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2013.08.12

映画『脳男』

佐久間正英さんの"goodbye world"を読んでの記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 夏休みが終わって仕事が始まったのですが、何と、社内で一番忙しいプロジェクトの助っ人として駆り出されてしまいました。こんな状況のときに、何ということでしょう。とは言え、とらえ方によっては、仕事が忙しいうちは、心配しているような出来事は起こらないということなのかもしれません。

 本作を鑑賞したのは、三月十六日のことである。予告編でキング・クリムゾンの『21世紀のスキッツォイド・マン』が主題歌として流れていたので驚いた。というのも、イギリス英語と同様、プログレも私の耳にとても心地よく感じられ、キング・クリムゾンの来日公演にも足を運んだことがあるからだ。

 足早に走り去ってしまう予告編だけを見ると、何となく、生田斗真くん演じる脳男の鈴木一郎が犯罪者であるかのように思えてしまうのだが、そうではない。彼は、極悪犯罪を阻止するために、犯罪が起ころうとしている現場に駆けつけているのだ。

 極悪犯罪を起こしているのは、二階堂ふみちゃん演じる緑川である。緑川は、爆弾を自作するほどの頭脳がありながらも、爆弾を使って無差別殺人を行っている。彼女が笑うとしたら、人が苦しみを感じたときだろう。狂気に満ちた彼女の表情には、これまでの役柄とはまったく人柄が浮かんでいる。

 彼女と共演することの多い染谷将太くんもまた、本作では犯罪者の志村として登場している。坊主頭にした彼の控えめな笑顔を見ると、何だか本当に、隠れたところで少年たちにいたずらをしているように見えて仕方がない。本人たちが認めるかどうかは別にして、二階堂ふみちゃんと染谷将太くんは、リアルの世界で運命共同体のような関係なのではないだろうか。

 生田斗真くん演じる脳男の鈴木一郎は、ある意味、緑川と対極の存在かもしれない。一郎には感情がないとされているのだが、緑川が行っている極悪犯罪もまた、自分の本当の感情を押し殺さなければ実践できないと思うのだ。本当の感情が見えないという意味において、二人は正義と極悪で対極であるように見えた。

 一郎や志村を精神医学的に診ているのが松雪泰子ちゃん演じる精神科医の鷲谷真梨子である。松雪泰子ちゃんは、実に幅広い演技のできる女優さんである。今回、彼女が演じる鷲谷医師は、一郎に感情がないことに注目している。

 私は、何か強烈な体験をすると、人は感情を閉じてしまって自分自身を守ろうとするのではないかと思っている。要するに、意識レベルを下げるのだ。意識レベルを下げたほうが、自分が楽だからだと思う。一郎もまた、自分を守るために感情を閉じてしまったのではないかと思う。一方、志村のように、一見、感情を開いているように見える人は危険である。染谷くんの演技で、感情を開いているときに見せていた控えめな笑顔は、心からのものではないと私は感じた。どこかに闇が潜んでいるのがわかってしまう笑顔なのだ。それを感じたということは、それだけ、染谷くんの演技が素晴らしかったということでもある。

 本作の原作者は、一郎や緑川から感情を抜き取ることによって、本当は、人間にとって感情がいかに大切であるかを表現しようとしたのではないだろうか。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 感情のない一郎を演じていた生田くんの演技もなかなかでしたね。どういうわけか、本作の写真を掲載したくても、彼が写っている写真が見当たりませんでした。彼の事務所が公開を許可しなかったのでしょうか。予告編の映像も極端に少なかったので、規制がかかっているのかもしれませんね。

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