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2013.11.13

振り返り(15)

振り返り(14)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。以前の記事でご紹介させていただいたKarenさんのcare and shareで推薦されていた【送料無料】永遠の別れ [ エリザベス・キューブラー・ロス ]を読み始めました。近親者を亡くした人が癒される本です。まだ読み始めたばかりですが、とても内容が深く、私にとって、忘れられない本になりそうです。もしも、近親者を亡くして辛い想いをされている方がいらっしゃいましたら、私からもお勧めしますので、読んでみてください。それでは、振り返り(14)の続きを書かせていただきます。

 母の想い出の品々を集める作業は、思いのほか手間取った。お棺の中に入れてあげたいものは、もっともっとたくさんあるはずなのに、冷静になれないためか、なかなかはかどらなかった。もちろん、看護師の従姉から言われていた母の口紅は、一番最初に探し出して、用意したエコバッグの中に入れていた。父も、あたふたしながらも、お米やビニール袋、母が使っていたお茶碗などを揃えてくれた。

 母が庭で育てていた花も持参したかったが、既に夜の遅い時間だったので外は暗く、お棺の中に入れてあげるのに適当な花を探すことが困難だった。また、母が大好きだったスイカも入れてあげたかったが、食品を購入するためにいつも利用している実家近くのスーパーはもう閉まっていた。

 父と私が実家に帰った切り、鉄砲玉のように戻って来ないので、斎場でしびれを切らした弟から電話があった。弟によれば、弟の古い友人が斎場に来てくれていて、久し振りに私に会いたいとのことだった。そのため、私が斎場に戻る時間を確認したかったようだ。しかし、私が、まだしばらく掛かることを伝えると、弟の古い友人は、翌日、わざわざ仕事を休んで母の葬儀に参列してくれることになった。

 私も、母が息を引き取ったことを小学校時代の友人にメールで知らせていた。彼女は、母が入院しているときに、差し入れを持ってやって来てくれた友人である。何と、彼女から、母にお別れに行きたいので、葬儀の時間と場所を教えて欲しいというメールが届いていた。有り難いことである。私は、彼女に葬儀の時間と場所を知らせるメールを送った。

 やがて、父と私は実家をあとにして、深夜営業のスーパーに足を運んだ。そのスーパーに、母が好きだったスイカと、免疫力アップのために良く食べていたバナナを見付けたので買ってみた。しかし、いつも購入しているスイカやバナナよりも量が少なかったので、翌朝、父が七時から営業している実家近くのスーパーに出向いて買って来てくれることになった。そして、父はそのときにもう一度実家に戻り、母が大事に育てていた花を摘んで来てくれることになった。

 深夜営業のスーパーで、父は知り合いの男性に会ったようだ。父はその男性に、母が息を引き取り、翌日、葬儀を行うことを話していた。私は、その男性が誰だかわからなかったので、父の横で会話に参加せずに静かに控えていた。

 スーパーを出てから父に、先ほどの男性が誰なのかを尋ねてみると、父と母がお世話になっているMさんであることがわかった。母と毎日電話で会話をしていた中で、Mさんのこともしばしば話題に昇っていた。Mさんは、少し前に私よりも一歳年下の息子さんを亡くされたばかりだった。母は、深い悲しみの中にあるであろうMさんに、どのように接したらいいのかわからないと言っていた。

 そんなMさんが、息子さんの亡きあと、あるとき私の実家にひょっこり現れたそうだ。何と、父と母のために栄養価の高い卵を持って来てくださったという。私は、「こちらから歩み寄らなければならない状況なのに、Mさんのほうから歩み寄ってくれたなんて、何だか申し訳ないね」というようなことを母に話した。

 深夜営業のスーパーをあとにして、父と私が斎場に戻ったのは、二十二時半を回った頃だった。そのときに驚いたのは、従兄がまだ斎場に残ってくれていたことである。従兄は、まだ何か、私たちの力になれることがあるのではないかと気を遣ってくれていたらしい。従兄は、数年前に大病をしてひどく痩せて、そのあと、育ての親である伯母を亡くした。

 深夜営業のスーパーで会ったMさんと言い、遅くまで斎場に残ってくれていた従兄と言い、深い悲しみや辛さを体験して来た人たちは、こうしたさりげない優しさを惜しみなく他者に分け与えることができる有り難い存在なのだと実感した。彼らの優しさは本物った。

 私は従兄に、遅くまで残ってもらったお礼を言い、明日もあるので早く帰って休んでと言った。あとからガンモに聞いてみると、父と私が実家に帰っている間、ガンモは従兄と話をしていたそうだ。口ベタなガンモが私の従兄と話をするくらいだから、きっと実りのある会話だったのだろう。

 従兄を見送って時計を見ると、もう二十三時を回っていた。私は、母の兄弟が通夜に来てくれていなかったことがとても気になっていたので、今から母の兄弟に電話を掛けようかどうしようかと迷っていた。弟は、電話を掛けるなら、例え夜遅い時間であったとしても、今からのほうがいいと言ってくれたのだが、私は、田舎に住む人たちの夜がとても早いことを知っていたので、翌朝七時に電話を掛けることにしたのだった。

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