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2016.04.28

映画『さざなみ』

ホットヨガ(五〇三回目)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 九州新幹線が全線再開したようですね。ゴールデンウィークに間に合って良かったです。一方、被災地では、余震への恐怖から、車中泊を続けている方もいらっしゃるようですね。確かに車の中であれば、上からものが落ちて来たり、家具の下敷きになったりする危険性や恐怖心からは解放されると思います。また、こうした選択を悲観的にとらえるのではなく、回避策の一つとして前向きにとらえることもできると思います。不便なことは多いとは思いますが、不便な状況の中にあっても何らかの回避策が残されているということではないでしょうか。このような、危機を乗り越えるためのノウハウは、同じような状況に直面している人たちにとって、有益な情報になり得ると思います。


45years

 本作を鑑賞したのは、四月二十二日のことである。仕事帰りに大阪・梅田のミニシアターで鑑賞した。原題は"45 YEARS"、すなわち、四十五年間連れ添った老夫婦の物語である。

 イギリスの地方都市に住む老夫婦が、間もなく結婚四十五周年を迎えようとしている。夫のジェフを演じているのはトム・コートネイ、妻のケイトを演じているのはシャーロット・ランプリングである。二人の間に子供はなく、一見、仲の良さそうな夫婦に見える。週末に、結婚四十五周年の祝賀会を催すことになっていた矢先、ジェフ宛にスイスから一通の手紙が届く。その手紙とは、ジェフがケイトと結婚する前に交際していた女性カチャの遺体が発見されたことを知らせるものだった。カチャは、ジェフと一緒にスイスの雪山に登ったときにクレパスに落ちてしまい、行方不明になっていたのだった。

 四十五年もの間、良好な関係を築いて来たというのに、その手紙が届いたことをきっかけに、ジェフの心の奥底に眠っていた元恋人への想いが顕在化し、ケイトの心が次第に大きく揺れ動いて行くさまが描かれている。仲の良い夫婦だったからこそ、人生の大部分を互いに許容し合い、一緒に過ごして来たはずなのに、ケイトの心はジェフが自分と出会う前に交際していた女性に対する嫉妬心に支配されてしまう。

 私が感じたこの老夫婦の問題点は、夫婦の間に感情面での秘密があったということだ。最初からもっと感情をオープンにして接していれば、ケイトの心もここまで揺れることはなかったと思うのだが、重要な感情を共有できていなかったために、もはや引き返せないところにまで行き着いてしまう。それはひとえに、ケイトの嫉妬心がそうさせているのである。

 というのも、ジェフの亡き恋人カチャは、結婚四十五周年を迎えようとしているケイトからすればあまりにも若く、また、ケイトが持てなかったものを持っていた。そのことに対する嫉妬心がケイトの平常心を失わせたように思う。

 四十五年も連れ添った夫婦の仲を覆してしまうほどの存在は、まるで順調に勝ち進んで来たオセロゲームの後半で、一気にひっくり返されてしまうようなものだろう。祝賀会でのケイトの表情が、感情を抑えているだけに恐ろしい。「ここで終わってしまうの?」という終わり方だったが、おそらく結末は一つしかないだろう。いやはや、女性の嫉妬は恐ろしい。

 映画のシーンで気になったのは、ケイトがコップに水道水を注いで飲むシーンである。まず、イギリスの水道水をそのまま飲んでいることに驚いたのと、コップに残った水を捨てずに流しに置いたことにも驚いた。イギリスの水道水は石灰水のような色と味で、はっきり言っておいしくない。それでも、イギリス人は水道水を飲んでいるのだと、まずは驚いたのだ。日本ほど水道事情が優れている国は珍しいらしく、海外から日本に移住した人が、日本の飲食店の厨房で水を出しっぱなしにしている行為にひどく驚いたと言っていた。言い換えれば、日本は良質な水に恵まれているため、水を粗末にしやすいとも言える。だから、ケイトがコップに残った水をそのまま流しに置いたことに違和感を感じだのだろう。ホットヨガのレッスンのあと、ペットボトルに残った水を捨てている人を良く見掛けるが、無意識のうちに私たちは、飲み残した水を捨ててしまう習慣があるために、水を捨てない他国の習慣に、「あれ? 何故、捨てないの?」と感じてしまうようである。

 話が横道にそれてしまったが、老夫婦の抱える問題、特にケイトの心の動きに注目しながら鑑賞すると、見ごたえのある作品だと思う。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 心の中で思っていることがあっても口に出さないでいると、自分の中で勝手に結論を導き出してしまう傾向があるように思います。また、普段は見せない相手の心の裏側を見てしまうと、受け入れられなくなってしまうのでしょうね。

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