町が豊かになると考える人たちもいれば、町の安全が確実に保証されるのかどうかについて疑問を持つ人たちもいるため、許容できないと主張する人たちもいる。そして、原子力発電を無理に推進しようとしている人たちに共通して言えることは、「どこか冷たい印象を持っている」ということだった。自分のことしか考えていない人たちが多いのではないかという印象だ。

 これらのことから想像するに、おそらくだが福島県もまた、東京電力の原子力発電の建設にあたり、多額の報酬を受け取っていたはずだが、東日本大震災で想定外のことが起きてしまった。東京電力は、その後始末に必死で取り組んでいるが、2051年までに完了する見込みは立っていないと思われる。また、使用済み核燃料の処理の問題も残っている。これらの問題を、今後どのように解決して行くのか。おそらくこれは、東京電力だけの問題では済まされないだろう。原子力発電のメリットだけで新技術に飛びついてしまった感がぬぐえなくもない。デメリットについても充分考察すべきだったのではないか。

 東京電力には引き続き、福島の帰宅困難区域の除染を進めていただくとして、各電力会社で力を合わせて、原子力発電に代わるエネルギーの開発と蓄電への取り組みも進めて欲しいと思う。どうにもこうにも私は専門家ではないので、ここまでの提案しか書けないのが残念だ。とにかく一日も早く、福島の帰宅困難区域の除染が完了して、かつてそこに住んでいた方たちが安心して戻れるようになることを願ってやまない。


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※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 原子力発電の活用に関しては、このまま前に進んで行くことも元に戻すことも困難な状況であるようにも思えます。「トイレのないマンション(使用済核燃料を捨てる場所がないことを意味している)」とは良く言ったものですね・・・・・・。

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