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2013.10.03

振り返り(5)

振り返り(4)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。好きなアーチストが夢に出て来てくれたおかげで、少し元気になれたように思っていたのですが、やはり悲しみは根が深いですね。仕事をしていても、ふとしたときに涙を堪(こら)え切れなくなることがあります。そんなとき、老眼鏡付きのPCメガネが私の歪んだ表情を隠してくれます。仕事から帰宅すると、自分自身が解放されるからか、顔をぐちゃぐちゃにして泣いています。心の中にぽっかりと空いてしまった穴は、誰にも埋められるものではないことがわかりました。母の代わりになるものは、この世には存在しないということだと思います。インターネットを検索してみると、同じような経験をした人たちがたくさんいらっしゃることに気付きました。そういう人たちの書き込みを拝見しながら、毎日を過ごしています。また、覚醒した方たちのブログも参考になります。以前よりも一層、スピリチュアルなものを求める傾向が強くなって来ました。

 私は、母の魂が肉体を去ってしまったことを伝えるために、ガンモに電話を掛けた。ガンモはdocomoの携帯電話が通じないところで仕事をしていたので、auの業務用携帯電話に掛けて母のことを伝えた。ガンモには、仕事を早退した直後に、勤務先の最寄駅に向かう途中に電話を掛けて母の危篤を知らせていた。しかし、その電話を掛けてからほどなくして母が息を引き取ってしまったので、ガンモも驚いていた。

 私は、いったん帰宅してから、準備を整えて高速バスに乗って帰省しようと思っていた。ガンモは仕事が忙しいと言っていたので、葬儀に間に合うように帰ってくれたら充分だと思っていたのだ。

 高速バスのチケットは、いつもローソンで購入していたので、自宅近くのローソンで購入するつもりで、JR線を乗り継いで自宅の最寄駅へと向かった。そして、自宅の最寄駅に着いてみると、ひとまず職場に連絡を入れておこうと思った。少なくとも一週間は仕事を休むことになるだろうと思い、次の週末まで休暇を申請するために勤務先に電話を掛けた。

 ところが、上司の上司はあいにく会議中で、直属の上司も離席中だった。そのため、このときの電話もまた、ひどく待たされた。もう一度、掛け直そうかと思っている頃に、ようやく同じプロジェクト内の別の社員さんが電話に出てくれた。私はその社員さんに、母が亡くなってしまったことを伝え、来週いっぱいまで休暇を取りたいので上司に伝えて欲しいと伝言を頼んだ。

 それから、高速バスのチケットを購入するために自宅近くのローソンに足を運んだのだが、何と、チケットを購入できる最も早い高速バスは、三宮駅前を十三時五十分に出発する便となっていた。三宮から私の実家の最寄駅までは、高速バスで四時間半掛かるので、十三時五十分発の高速バスに乗っていては、いくら何でも遅くなり過ぎると思った。そこで、JR線か飛行機を利用して移動しようと思い、高速バスのチケットを購入することなくローソンをあとにした。

 飛行機にしようと思ったのは、これまでの旅行で貯めたマイルがたくさん残っているので、使っておきたかったからだ。しかし、利用する当日にマイルを充当して航空券を購入できるかどうかわからなかった。そのことについて立ち止まって調べるよりも、とにかく前に進もうと思い、帰省の準備を始めた。

 私は泣きながら喪服を探してバッグに詰めた。実家から離れて暮らしている私にとって、例え母の容態が芳しくない状態であったとしても、母がまだ生きているのに喪服の用意をして帰省するようなことはどうしてもできなかった。そのため、もしも帰省中に、喪服の用意がないまま母の魂が肉体を去ってしまったとしたら、どこかで喪服を購入すればいいとさえ考えていたほどだ。しかし、母の魂は、既に肉体を去ってしまった。そのため、私は喪服を持参して帰省することに抵抗を感じずに済んだ。

 かつて、義母や義父の容態が悪化したとき、ガンモは私に、喪服の用意をしておくように言った。私が、ためらいながらも、ガンモに言われた通りに喪服を探していると、ガンモは私に対し、本当は喪服の用意をして欲しくないような態度を取った。口では喪服の用意をしておくように言っておきながらも、愛があればこそ、内心は、喪服を着るような場面を想像したくはないものなのだ。

 私は、週末ごとに帰省していたので、帰省のための荷物をまとめるのは早かった。そして、帰省の準備を整えた私は、十一時頃に玄関の外に出た。この時点で、まだ何の交通手段を使って移動するか、決めてはいなかったのだが、飛行機は不確かなので、新幹線と在来線の特急列車を乗り継いで帰省しようと思っていた。

 玄関の外に出て、一呼吸していると、何と、ガンモが帰って来た。
私は驚き、
「えっ?」
と言った。
「仕事、大丈夫なの?」
とガンモに尋ねると、ガンモは、
「当たり前やんか」
と言った。

 ガンモは、抱えていた仕事を他の人に引き継いで、私と一緒に帰省するために帰宅してくれたのだ。私はとても心強いと思った。そして、ローソンで予約できる最も早い時間の高速バスが十三時五十分の便だったのは、ガンモが仕事を上がって一緒に帰省してくれることが決まっていたからだと理解した。それだけでない。仕事を上がったあと、勤務先の最寄駅で翌日の高速バスをキャンセルするために電話を掛けたときにひどく待たされたのも、また、自宅の最寄駅から勤務先に電話を掛けたときにひどく待たされたのも、ガンモが仕事を終えて帰宅する時間と、私が帰り支度を整えて玄関の外に出る時間を絶妙に調整していたのではないかと思えて来たのだった。

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