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2014.01.19

入院十日目

入院九日目の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。十一日間の入院生活を経て、昨日、無事に退院することができました。病院と自宅では、室温が十度以上違っているのですが、やはり厚着をして過ごせるくらいの自宅の温度が、私には過ごし易いようです。ガンモは、私が同じ部屋にいると暖かいと言ってくれています。人の体温が室温を上げるというのは、ホットヨガのレッスンでも実感していますが、実生活ではあまり聞いたことがなかったので、新鮮でした。それでは、既に退院してしまっていますが、今日も二日遅れの入院記事をお届けします。

 手術を受けられた同室の患者さんに付き添われていたお母様は、パイプ椅子の上で一夜を過ごされたのだろうか。全身麻酔の手術を受ける患者さんが穿く血栓予防のための弾性ストッキングは、お母様にも必要だったのではないだろうか。また、その患者さんは窓際のベッドだったので、寒かったのではないだろうか。お母様が何時まで付き添っていらっしゃったのかはわからないが、私は頭の中でそんなことを考えていた。

 朝食も完食した。抗がん剤の投与を受けていたであろう同室の患者さんが退院されるようなので、これまでごあいさつ程度しか言葉を交わしたことがなかったが、
「ご退院おめでとうございます。どうぞお大事になさってください」
と声を掛けさせていただいた。その方には中学生くらいの息子さんがいらっしゃるようで、良くお見舞いに来られていた。ご飯の時間になると、真っ先に病室を飛び出して行って、お母様のための食事を看護師さんから受け取って病室に戻って来る、優しい息子さんだった。それだけ濃厚な時間を過ごしていると言える。

 朝食後に、担当医による退院診察があった。あの屈辱的な婦人科の台にはもう座ることはないと思っていたのだが、そこに座って足を開くと、検診のための機器が入れられた。

 担当医によれば、手術あとに一センチ四方くらいの血腫があるそうだが、それはやがて吸収されて行くものらしい。そのときに、多少、発熱することもあるそうだが、それほど高い熱にはならないだろうとのことだった。そして、
明日の退院が正式に決定し、次は二週間後に外来で診察を受けることになった。私は、ヨガのレッスンにはいつ頃復帰できるか、担当医に尋ねてみたのだが、担当医はしばらく考えて、
「二週間後の診察のときに、また相談しましょう」
と言ってくださった。

 看護師さんに、明日はお昼ご飯を食べてから退院するかどうか尋ねられたので、お昼ご飯を食べずに退院すると答えた。退院祝いに、ガンモとおいしいものを食べに行こうと思っていたからだ。

 昨日、手術をされた同室の患者さんが医師の説明を受けていた。子宮筋腫も摘出したものの、通常の子宮筋腫とは形状の異なるものが取り出されたそうだ。しかし、それが、がん化しているわけではないとのことだった。それでも、その後の看護師さんとの会話の中に、「腫瘍マーカの値が下がっているかどうか」というキーワードが出て来たので、やはり何らかの悪性腫瘍を取り除くための開腹手術だったようだ。

 お昼ご飯を食べたあと、同室の患者さんが退院された。この病室内で、とうとう私が一番の古株になってしまった。そのあと、先ほど退院さたばかりのベッドに、午後から別の患者さんが入って来られた。相変わらず、ものすごいローテーションである。

 翌日の退院が決定したので、看護師さんが「退院のしおり」を持って来てくださった。「退院のしおり」に、私が先に一人で目を通したあと、看護師さんが説明を加えてくださった。「退院のしおり」には、

・シャワーは良いが、入浴はしばらく控えること

 お腹の傷は塞がっているように見えても、膣側の傷がまだ塞がっていないので、お風呂に入るとそこからばい菌が入ってしまう恐れがあるからだそうだ。

・重いものを持たないようにすること

 腹圧が掛かる作業は避けたほうがいいとのことだった。

・性生活は三ヶ月ほど控えること

 こちらも、膣側の傷がまだ塞がっていないので、控えるように書かれていた。

 そして、大量に出血したときや三十八度を超える高熱が出たとき、下腹部痛がひどいときなどは、病院に電話を掛けて、すみやかに受診するように言われた。

 私自身も何となく感じてはいたのだが、手術を受けたあとは、体力が落ちているそうだ。また、長い時間、同じ姿勢を保っていられなかったり、集中力を失っているようにも感じていた。何かをしたいと思っても、腰が重く、なかなか実行に移すことができなかったりした。

