映画『シンドラーのリスト』
※アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所見学 その1~現地ツアーに参加し、「アウシュヴィッツ第二強制収容所ビルケナウ」を訪問する。の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 皆さん、天候に恵まれた三連休を楽しまれましたでしょうか。ようやく涼しくなったので、私たちは車中泊プラス温泉旅館に一泊するために、石川県に来ています(私は15日に有給を取得します)。間接的な方法になりますが、少しでも石川県を応援できたらと思ってやって来ました。しかし、本当に災害がひどかった地域には足を運んでいません。津波が起こったであろう海を見つめて、今後、自然災害で能登の人たちが苦しまないように願いました。どうかこれ以上、能登の人たちを自然災害で苦しめないで欲しい、そして、能登の人たちが再び希望を持って生きられるように願いました。富山のコーラスグループが、輪島の人たちを励ますために歌を披露しているニュースをテレビで見ました。歌を聴いて涙を流している人たちもいて、こんな応援方法もあるのだなと感じました。私もささやかではありますが、応援して行きたいと思いました。さて、ここのところ、週に一回のペースで動画の更新も行っていましたが、現在、旅先で動画の更新ができないため、今回は映画のレビューをお届けしたいと思います。
夏休み前に、アウシュビッツ強制収容所を見学する計画を立てていることをCamblyの講師に話すと、
「映画『シンドラーのリスト』はもう見た?」
と聞かれた。実は、私はこの有名な作品をまだ見ていなかったので、
「いえ、まだ見ていません」
と正直に答えた。世界的に有名なこの作品をこれまで鑑賞していなかったのは、ひとえに、私がヨーロッパ映画好きだからなのかもしれない。Camblyの講師は、この映画を既に何度も観ているらしく、
「何度見ても泣ける映画なのよね」
と言っていた。そこで私も、アウシュビッツ強制収容所を訪問する前に鑑賞しておこうと思い立ったのだ。(ここから先は、ネタバレを含む内容になるため、本作をまだ鑑賞されていない方は注意されたし)
本作を鑑賞し始めてしばらく経ったとき、あまりにも残酷なシーンに耐えられなくなり、この映画を最後まで鑑賞し切るのは厳しいとさえ感じた。それでも、何とか踏ん張って最後まで鑑賞を続けた。長い作品だったが、振り返ってみると、長さがまったく気にならないほど素晴らしい作品だったと思う。
ナチスドイツは、最終的に600万人以上ものユダヤ人を殺害したそうだ。これは本当にむごい話で、私にはまったく理解できないことだった。どうしてナチスドイツがこれほどまでユダヤ人を迫害することに固執していたのか調べてみた。もともとヨーロッパには、反ユダヤ人思想が存在していたという(もしかすると、ユダヤ人が商売上手だったことや、独特の雰囲気を持っていることなどが関係していたのかもしれない・・・・・・)。ナチスドイツは1929年の世界恐慌の影響で自分たちの国が貧しくなった原因がユダヤ人のせいだと思い込み、彼らを迫害しようと考えたようだった。それに加え、宗教の違いなども背景にあったようだ。
私は、本作を鑑賞するまでは、作品自体の評価の高さから、もともとシンドラーという人は非の打ちどころのない善人なのだと思い込んでいた。しかし、彼は完全な善人というわけではなく、実際には女好きで、ホーロー工場を始めるときも、最初は単に労働者に支払う単価が安かったからユダヤ人を利用したいくらいの気持ちで雇っただけではないかと思えた。
とは言え、彼は人間として、ナチスドイツのやり方に、次第に心を痛めるようになって行ったのではないだろうか。最終的に、彼は私財を投げうってまでユダヤ人たちを助けようとする。ホーロー工場を経営して、一生かけても使い切れないほどのお金を手に入れていたにもかかわらず、一人でも多くのユダヤ人を解放しようとしてお金を使い果たし、とうとう彼の蓄えは底をついてしまった。
終戦により、ユダヤ人たちは自由になったが、それとは裏腹に、シンドラーは戦犯として追われる身となった。ユダヤ人たちは、彼へのお礼として、自分たちの金歯を溶かしてシンドラーに指輪を贈る。シンドラーは、自分の車を売れば、ナチスドイツのバッジを売れば、一人でも多くのユダヤ人を救えたのにと嘆きながら工場をあとにする。そんなシンドラーは、ユダヤ人を利用しようとしていた彼とはすっかり別人になっていた。
映画のシーンがモノクロからカラーに切り替わったとき、これは現代を映し出しているのだとわかった。そこには、実際にシンドラーに助け出されたユダヤ人たちやその子孫の方たちが次々にシンドラーのお墓を訪れるシーンが映し出されていた。彼らがシンドラーのお墓参りができるのは、彼らがシンドラーによって助けられ、ナチスドイツによる虐殺を逃れたからに他ならない。
シンドラーの交渉力は素晴らしかった。そして、ビジネスマンとしての交渉力が、次第に人間としての交渉力に変化して行った。それでも、ナチスドイツの冷徹な将校ゲート少尉とも仲良くなれるのだから、彼は大したものだ。ただ、シンドラーが人間的な一面を見せ始めたのは、ゲート少尉が、ユダヤ人たちに対して、あまりにも残酷なふるまいをしたからなのかもしれない。ゲート少尉の目に余るほどの残酷なふるまいが、シンドラーの人間性をはっきりと目覚めさせたと言えるのではないだろうか。
シンドラーは、チェコ生まれのドイツ人らしい。本作を鑑賞して、私はシンドラーのようなドイツ人がもっとたくさんいても良かったのではないかと思った。しかし、実際にはそうでなかったことが残念でならない。旧・オスカー・シンドラーのホーロー工場跡を見学したとき、実際にシンドラーに助けられた方たちの写真が飾られているのを見た。今、思えば、殺されそうになっている人たちを助けるのは人間として当たり前のことであるように思えるのだが、当時の状況としては難しかったのかもしれないとも思う。シンドラーのように金銭的に恵まれていないと、これだけ多くのユダヤ人たちを助けることはできなかっただろうし、また、ナチスドイツにある程度近い人間でないと、やはりできないことだったとも思うからだ。
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※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 大きな流れの中で、その流れに逆らってまで自分の意志を貫くのは、なかなか大変なことだと思います。もし私自身がシンドラーと同じ時代に同じような立場にいたとしたら、果たして彼と同じことができたのだろうかと思うと、あまり自信がありません。そう考えると、彼がおよそ1200人ものユダヤ人たちを助けたことは、歴史的にも人間的にも素晴らしいことなのだと思います。
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