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2015.04.15

映画『さいはてにて~やさしい香りと待ちながら~』

ホットヨガ(四三四回目)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 関西地方は今朝も雨が降っていましたが、今は、朝の雨が嘘のように晴れています。ようやく梅雨明けしたのでしょうか。(苦笑)とにかく、桜の時期に集中して雨が降ったという感じですね。まだ桜が開花していない、寒い地域にお住まいの方たちもいらっしゃるかと思いますが、桜の花が咲く頃にはお天気に恵まれるといいですね。

 本作を鑑賞したのは、三月二十五日のことである。レディースデイに劇場で鑑賞した。

 本作についての予備知識は何もなく、ただ仕事を終えて映画館に到着する時間が、本作を鑑賞するのにちょうど良い時間だったという理由だけで鑑賞したのだが、物語が進んで行くにつれて、実に良い作品だとしみじみ感じた。

 永作博美ちゃん演じる吉田岬は、東京から、故郷である石川県の奥能登に帰って来る。そして、船の事故で行方不明になってしまった父の持ち物である船小屋を改装して、焙煎珈琲店を始める。船小屋のすぐ近くにある民宿には、佐々木希ちゃん演じる山崎絵里子と二人の子供たちが住んでいる。シングルマザーでキャバクラ嬢の絵里子は、生計を立てて行くために、時々、泊まりで金沢まで働きに出掛けて行く。絵里子が不在の間、二人の子供たちは絵里子が置いていったお金で留守番をしながら細々と生活している。絵里子と岬は、初対面での印象が良くなかったためにしばらく交流はなかったものの、絵里子の二人の子供たちは焙煎珈琲店に興味を持ち、母の絵里子よりも早く岬と仲良くなるのだった。

 時間の流れ方、登場人物らが抱えている問題と感情、焙煎珈琲店を通じて人々の距離が少しずつ縮まって行く様子、どれを取っても心地よい流れである。岬は、ある意味、開かれた人で、他者を受け入れるソケットを持っているため、人々はそのソケットを介して岬と繋がることができる。しかし、絵里子のように閉じられていると、ソケットを持っている人との接点を持つことができない。

 とは言え、登場人物の中で一番変わらないのは岬で、最も変わったのは絵里子と言えるだろう。最初は子供に対する愛情よりも、男性に依存しているように見えていた絵里子だったが、ある事件をきっかけに岬と交流するようになる。それからの絵里子の、まるで別人のような変身ぶりには、ただただ驚かされるばかりだった。自分に素直になれた人は、ここまで変わることができるのかと思った。

 都会から田舎に転居して来て、岬のように田舎の人たちと馴染んで行くのは珍しいかもしれない。もちろん、もともと岬が奥能登の生まれであることも、馴染むことができた理由の一つだろうが、私なりに感じたのは、岬がいつも本音で人と接していたことが、人々に安心感を与えたのではないかということだった。

 しかし、そんな岬も、あることを知ったときに、これまで開いていたソケットを閉じてしまう。そこで物語が終わってしまうのであれば、ずいぶん後味が悪いだろうと思っていたところ、ちゃんと納得の行く続きがあった。ソケットを開いて他者を受け入れるという行為は、端から見ていて気持ちがいいものだが、自分自身に他者を受け入れる余裕がないときは、大変辛いものである。それでも、どうやら岬は、自分自身でソケットのメンテナンスをしたようだった。

 こういう静かな流れの作品は、ヨーロッパ映画に良く見られる。本作の監督は、台湾の女性監督チアン・シウチュンだそうだ。なるほど、それであまり邦画らしくない仕上がりなのかもしれないとも思った。まだ新人の監督さんらしいので、次の作品が今から楽しみである。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 小さい頃に、大好きだった父と離ればなれになってしまった岬にとって、父と過ごした船小屋で聞く波の音が癒しになることもあれば、反対に辛くなることもあったようですね。時間の流れ方が心地よく、また、人の気持ちに沿うことができる良い作品だと思いました。

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