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2016.05.19

映画『サウルの息子』

Cuppa Teaの記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 先日の大雨の日でしたか、満員の通勤列車にカッパを着たままの人が乗っていました。おそらくその人は、自転車かバイクに乗るためにカッパを着て駅まで来たのでしょう。電車の中ではカッパは必要ないとしても、乗りたい電車に駆け込んだために、カッパを脱ぐ時間がなかったのでしょうね。しかし、「あなたはそれでいいかもしれないけれど、あなたの周りにいる人たちは、あなたのカッパに付いた滴(しずく)で濡れてるよ」と言いたくなりました。世の中、いろいろな人がいますが、こういう人たちの存在が、私たちに気付きをもたらしてくれるとも言えます。


Son_of_saul

 本作を鑑賞したのは、二月十九日のことである。仕事帰りに劇場で鑑賞した。ハンガリー映画である本作は、カンヌ映画祭のグランプリを獲得した作品でもある。ホロコーストを扱った作品で、主人公のサウルが置かれていた立場やナチスが行って来た非情な行為に言葉を失う。

 ユダヤ人のサウルは、ナチスの強制収容所で、同胞たちをガス室に送ったり、死体処理を行う、ゾンダーコマンドと呼ばれる特殊部隊に属していた。あるときサウルは、ガス室で生き残った少年を見付け、その少年が自分の息子であることに気付く。非情なことに、その少年はただちに殺されてしまうのだが、たくさんの人間の死体がまるで見慣れたゴミのように扱われる中で、サウルはせめて息子をユダヤ方式で葬ってやりたいと、ラビを探して裏でかけずり回る。

 サウルを演じている俳優さんは、寡黙だが芯が強く、愛情深いイメージである。しかし、強制収容所の中では感情を押し殺したままで生きているのか、表情はずっと硬い。それもそのはずで、感情をオープンにしようものなら、強制収容所で起こっている出来事に対し、目を見開かなければならないからだ。心を閉じることで、人間としての心のバランスがかろうじて保たれている状態だったのである。

 カメラワークが独特で、画面を見詰めていると、緊張感が抜けなかった。緊張感がずっと続くためか、観客もまた、ラストを受け入れるしかない状態にまで追い込まれる。

 決して楽しい気分になれるような作品ではない。笑いもない。しかし、これがこれまで誰も表現しなかったゾンダーコマンドの真実なのだろう。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m ナチスがユダヤ人をガス室に送り込んで大量虐殺を行っていたというのは、歴史的な事実としては学びましたが、それだけの表現では、単に言葉の世界だけで、まったくイメージできていませんでした。本作には、その模様がしっかりと描かれています。そのシーンを観ると、言葉を失うと思います。

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