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2013.10.11

振り返り(7)

振り返り(6)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 私の実家のある地域では、亡くなった人の魂は、四十九日が終わるまでは自宅の屋根の上にいて家の中の様子を見守っていると言われています。父はしばしば屋根の上を見上げては母を探しているようですが、確認できないようで、「屋根の上を見ても、お母さん、おらん(いない)」とがっかりした様子で私に伝えてくれます。四十九日が過ぎれば、母の魂は、いよいよあちらの世界へ旅立ってしまうのでしょうか。このまま屋根の上に留まって欲しいような、早く光に包まれて旅立って欲しいような、複雑な気持ちです。それでは、振り返り(6)の続きを書かせていただきます。

 母からのメッセージを受け取っていたのは、私だけではなかった。弟と、母の友人である。母の友人に関しては、葬儀が終わってから確認できたこともあるので、後日書かせていただくことにして、まずは弟のことを書いてみたいと思う。

 弟は今、実家に住んでいる。時には夜勤もあるので、仕事に出掛けて行くのは早朝か夕方である。母の魂が肉体を去ってしまった日は、早朝から仕事に出掛けて行くことになっていたため、弟は出勤の準備を整えて家の外に出たようだ。ところが、どういうわけか、車のエンジンが掛からなかったという。

 平日は、毎日、病院に泊まり込んでくれていた父は、弟が早朝から出勤する日の朝は、自分自身も朝食を食べたり、ごみを出したり、また、洗濯などの家事をこなすために、六時頃に一時的に帰宅していた。病院から実家まで、車でわずか三分程度だったので、父は母の入院中にしばしば帰宅していたのだ。その日の朝、母は初めての酸素呼吸が取り付けられていた状態だったが、父もまさかその三時間半後に母が息を引き取ってしまうなど、思ってもみなかったのだろう。

 いつものように父が帰宅したところ、弟が車のエンジンが掛からないと言って、難儀していたようだ。弟は勤務先にも連絡を入れて、車のエンジンが掛からないため出勤できない状況にあることを伝えていたという。そこで父は、自分の車を弟の車のすぐ側まで持って行き、自分の車のバッテリを供給して、弟が車のエンジンを掛けるのを援助したそうだ。

 エンジンはすぐに掛かり、弟はいつもよりも遅れて出勤したという。しかし、結果的には、その三時間半後に母の魂は肉体を去ってしまうことになった。そのため、父からの知らせを受けた弟は、私と同じように、仕事を早退することになったそうだ。

 朝、車のエンジンが掛からなかったことを近所に住む伯母に話すと、夜の間、弟の車のランプが点いていたそうだ。そのため、一時的にバッテリが上がってしまったのかもしれなかった。

 もしかすると母は、自分の魂がもうすぐ肉体を去ってしまうことがわかっていたので、弟の車のエンジンを掛からないようにすることで、弟に対し、「今日は仕事には行かないで」と訴えていたのかもしれない。

 実際、こうした虫の知らせのようなものは良くあるもので、義母が亡くなったときは、大きなムカデが義弟の靴の中に入り込み、義弟の足を刺した。義弟は、ムカデが靴の中に入っているとは気づかないまま義母の病室を訪れ、何となく違和感を感じて靴を脱いだところ、中から大きなムカデが出て来て、他の病室に入って行ってしまった。それから、病院は大騒動になったのだ。

 義父が亡くなったときは、長いこと不在にしていた鳩の父ちゃんが、突然、我が家のベランダに帰って来た。私たちは鳩の父ちゃんの帰還を喜んだのだが、その直後に義弟から電話が入り、義父が亡くなったことを知った。

 こうして考えてみると、虫の知らせとは良く言ったものだと思う。もしかすると、虫の知らせというものは、肉体を去ろうとしている(あるいは、既に去ってしまった)魂が、別の生き物の肉体を借りることによって、お別れを言いに来ているのかもしれない。

 そういう意味での虫の知らせならば、私自身にも少し気になっていることがある。母の魂が肉体を去ってしまったおよそ一時間後に、私は自宅の最寄駅のトイレを利用したのだが、そのときに、トイレにいた蠅が私の持っていた手提げバッグにくっついて来た。私はしばしばそのトイレを利用しているのだが、これまでにそのトイレで蠅を見たことは一度もなかった。蠅は、私がトイレを出たあとも、私が持っていた手提げバッグにずっとくっついて来て、しばらくの間、自転車に乗っている私のすぐ側にいたのだった。

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