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2012.10.31

映画『人生はビギナーズ』

フレンチブルーミーティング 2012(2)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。私たちの旅行中に、自宅ではまったく見ないテレビを見ていたところ、桑名正博さんが亡くなられたというニュースが飛び込んで来ました。倒れた直後は、今日か明日が山場だとも言われていましたが、みんなの応援もあってか、意識は戻らないものの、病院で穏やかに過ごされていると聞いていました。それを考えると残念ですね。桑名正博、アン・ルイスというツインソウルは、肉体レベルでは片割れを喪ってしまいましたが、むしろ、魂のほうが肉体よりも自由に動き回ることができるのかもしれませんね。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。


 本作を鑑賞したのは、ニ月二十四日のことである。本作もまた、劇場で予告編を何度も観ていたので、劇場公開されたら鑑賞しようと思っていた作品の一つである。しかし、この手のタイトルは、鑑賞から八ヶ月以上も経過すると、作品の内容をすっかり忘れてしまう。もっとタイトルと作品の内容をダイレクトに関連付けてくれるような邦題を付けて欲しいものである。

 ユアン・マクレガー演じる恋に臆病なアートディレクター、オリヴァーは、三十八歳で独身である。彼はある日、クリストファー・プラマー演じる父のハルから、自分がゲイであることをカミングアウトされる。しかも、ハルの身体はがんに侵されていることもわかる。

 自分ががんであることを知ったハルは、邦題となっている『人生はビギナーズ』の通り、新たな人生を始めるために、自分自身がゲイであることをカミングアウトして、最も自分らしく生きようとしたようだ。そのため、若いゲイの恋人も作るのだが、四十四年間連れ添ったはずの母を亡くしたオリヴァーはひどく戸惑ってしまう。父と母の子として生まれたオリヴァーにしてみれば、二人の間に真実の愛はあったのかと問いたくなってしまったわけである。

 私はゲイを否定しないが、本作に登場するハルの若い恋人は、ハルだけが相手ではないというのが気にくわなかった。ハルの本気の想いに対し、それは失礼というものではないだろうか。

 やがてハルは、オリヴァーを遺して肉体を去って行く。父の死に直面し、心に深い傷を負ったオリヴァーを元気付けようと、仲間たちが誘ってくれたホームパーティーで、オリヴァーは映画『黄色い星の子供たち』のメラニー・ロラン演じるアナと出会う。二人とも、親しくなった人とどのように距離を保って行けばいいか、なかなか掴めないでいるところがとても良く似ている。私の知る限り、そういう人たちはたいてい、心に熱いものを持っていながらも、自分の熱さを表現してしまうと、相手が引いてしまうのではないかと気遣っているように感じる。

 やがて二人は、互いにかけがえのない存在となって行くのだが、二人が一緒に住み始めた頃から、どういうわけか、これまで順調だった関係が次第にぎくしゃくしてしまう。

 本作は、本作のメガホンを取ったマイク・ミルズ監督が自身の父との経験を基に映画化したものだそうだ。それだけに、心に迫り来るものがある。やはり、監督の思い入れを感じるのだろう。それに加え、ハルの身体ががんに侵されているということで、やはり私は母のことと重ねた。ハルが亡くなったシーンは私自身も辛かった。

 オリヴァーにとって、アナの存在は、父の不在を埋めるものではなかったはずである。二人が出会うことで、これまで人と密な関係を結ぶことに不器用だった二人が互いに癒し合うことができたのではないかと思うのだ。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m こうして思い返してみても、じわじわと感動がこみ上げて来る作品だと思います。ハルの恋人とオリヴァーの間には、確執のようなものがあったのですが、やがてそれが解ける機会が訪れます。それは、ハルの恋人だった人もまた、ハルを亡くしたことで、オリヴァーと同じ悲しみを背負っていたことがわかったからのようです。

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