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2013.06.13

映画『のぼうの城』

濃厚な時間(4)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。電車を待っていると、後ろにいた若者が先に乗り込もうとしたので、中年の男性が若者に注意しました。しかし、電車の中では、中年の男性はシートにゆったりと腰をおろし、彼の前でよろめきかけている人のために席を詰めてあげることもせず、ヘッドフォンを耳に挿して、どっぷりと自分の世界に浸っていました。

 本作を鑑賞したのは、一月十一日のことである。人気作品であるにもかかわらず、劇場公開されてからずいぶん日にちが経過してからの鑑賞となった。当時、TOHOシネマズの1ヶ月フリーパスを活用できる状態にあったというのに、なかなか本作を鑑賞しなかったのは、主人公を演じている俳優さんの得体が知れなかったからである。「あの陽気な主人公を演じているのは、一体誰なのだろう? 無名の俳優なのではないか?」などと思いながら、予告編でやけにはしゃいでいる彼の姿に、少し引き気味だったのだ。

 それでも、せっかくTOHOシネマズの1ヶ月フリーパスを活用できる状態にあるのだから、少しでも気になる作品は鑑賞しておこうと思い、鑑賞に踏み切ったのである。

 戦国時代末期、成田長親が率いるわずか五百名の兵が、豊臣秀吉と石田三成らが率いる二万人の大軍と戦い、勝利を納めた。そんな歴史的事実を描いた作品である。

 気になる成田長親を演じていたのは、狂言師の野村萬斎くんである。彼を「くん」と呼んだのは、彼が私よりも一歳年下だからだ。本作の中で用意されているシーンを思えば、狂言師の彼がこの役を演じたのは、実に適役だったと思う。

 彼が演じた成田長親は、不思議な魅力を持つ侍である。彼にはどういうわけか、人を引き付ける力があり、二万人もの大軍との戦いを決めたときに、領民たちが喜んで彼に力を貸したのである。そんな彼は、領民たちから、「でくのぼう」に親しみを込める意味で、「のぼう様」と呼ばれていた。

 彼は、武州・忍城(おしじょう)の城主である成田氏長の従弟に当たる存在で、実質的には、城主が不在の間に人々をまとめる役割を担った。

 彼の魅力は、どんな人に対しても、対等に接しようとしたことではないだろうか。そのため、領民たちは、彼との間に身分の差を感じることなく、気軽に接することができたのだと思う。作品の中でも、彼の魅力がそこかしこから伝わって来るような演出となっていた。

 そんな彼に特別な想いを寄せるのが、榮倉奈々ちゃん演じる領主の娘、甲斐姫である。最後の最後まで、その特別な想いが甲斐姫の一方通行だったのかどうかはわからなかった。あの時代のことだから、仮に彼が本当に甲斐姫のことを愛していたとしても、約束は約束であり、権力や金銭的なことなども加わって、自ら身を引いたのかもしれない。そのように達成されない想いを抱えたまま離れた魂は、再び生まれ変わって、今度こそ一緒になろうと互いに働きかけるのだろう。

 また、戦いのシーンが実にお見事で、分子としての結合力を感じさせてくれる戦いとなっていた。人数ではなく、それぞれが自分の持っている力を最大限に引き出しながら、他者と協力し合うことの大切さを教えてくれる展開だった。分子と分子は、結合力が大切なのだと思う。数が多くても、分子と分子の結合力が弱ければ、それぞれの分子が持っている力を最大限に引き出すことはできないのだと思う。

 そして、彼が狂言師ならではのシーンも、特別なものだった。あのシーンを他の誰かが演じるなどということを、もはや想像すらできない。本作は完全に、彼の映画だと思うのだ。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 更新が遅くなり、申し訳ありません。朝の通勤途中に書いていた下書きがすっかり消えてしまったため、昼休み中に記事を書き上げることができませんでした。やはり、一度消えてしまうと、同じ内容を書くことはできませんね。それは、私たちの気持ちが秒単位で切り替わっているからなのかもしれませんね。

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