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2013.03.13

浴室に閉じ込められた

映画『いわさきちひろ ~27歳の旅立ち~』の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 関東地方は強風で大変だったみたいですね。関西地方も比較的強い風が吹いてはいましたが、電車が止まるほどではありませんでした。それにしても、寒暖の差が激しいですね。暖かいと思って薄着でいると体調を崩すことになりますので、夜、寝るときは特にご注意ください。

 私たち夫婦は、朝、仕事に出掛ける前にそれぞれシャワーを浴びている。出勤時間も通勤時間も異なるため、私は五時に起きて支度を整え始め、ガンモは七時前に起きて支度を整え始める。

 それは暖かい日だった。いつものように、私が先にシャワーを浴びて、浴室のドアを開けようとしたところ、ドアが開かなかった。これは何かの間違いだろうと思い、ドアノブに手を掛け、何度も何度も回したり引いたりしてみたのだが、いっこうに開く気配がなかった。私は、浴室に閉じ込められたと思った。

 寝室で寝ているガンモに何とか気付いて欲しかったが、暖かい日だったので寝室が暑く、寝苦しかったために、ガンモは寝不足に陥ってしまったようだ。私が起きる頃に、
「ゆうべは眠れなかった」
とぼやいていたので、せっかく二度寝しているガンモを起こしてしまうのもかわいそうだと思った。しかし、このままでは、私は仕事に遅刻してしまう。無事に浴室から出られたならば、「浴室に閉じ込められてなかなか出られなかったので、遅刻します」と職場にメール連絡するのだろうか。とは言え、職場にメール連絡をするにも、浴室から出られないままでは、それも叶わないなどと考えていた。

 まだ寝ているガンモには悪いが、ガンモの名前を呼びながら、浴室のドアをドンドンドンドンと叩いてみた。しかし、浴室から寝室までは距離があり、ガンモに聞こえるはずもなかった。このまま、ガンモがシャワーを浴びる時間まで待つしかないのだろうか。

 そのとき、私はふと、このマンションを購入したときに受けた説明を思い出した。それは、
「万が一、浴室に閉じ込められたときには、針金でドアノブの下にある穴を突付いてください。そうすれば、ドアは開きます」
というものだった。そのことを検証するために、確かガンモが針金を浴室に置いてくれていたはずだった。

 私は、「落ち着け、落ち着け」と自分に言い聞かせながら、その針金を探した。そして、見付けたのだ。話には聞いていたが、これまで実際に浴室に閉じ込められた経験もなく、検証したわけでもないので、本当にこの針金で浴室のドアが開くのかどうか、とても不安だった。私は祈るような気持ちで針金を手に取り、ドアノブの下にある小さな穴の中に差し込んでみた。すると、ロックが解除され、浴室のドアがすんなり開いたのだ。

 私は身体を拭いて浴室を飛び出し、
「えらいことが起こった。浴室に閉じ込められた!」
と言って、寝ているガンモを起こした。ガンモは、「一体何を言っているんだ」というような顔をしていた。私はガンモに、これまでのいきさつを話して聞かせた。
「ガンモが針金を置いてくれていたことを思い出して、それで穴を突付いて開けたんだよ。ガンモもこれからシャワーを浴びるなら、気をつけたほうがいいよ。もし、閉じ込められたら、針金で開くから。でも、できれば、浴室のドアは閉めないほうがいいのかも」
と興奮気味に語った。

 やがてガンモは起き上がると、私が仕事に出掛ける準備をしている間に落ち着いて浴室に向かい、シャワーを浴びた。私は、ガンモが浴室に閉じ込められたら助けようと思いながらも、仕事に遅刻しないように着々と自分の出勤準備を整えていた。

 そうして、私が出発の準備を終えた頃に、勇敢なガンモはシャワーを浴びて寝室に帰って来たのだ。ガンモは落ち着いた様子で、
「まるみが浴室に入るときに、自分で鍵を掛けたんだろう。浴室のドアの構造を見てみればわかるよ」
と言った。私は、
「ええっ? そうなの。でも、もう時間がないから、帰宅してから確認するよ」
と言って、家を飛び出した。しばらく浴室でじたばたしていたため、時間にあまり余裕がなかったのだ。家を出たあとも、私はまだ興奮気味だった。

 そして、仕事から帰宅したあと、浴室のドアを確認してみて驚いた。何と、洗面所側(浴室から見ると外側)のドアノブ付近に、ドアをロックをするためのボタンがあったのだ。どうやら私は、それを押した状態で浴室に入ったらしい。古い旅館に泊まると、ドアノブの真ん中に丸いボタンが付いていて、部屋を出るときにそのボタンを押して鍵を掛けるが、どうやらそれと同じ状態になってしまっていたようだ。

 仕事から帰宅したガンモに、浴室のドアの造りを確認したことを報告すると、
「そうだろ? まるみが自分で閉じ込めたんだろ? でもさあ、そもそも何であんな鍵が必要なのかなあ。子供をお仕置きするためのものなのかなあ」
とガンモは不思議そうに言った。言われてみれば、確かにそうである。浴室の中から鍵を掛けられるようになっているならまだしも、浴室の外から鍵を掛けるような仕組みは、本当に必要なのだろうか。少なくとも、私たち夫婦が生活する上では、まったく必要のない機能である。

 ガンモは、
「それにしても、針金で突付けば浴室のドアが開くということを良く思い出したなあ」
と言った。ガンモは自分が浴室に針金を置いたことも含めて、すっかり忘れてしまっていたようなのだ。

 ちなみに、私を助けてくれた針金は、かつて私が使っていたワイヤー入りブラジャーに付いていた針金である。私は、ワイヤー入りブラジャーが大嫌いなので、中のワイヤーを取り出して使っていたのだ。そして、ワイヤー入りブラジャーに付いていた針金をガンモが浴室に持ち込んで、浴室に閉じ込められたらこれを使うようにと助言してくれていたのだ。

 もしも、皆さんのお住まいの浴室に、我が家の浴室と同じような造りのドアが取り付けられている場合は、安全のために、浴室には針金を置いておくといいかもしれない。そのときは、ワイヤー入りブラジャーに付属の針金が特に力を発揮してくれるだろうと思う。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m いやはや、浴室に閉じ込められたときは、本当にどうなることかと思いましたね。もしも第三者に開けてもらうようなことになったときに、この裸体を見られてしまうのだろうかとか、家を片付けていないのにどうしようかとか、とにかくいろいろなことを考えていました。

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