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2013.01.13

今年最初の失せ物(3)

今年最初の失せ物(2)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。ひざ掛け代わりにアクリルとウールのロングスカートを購入したところ、ひざ掛け要らずでとても暖かく過ごせるようになりました。これは快適です。オフィスにも持参したいところですが、あくまで部屋着なので、躊躇してしまいます。オフィスにも持ち込めるように、もう少しおしゃれなものを探してみたいと思います。それでは、今年最初の失せ物(2)の続きを書かせていただきます。

 交番の中には、誰もいなかった。私は、まるでコントに出て来るかのような古めかしいデスクがいくつも並べられた交番の中で、一人立ち尽くしていた。どこかに隠しカメラがあって、私が交番の扉を開けたことを、警察官が部屋の奥のほうで見ているのではないかと思い、監視カメラの所在を確認してみたのだが、わからなかった。そろそろどなたかが出て来てくださるのではないかと期待していたのだが、なかなか出て来てくださる気配がなかったので、私は恐る恐る、
「すみません」
と奥のほうに向かって呼び掛けてみた。すると、
「はい」
という声がして、中から三十代くらいの男性の警察官が出て来てくださった。

 私はその警察官に向かって 、
「あの、落し物をしたんですが・・・・・・」
と申し出た。すると、警察官が、
「どういったものでしょうか」
と尋ねてくださったので、
「PocketWifiという名前のモバイルルータです」
と答えた。驚いたことに、それに対し、やはり警察官も、
「ああ、はいはい」
と反応してくださった。私は、PocketWifiの知名度の高さに改めて驚いた。

 警察官は、私が落としたものがPocketWifiだとわかると、
「ちょっと待ってください。見て来ます」
とおっしゃった。私は慌てて、
「えっ? ここには届けられていないと思いますけど・・・・・・」
と言ったのだが、警察官は、
「一応、確認することになっていますので」
とおっしゃって、いったん奥のほうに入って行かれた。しかし、再び戻って来られて、
「届けられていませんね」
と残念そうにおっしゃった。

 それから警察官は、私に椅子に座るようにすすめると、書類を取り出して机の上に置き、必要な事項を書き込み、私に記入するようにおっしゃった。その用紙には、落とした日時と落とした場所、落したことに気付いた日時、落としたものの名前や特徴などを記入するようになっていた。私は、PocketWifiの型番までメモしておいたので、その情報とともにPocketWifiの色も記入しておいた。私がそれらを書き終えると、警察官は、電話機を操作して、どこかに電話を掛け始めた。しかし、どうやら相手は話し中だったらしい。すぐに受話器を置いて、しばらく待っていた。電話が繋がらないのであれば、その間に世間話でもすればいいのだが、何となくそういう雰囲気にはならず、しばしの沈黙が流れた。

 やがて警察官は再び受話器を取ると、もう一度、電話を掛け始めた。やはり話し中だったらしく、すぐに受話器を置いた。そしてしばしの沈黙のあと、再び受話器を取り上げ、まだ話し中だったので受話器を置いて、沈黙した。そんなことを何度か繰り返すうちに、ようやく電話が繋がったようだ。警察官は、私が書いた落し物の届出用紙に目を通しながら、電話の相手に向かって記載内容を口頭で伝えていた。

 私には、落し物の届出用紙に書き込んだ内容が口頭で伝えられていることがおかしくもあった。世の中では、これほどデジタル化が進んでいるというのに、落し物の届けを紙に書き、その内容を口頭で伝えているのだから。コンピュータ会社は、警察署に対して、もっと積極的に売り込みをかけるべきではないだろうか。

 警察官は、電話の相手に対し、私が紛失してしまったPocketWifiの説明として、
「携帯電話のダウンロードが早くなるやつですねん」
とおっしゃっていた。私は、「ふむふむ」と思いながら聞いていた。警察官は、電話の相手から、私が届け出た落し物の管理番号をもらっていた。電話が切られたあとで、警察官からうかがったのだが、この管理番号をイーモバイルに伝えれば、保険が適用されることになるらしい。

 いやはや、それにしても、警察同士のやりとりが、これほどのアナログ世界だったとは驚きである。良く、ぐるなびなどのグルメ情報満載のサイトからお店を予約しても、お店には電子メールではなく、FAXで予約の情報が届けられるという話を聞いたことがあるが、それと良く似ている。ぐるなびの場合は、入口はデジタルでも、まだまだデジタル化は完全ではなく、出口はアナログになっているのだ。警察の場合は、おそらく、警察官が口頭で伝えた内容が警察内のデータベースに登録されているのだろう。すなわち、入口はアナログでも、出口はデジタルだろうと予測される。

 こうして落し物の届けは完了し、私は落し物を管理番号が書かれた小さな引換券のようなものを警察官から受け取って、交番をあとにした。もしも見付かれば、携帯電話に連絡をもらえるようになっていた。

 そして、後日、たまたま兵庫県警察 落とし物ページを見付けて、やはり、ちゃんとデジタル化されていたことがわかり、安心したのだった。それならば、最初からこれらの情報を警察官が電話で伝えるのではなく、それぞれの交番や駐在所などに設置した端末を操作して、必要な情報を警察官が入力して管理するようにすれば良いのではないかとも思うのだ。しかし、そうなると、警察官の仕事をこなすのに、パソコンの操作が必須になってしまうことになるので、未だに電話が活用されているのかもしれないとも思うのだった。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m ガンモに、PocketWifiに関する警察官の説明について報告したところ、「確かに、間違ってはいないなあ」と言って感心していました。なるほど、PocketWifiは、スマートフォンでWifi接続するときに多く活用されているのですね。この話題は、いよいよ次回で完結します。(苦笑)

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