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2014.08.14

映画『私がクマにキレた理由(わけ)』

「迎え火」をするの記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 母が帰って来ると思うと、なかなか寝付くことができませんでした。(苦笑)それでも、朝、目覚めたときには、何となくいつもと感覚が違っていました。母は帰って来たのでしょうか。トイレに立つと、母が可愛がっていた飼い猫が「おっかあ」と鳴きました。母は良く、飼い猫が、「おっかあ」と鳴くと言っていました。母が家に居た頃は、良く耳にしていた鳴き方でしたが、この一年ほどは、耳にしていませんでした。飼い猫には、母が帰って来ているのがわかったのでしょうか。

 本作を鑑賞したのは、八月九日のことである。本作もまた、U-NEXT<ユーネクスト>日本最大級のビデオ・オンデマンドで鑑賞した。実は、日本語字幕なしの動画をどこかのサイトで鑑賞していたので、その内容確認のために、改めて鑑賞しておきたかったのだ。

 スカーレット・ヨハンソンがアニーという名のベビーシッターを演じている。乳母のことを英語でnannyと言うので、アニーとかけているのかもしれない。

 ひょんなことから、上流家庭のマダム、ミセスXと知り合ったアニーは、就職活動に失敗したことから、ミセスXの息子グレイヤーのベビーシッターとして、ミセスXの住む超高級アパートに住み込みで働くようになる。お金はあるものの、愛には恵まれていないミセスXをローラ・リニーが演じているのだが、もう、実にハマリ役なのである。お金がたくさんあって上品でも、精神的に満たされていないのが伝わって来るのだ。

 ミセスXの夫であるミスターXが人間的な魅力に欠ける人物として良く描かれていて、これまた面白い。ミスターXは、帰宅してもミセスXの話に耳を傾けようとはせず、ミセスXはミセスXで、アニーの話に耳を傾けようとはしない。ミスターXとミセスXの夫婦間に愛が通っているとは思えず、ミスターXは家庭外に女性を求め、ミセスXは満たされない想いを抱え続け、アニーはそんなミセスXに振り回され続けている。

 このような夫婦に育てられているグレイヤーは、はたから見ていても、とても気の毒だ。両親がお互いへの愛で満たされていないために、それぞれが自分のことで精一杯になってしまい、息子に分け与えるべき愛がないのである。もちろん、同じような状況にあっても、子供の存在が支えになっている人たちは、子供にちゃんと愛を分け与えることができるのだが、ミスターXとミセスXは違ったようである。

 グレイヤーは、両親からの直接的な愛を受け取ることができない代わりに、ベビーシッターと過ごす時間は長い。しかも、そんな状況だから、ベビーシッターもしょっちゅう変わる。そんな環境が子供に良いわけがない。映画を鑑賞している私までキレてしまいそうだった。ちなみに、邦題に含まれている「クマ」というのは、ベビーシッターを監視するためのクマのぬいぐるみのことである。

 とにかく、そんな環境で育って来たグレイヤーだから、ベビーシッターは彼のやんちゃぶりに手を焼く。おそらくグレイヤーは、ベビーシッターがまた自分のもとから去ってしまうのではないかという恐怖心があるために、最初からベビーシッターに友好的に接することができないのではないだろうか。それは、彼自身が傷つかないようにするためのブロックなのだ。そんなグレイヤーの気持ちをミセスXやミスターXが理解するはずもない。

 それでも、最初はグレイヤーに手を焼いたアニーだったが、グレイヤーに型破りなことを教えたことで、グレイヤーはアニーに対して次第に心を開くようになる。そこからは、ベビーシッターの仕事も軌道に乗るかのように思えたのだが、何しろ、両親が何から何までアニーに押し付けようとするため、アニーは一日二十四時間、ベビーシッターの仕事で忙しい。しかも、休日も与えられないほどの状態なのだ。

 そうした超多忙なベビーシッターの状況を描き出しつつ、ベビーシッター同士のやりとりや、アニー自身の恋愛も絡めた物語が進行して行く。とにかく、ミスターXとミセスXが冷たい人間として描かれているところが面白い。こんな上流社会は嫌だ、とさえ思わせてしまうのだ。

 私的に気に入ったのは、メアリー・ポピンズを思わせるシーンが取り込まれていたところである。すなわち、ベビーシッターが東風に乗ってやって来て、西風に乗って去って行くのだ。グレイヤーにとっては、心を開いたアニーにずっと居て欲しかったに違いないが、アニーが去ることで、少なくともミセスXとグレイヤーは、本来あるべき姿に収まることができたとも言えるのではないだろうか。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m ある状況から別の状況に移行して行くとき、そこには厚い壁が存在しているのかもしれません。アニーがキレることで、その厚い壁を打ち破ることができたと思います。厚い壁が破れるときに、「受け入れ」が起こるか、それとも「反発」が起こるかですが、本作の場合は、「受け入れ」が起こったようですね。

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