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2013.02.01

映画『レンタネコ』

ヘッドフォンはなおして使うの記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。日頃の寝不足と薬の副作用のせいか、夜になると早寝してしまいます。そのため、またまた記事の更新が遅れてしまいました。何度もアクセスしてくださった皆さんにはご心配をお掛けしました。それでは、遅ればせながら、映画のレビューを書かせていただこうと思います。

 本作を鑑賞したのは、映画『ファミリー・ツリー』を鑑賞したのと同じ六月一日のことである。

 荻上直子監督の作品というと、最近では映画『トイレット』を鑑賞している。他に、DVDで映画『めがね』を鑑賞しているが、映画『かもめ食堂』は鑑賞していない。率直に感想を述べさせていただくならば、映画『めがね』は心地良く感じたのだが、映画『トイレット』はそれほど強い印象を受けることができなかった。私が鑑賞していない映画『かもめ食堂』は高い評価を得ていることから、何となく、荻上直子監督の作品は、最近の作品になればなるほど、映画として心に残るものが少なくなって来ているようにも思えてしまう。

 それでも私は、映画『めがね』を鑑賞したときに感じたような何とも言えない余韻を感じたいと思い、映画館に出掛けて行ったのだ。しかし、残念ながら本作は、私にとっては、記憶の中に大きな足跡を残してくれるような作品ではなかった。それは、単に私が猫好きではないという理由だけではなさそうだ。例え本作のタイトルが映画『レンタいぬ』であったとしても、本作のような展開には心を揺り動かされないように思う。やはり、作品の中に、もう少し盛り上がりが欲しいものだ。

 映画『レンタネコ』というタイトルの通り、本作は、猫を貸し出す作品である。いやいや、私にしてみれば、その発想からしてけしからんと思う。もともと私は、犬や猫がペットショップで売られていることに対し、あまり良い感情を抱いてはいない。生き物に値段を付けて売るという行為が好きではないのだ。そんな感覚で世の中を見ているので、やはり売らないにしても、期間限定のインテリアみたいに猫を貸し出すというのは抵抗がある。本当に猫好きならば、あたかも物品のように値段を付けられた猫がペットショップで売られていたり、お金を払ってレンタルできたりすることを心苦しく思うのではないだろうか。

 猫のレンタルを行っているのは、荻上直子監督の作品には御馴染みの市川実日子さん演じるサヨコである。本作を鑑賞して気付いたのだが、市川実日子さん自身がまるで猫の化身のようだ。本作の中でも、小学生の男の子に猫女呼ばわりされている。そうなると、彼女以外にこの役は考えられない。

 本作の設定で唯一救いなのは、サヨコがレンタネコで生計を立てているわけではないということだ。そのため、猫のレンタル料はわずか千円と格安である。それならば、最初からお金など取らずに、仲介だけして、飼い主が猫を飼えなくなったら引き取ることにすれば良いと思うのだ。果たして、わざわざ商売にする必要があったのだろうか。

 また、サヨコは、「心にできた穴ぽこを埋めるために猫はいかがですか?」というセールストークでリヤカーに猫を乗せて営業活動を行っているのだが、猫が心にできた穴ぽこをすっかり埋めてしまったら、その人は、本来抱えている問題に正面から向き合うチャンスを失ってしまうのではないだろうか。そうした場合、単に気持ちの焦点をずらしたために問題が解決したように見えているだけで、しばらく経つと、また同じ問題に直面したりしないのだろうかとも思った次第である。

 サヨコの住んでいる家は一軒家で、夏なのに扇風機だけで過ごしている。それを見ているだけでも暑い。しかも、隣の家には、小林克也さん演じる謎のおばさんが住んでいて、サヨコは結婚できないなどの嫌味を言っている。確かに、どうやらサヨコには彼氏もいそうにない。ひょっとすると、猫を飼うことで癒されたがっている人たちよりも、サヨコ自身に癒しが必要なのではないかとも思える。サヨコは、昔から猫には好かれるキャラクターとして描かれているのだが、サヨコ自身が自らの癒しのために猫を求めて来たのではないだろうか。

 後半に、サヨコの初恋とも思える人との再会が用意されているのだが、最後までドラマチックな展開にはならない。それならば、何故、再会のシーンを取り入れたのだろうと不思議に思ってしまった。しかも、大人になって、飲むものは違っていても、子供の頃と同じような状況だったとは・・・・・・。そのことに気付いても、サヨコの気持ちが大きく揺れたりしないところが不思議でたまらない。要するに、どんなことが起ころうとも、それを受け入れて前に進んでしまう主人公なのだ。そういうキャラクターが荻上直子監督の作品には多いように思う。だから、作品の中で流れる時間は、いつも未来に向かって緩やかに進んで行くだけなのである。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 荻上直子監督の作品には、泣いたり、わめいたりする人が登場しないように思いますね。時間の流れ方も緩やかですが、登場人物の性格も緩やかなのです。そのため、「おいおい、こんなことがあれば、ここで立ち止まりたくなるだろう」と突っ込みを入れたくなることもありますね。

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