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2012.11.24

映画『声をかくす人』

ガンモの作ったまん丸おむすびの記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。ガンモの作ったまん丸おむすびは、無事に私たちのお腹の中に入りました。(^^) もともと水分がなく、パラパラしていたので、おむすびにしたものの、食べるときもパラパラしてしてしまい、ちょっと食べ辛かったですね。

 本作を鑑賞したのは、十一月十日のことである。ロバート・レッドフォードの監督作品で、南北戦争後のリンカーン大統領暗殺に関与した容疑者の処刑において、アメリカで初めて女性が処刑された経緯を扱う。

 南北戦争後のアメリカでは、人々の心に南北戦争の傷跡があちらこちらに潜んでいた。南部の人たちは北部の人たちのことを恨み、北部の人たちは南部の人たちのことを恨んでいた。リンカーン大統領の暗殺事件は、そんな最中に起こったのである。

 犯人の一味として捕らえられた容疑者の中に、下宿屋を営むメアリー・サラットという女性が含まれていた。私が観ていても、メアリー・サラットは明らかにリンカーン大統領の暗殺事件とは無関係であると思われたのだが、当時のお偉いさんたちは、南部の人たちへの見せしめのために、容疑者として捕らえた人物を残らず死刑にしてしまいたかったらしい。そうすることで、南部の人たちがこれ以上、暴動を起こすのを阻止したかったのだろうと思う。

 そんな中、ジェームズ・マカヴォイ演じる北部の軍人として戦った経験のあるフレデリック・エイキンがメアリー・サラットの弁護士を引き受けることになる。かつての北部の軍人が南部出身のメアリー・サラットを弁護するということで、フレデリック・エイキンは周りから冷ややかな目で見られることになるのだが、それでも彼は、自分の置かれている立場とは関係なく、公正な裁判を求めようとする。

 何と言っても腹が立つのは、フレデリック・エイキンの求める公正な裁判が行われなかったことである。北部出身のお偉いさんたちが裏で手を回し、何が何でも全容疑者たちの死刑を執行しようとしたのだ。そこには、人間として公平に物事を判断しようとする姿勢はもはやなく、是が非でも南部の人たちを悪者に仕立て上げ、処刑してしまいたかったようだ。フレデリック・エイキンは、そんなことはさせまいと、彼の人間的な部分で必死にお偉いさんたちに立ち向かい、罪のないメアリー・サラットの処刑を回避させようとするのだが・・・・・・。

 私は、本作は罪のない女性の処刑という究極的な形で表現されてはいるものの、これと同様の事例が世の中にはたくさんあるように思えた。同じような状況に直面したとき、フレデリック・エイキンのように人間的な部分で公正に対処しようとする人は希で、多くの場合は、過去のしがらみに流されてしまいがちであるように思える。

 それとともに、もう一つ感じたのは、人と人が関わるときの目の粗さである。ある人物との関わりが密であるか粗であるか、その違いをはっきりと感じた作品であった。言うまでもなく、フレデリック・エイキンはメアリー・サラットに対して密であった。だから、彼女が罪人でないとはっきり主張できるだけのものを持ち合わせていたのだが、メアリー・サラットに対して粗であったお偉いさんたちは、彼女を他の容疑者たちと区別できるほどメアリー・サラットのことを深く知ろうとはしなかったとも言える。

 ところで、邦題となっている『声をかくす人』だが、これはあまりよろしくないと感じる。『声をかくす人』という邦題から私が連想したのは、舞台裏で自分の声をしきりに押し殺している本当の主人公の存在だった。しかし、本作で声を隠しているのは、表に出ているメアリー・サラットだった。そういう意味で、本作につけられた邦題もまた、作品の内容からイメージしにくいタイトルであるように思えてしまったのだった。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 人と密に関わることは、必ず感動がもたらされるのだと、本作を観て確信しました。粗の状態では、どんなに人と関わろうとも、感動はもたらされないように思います。粗か密かという観点で判断しただけでも、お偉いさんたちはフレデリック・エイキンには負けているというのに、権力とは盲目的で実に恐ろしいものですね。

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