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2013.05.06

こころの処方箋

映画『悪の教典』の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m ゴールデンウィーク中は、ずっとレギンスで過ごしていました。ジーンズよりもレギンスのほうが伸縮性があるので、活動的になることができますね。仕事にも履いて行こうと思っています。それでは、ファースト・イレッサ(29)の続きを書かせていただきます。引き続き、二〇一一年十一月頃の出来事であります。

 イレッサが効かなくなってしまった母は、すっかりしょげ返っていた。近所に、母と同じ肺がんの患者さんで、手術をしたもののわずか半年で亡くなってしまった男性がいたのだが、母はその方と良く話をしていたので、その方が迎えに来た、などと言った。その方のがんがかなり進行していたのだとすると、手術ができたというのは不思議だが、ひょっとすると喫煙者だったために、抗がん剤が効かなくて、更に進行してしまったのかもしれない。

 思えば、イレッサが効いてくれたことで、父も含めて私たちの中にも気の緩みが生じた。つまり、母が肺がんであるということが発覚した当時よりも、緊張感を失ってしまったのだ。というのも、母はイレッサのおかげで、これまでとほとんど変わりのない生活を送ることができたからだ。

 そのためか、父と母の喧嘩も多くなってしまった。そこで私は、毎日十一時に父と母にメールが配信されるように、二人に宛てたメールを書くようになった。私の携帯電話は、メールの送信予約ができるので、夜のうちに書いておいて、翌日、二人に配信するという方法を取ることにした。このメールは、「こころの処方箋」というタイトルのメルマガで、母への体調うかがいや、身体に良いことなどを綴り、現在も配信が続いている。イレッサの服用中は、毎日、母にイレッサを飲んだかと尋ねるメールを配信していたのだが、イレッサを服用しなくなって、そのメールが届かないのを寂しいと母が言ったので、これまでと同じ時間に配信するようにしたのである。

 母は、新しい抗がん剤の投与を受けるため、しばらく入院することになっていた。薬が切り替わるときは、主治医のもとで経過を診ていただくために、入院が必要なのである。

 主治医からは、
「次の薬は少し髪の毛が抜けます」
と言われていたので、冬だったこともあり、母は積極的に毛糸の帽子をかぶるようになった。そうしておけば、例え抗がん剤の副作用により、髪の毛が抜けてしまったとしても、「あの人は帽子をかぶる人だから」という目で周りの人たちが見てくれるだろうと思ったようだ。

 また、母は、
「病院のお風呂に入るのはいやじゃ(病院のお風呂に入るのはいやだ)」
とも言った。やはり、慣れた自宅のお風呂がいいようだ。そんなことを言いながらも、母は入院の準備を着々と進めていた。そして母は、
「髪の毛が抜けるんやったら、シャンプーを持って行かんとこかい(髪の毛が抜けるのであれば、シャンプーを持って行かないでおこうか)」
と言った。私はそれがおかしくて笑った。母は、そう言うと、私が笑うと思って言ったのだろう。イレッサが効かなくなってしまった緊張感の中にも、母がユーモアを忘れないでいてくれることがうれしかった。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m イレッサが効かなくなってしまい、すっかりしょげ返っている母を、何とか元気づけようとしていましたね。「こころの処方箋」の配信は、今でも私の日課になっています。

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