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2013.04.29

映画『希望の国』

楽しい楽しい英語化作業の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。ゴールデンウィーク中に三日連続でホットヨガのレッスンを予約していたのですが、三日目にして、ついに挫折してしまいました。(苦笑)替わりに、近所の映画館に出向き、貯まっていたポイントを消費して、映画を無料鑑賞して来ました。何のサービスデーでもないのに、映画館はものすごく混雑していました。皆さん、前売券を買っていらっしゃるのでしょうか。まさか、一八〇〇円も出して映画を観ている人はいないと思うのですが・・・・・・。もしかすると、割と年齢層が高かったので、ご夫婦で二〇〇〇円で鑑賞できるサービスを利用されているのかもしれません。

 本作を鑑賞したのは、映画『ソハの地下水道』を鑑賞したのと同じ十一月二日のことである。またまた抽象的なタイトルだからだろうか。鑑賞した日付と鑑賞した作品のタイトルを記録しているノートを見ても、本作の内容を思い出すことができなかった。映画サイトに頼って、ようやく思い出した次第である。

 本作は、園子温(そのしおん)監督の作品である。私は、園子温監督の作品が好きで、過去にも映画『冷たい熱帯魚』映画『ヒミズ』映画『恋の罪』などの作品を鑑賞している。園子温監督の作品は、人間の持つ究極的な感情が表現されることが多いので、毎回、圧倒されるのだ。

 しかし、そういう観点から言うと、本作はちょっと毛色が違う。枠の中からはみ出してはいけないような遠慮を感じてしまうのだ。園子温監督は、映画『ヒミズ』の頃から、大震災をテーマに撮影されているようだが、映画『ヒミズ』が大震災に対して間接的なアプローチを行っているのに対し、本作は、大震災、とりわけ原発について、直接的なアプローチを行っている。

 本作では、原発が稼動している長島県という架空の県で大震災が発生し、原発の放射能が漏れる事故が描かれている。原発の施設から二十キロ以内に住んでいる人たちには避難命令が出されるのだが、二十キロの境界線の微妙な地域に住んでいる老夫婦は避難しないことに決める。しかし、老夫婦と同居していた息子夫婦は、他県へと避難するのだった。

 本作で描かれているのは、ルールに従おうとしたときに生じてしまう、あいまいな部分への問い掛けでもある。原発から二十キロ以内に住んでいる人たちは避難しようとするものの、二十キロ以内すれすれのところに住んでいる人に対し、役所から来た人たちは、容赦なく線引きをしてしまう。私が役所で働いているならば、厳密には二十キロ以内に含まれていなくても、避難していただくだろうと思う。しかし、仮にそのような指示を出した場合でも、避難していただく人たちと避難の対象でない地域に住む人たちが隣同士ならば、どのように対処すれば良いのだろうか。そういうときは、人が住んでいない地域に境界線を設けるべきなのではないだろうか。本作に登場する役所の人たちは、大勢の人たちに機械的に対応するために、ルールに忠実に従おうとする姿勢がうかがわれる。そうした態度には、人間らしい心が感じられない。

 そして、老夫婦の息子夫婦の妻いずみは、妊娠したことで、お腹の子供を必死に守ろうとする。ちなみに、いずみを演じているのは、園子温監督の実の奥さんとなった神楽坂恵さんである。彼女は、園子温監督の作品に何度も出演されている。どちらかと言うと、園子温監督の作品の中では、どこか極端な役柄を演じることの多い彼女だが、本作においても、放射能に過剰に反応する女性の役を演じている。

 いずみは、ガイガーカウンターを使って放射能の濃度を測定し、防護服を着て生活する。当然、周りからは変わり者扱いされているのだが、誰もいずみのことを責められないだろう。何故なら、世の中には様々な情報が飛び交っていて、一体どの情報が本当に正しい情報なのかわからないからだ。いずみは、自分ができる範囲で、生まれ来る子供のために、最も安全と思われる方法を実践しているだけなのだ。

 一方で、長島県の自宅に留まった老夫婦は、息子夫婦とは対照的に描かれていると言ってもいい。息子夫婦が動ならば、老夫婦は静だろう。老夫婦は情報に惑わされることなく、自らの判断で行動しようとしているからだ。老夫婦の夫は、認知症の妻の世話をしながらささやかに暮らしている。その姿があまりにも美しいのだが、ラストにはやり切れない想いが残る。

 こうして振り返ってみると、本作には、原発事故をきっかけにして起こった様々な出来事が盛り込まれているように思う。決定的な解決策が見出せないだけに、何となく心にぽっかりと穴が開いてしまい、その穴をいつまでも塞ぐことができないような後味の悪さを感じてしまうのだった。
 
※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 何となくですが、本作を鑑賞する人たちの中には、「東日本大震災のことを、まだ映画の題材にして欲しくない」という気持ちがあるように思います。私の中にも、少なからずありますね。それは、人々がまだ、東日本大震災に対する解決策を見出していないからかもしれません。だから、こうして映画という形で問題提起されても、現実問題として解決できていないことが多過ぎるので、何となく現実と重なって、後味の悪い気持ちを抱えてしまうのではないでしょうか。

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