 また、看護師さんには、表面の傷が治っているように見えても、お腹の中の傷はまだ治っていないので無理をしないように言われた。お腹の中の傷が完全に治るまでには三ヶ月から六ヶ月くらい掛かるそうだ。それまでの間は、腹圧が掛かるような動作は控えるべきだそうだ。

 私は、癒着のことが気になっていたので、改めて看護師さんに尋ねてみた。すると、看護師さんは、
「初めての開腹手術の場合は、ほとんど気にすることはないと思います」
と言ってくださった。確かに、私にとっては初めての開腹手術である。しかし、手術後の癒着の話は、身近でも良く聞いていた。親戚の女性も開腹手術を受けたあとの癒着がひどく、痛みを感じたと聞いていた。しかし、手術の説明を受けたときも、こちらが持ち掛けなければ癒着の話は出て来なかった。それは、癒着に対して無頓着であるということではなく、癒着に対応できるだけのノウハウがあったということが、退院したあとでわかったのだ。

 看護師さんによれば、更年期障害の外来も受け付けてくださるそうだ。私は、がんの患者さんを扱うような大きな病院で、更年期障害の外来にうかがうのも何だか気が引けると思ったのだが、とても良い病院なので、今後も繋がりを持っておきたい気持ちもあった。ただ、I医師のいる病院のように、土曜日に受診することができないので、それだけが問題である。

 夕方、ガンモが来てくれたので、一緒に晩ご飯を食べた。平日の面会時間は十九時までなので、病院と職場がよほど近所でもない限り、仕事を持っている人はほとんど面会には来られないだろう。しかも、今回の私の入院は、間に三連休を挟んでいたので、入院して手術を受けると誰かに話せば、三連休の間に無理に時間を作ってお見舞いに来てくれようとする人もいるかもしれないと思い、近場の人たちには黙っておいた。そういう方たちには、退院後に知らせるつもりだ。

 夕食後、看護師さんが病室に来てくださり、入院費の清算について聞かせてくださった。看護師さんによれば、今日は退院される患者さんの数が多かったので、精算の処理が間に合わなかったそうだ。明日の土曜日に退院することになっているのだが、入院費の清算がまだできていないので、精算もせずにそのまま退院し、後日、病院から連絡があるのを待つように言われた。支払いのためだけに病院に来なくても良いとのことなので、二週間後の診察のときに、一緒に入院日を支払うようにすると言っておいた。ちなみに、その看護師さんは、手術後の夜に、私が腰の痛みを訴えて何度もナースコールをさせていただいたときに、腰の痛みを軽減するために身体の向きを変えてくださった看護師さんだったので、
「夜中に何度もありがとうございました」
と御礼を言っておいた。

 眠くなったので、早めにベッドの上に横になったのだが、悪性腫瘍を取り除くために手術を受けた患者さんのベッドから泣き声が聞こえて来た。心の奥底から沸き上がって来る深い悲しみをこらえ切れないような、とても辛そうな泣き声だった。カーテン越しにその泣き声が漏れ聞こえて来ても、私にはどうすることもできなかった。

 しばらくすると、またしてもハリーコールが掛かった。今度は、私が入院している病棟の同じ階だった。しかも、私のいる病室からずいぶん近いようだ。
「どこですか?」
と緊迫した雰囲気で病室を確認しながら、たくさんの人たちがこちらに向かって走って来るのがわかった。やがて、患者さんの名前を呼び掛けている声も聞こえて来た。そこには、ものすごいエネルギーが流れていた。普段、生活をしていると、誰かのためにこんなに一生懸命になる現場に遭遇することはない。命を扱う病院では、瞬間的に、誰かのために一生懸命になることができる、エネルギーの高い場所なのだと思った。

 しばらくすると静かになった。同室の患者さんのところに訪れた看護師さんと患者さんとの会話から、ハリーコールの対象となった患者さんの症状が落ち着いたことを知って安心した。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 入院最後の夜となったわけですが、またしてもハリーコールでドキドキしました。それでも、症状が落ち着いたようで良かったです。良く、自分が入院したり、身近な人が入院したりすると、医療の現場で働きたいと思う方がいらっしゃるようですが、そういう気持ちもわかるような気がしました。おそらく、常に高いエネルギーを感じていたいのでしょうね。

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