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2013.04.23

映画『終の信託』

ホットヨガ(三二七回目)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m もうすぐゴールデンウィークですね。ゴールデンウィーク中にお仕事がある方たちには大変申し訳ないのですが、私は勤務先の規定により、十連休であります。(^^) 長い休暇を楽しみにしながら、金曜日までの仕事を頑張りたいと思います。

 本作を鑑賞したのは、十一月一日のことである。映画『それでもボクはやってない』映画『ダンシング・チャップリン』の周防正行監督がメガホンを取った作品である。しかも、同じく周防監督の映画『Shall we ダンス?』で共演した草刈民代さんと役所広司さんがおよそ十六年振りに共演を果たした作品でもあるのだ。ちなみに、草刈民代さんは、周防監督の奥さんである。

 いやはや、驚いた。何に驚いたかと言えば、草刈民代さんと浅野忠信さんの濃厚なラブシーンに、である。医師である二人は、病院内で知り合い、不倫をしているという設定なのだが、草刈民代さんのリアルな夫である周防監督は、このシーンを一体どのような気持ちで見ていたのだろうか。

 草刈民代さんが演じているのは、折井綾乃という呼吸器内科の医師である。先ほども書いたように、綾乃は浅野忠信さん演じる同じ病院内の高井医師と不倫関係にある。

 この不倫関係の描写が、私には観ていて腹が立つほどイライラするものだった。何故なら、不倫である前に、二人が対等ではなく、高井の感情がまったく読み取れない関係だったからだ。高井という医師は、女性に対する思いやりのかけらもなく、欲望のままに生きているわがまま人間と思った。しかし、そんな高井に失恋してしまった綾乃は、自殺未遂を図るのだ。

 一命をとりとめた綾乃は、役所広司さん演じる重度のぜんそく患者である江木秦三との関係を通して、次第に癒されて行く。

 映画サイトなどには、綾乃と江木の関係があたかも男女の関係であるかのように書かれているのだが、私はそこまでの描写はなされていないのではないかと思った。二人の間に、お互いを思いやる気持ちが存在しているのは確かだとは思うのだが、男女の愛というよりも、人間としての愛であるように思ったからだ。

 やがて江木は綾乃に信頼を寄せるようになり、
「そのときが来たら、楽に死なせてください」
と自分の最期を託す。

 そして、とうとうそのときが訪れ、綾乃は目の前で苦しむ江木に対し、頼まれた通りの処置を行うのだ。そんな綾乃を、大沢たかおくん演じる検察官の塚原がどんどん追い詰めて行く。

 本作で扱われているのは、古くから森鴎外の『高瀬舟』などに取り上げられていた尊厳死の問題である。しかし、本作を鑑賞する限り、周防監督が本作を通して伝えたかったことは、法を守ろうとすることではないように思う。

 法を守ることが必ずしも愛と繋がっているとは限らない。周防監督は、そのことを訴えたかったのではないだろうか。その証拠に、法を守ろうとする検察官の塚原からは、愛のかけらも感じ取れない。法を守ることが大前提で、愛を二の次にしているように思えるのだ。

 私は普段から、愛のないところを法がカバーしてくれていると感じている。以前にも書いたが、もしも私たちが見知らぬ人たちに対しても愛を惜しみなく注げるならば、信号も交通ルールも不要なのではないかと考えているくらいなのだ。しかし、私たちはすべての見知らぬ人たちに対して惜しみなく愛を注げるほど器は大きくない。だから、愛が足りていないところを交通ルールがカバーしていると思うのだ。

 私は、普段からそんな考えをしているので、塚原がしきりに主張していることに疑問を感じてしまったのである。綾乃と塚原の主張が食い違ってしまうのは、大前提として、愛があるかどうかなのである。愛のある綾乃と、愛のない塚原がとことん議論しても、かみ合わないばかりだと思うのだ。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m テーマとしてはとても重いのですが、私は法よりも、そこに愛があるかないかで判断することが重要であるように思いました。愛のないところをカバーしているはずの法を守ろうとするために、愛が欠如してしまうのは共感できません。

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