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2012.09.21

映画『永遠の僕たち』

ホットヨガ(三〇七回目)(2)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 実はこの週末もまた、三連休でした。有給を取ったわけではなく、派遣先企業が休みなのです。秋分の日が土曜日と重なるため、その前日の金曜日が特別な休みに設定されているのです。祝日と土曜日が重なると、何だか損をしているような気持ちになってしまいますが、こうした特別な休みが設定されるのはうれしいですね。

 本作を鑑賞したのは、一月五日のことである。今回の記事から、ようやく今年鑑賞した作品のレビューに入ったことになる。

 本作は、三人の男女の視点から死を意識した一風変わったラブストーリーである。

 デニス・ホッパーの息子であるヘンリー・ホッパー演じるイーノックは、両親を交通事故で亡くし、自分自身も臨死体験をして以来、赤の他人の葬儀に遺族のふりをして紛れ込むようになった。あるときイーノックは、不審に思った葬儀屋の係員に問い詰められていたところを、ミア・ワシコウスカ演じる脳腫瘍で余命いくばくもないと宣告された少女アナベルに助けてもらう。ちなみにイーノックには、加瀬亮くん演じる第二次世界大戦で戦死した特攻隊員の幽霊であるヒロシが見えている。

 本作は、人と人が出会うことによって、互いに影響を与え合うことができることを的確に表現した作品だと思う。両親を亡くしてからのイーノックは、固く心を閉ざしていたと思うのだが、主治医に余命三ヶ月と宣告されたアナベルが明るく生きている姿を見て、前向きな気持ちになることができたのではないだろうか。一方、アナベルもまた、イーノックと出会えたことで、愛し愛される喜びを知ったはずである。

 自分自身の葬儀を自分でプロデュースしたいと言うアナベルは、来るべき「死」のためにいろいろな準備をしている。死に抵抗し続けるというよりも、やがて訪れるであろう死を受け入れ、自分自身がプロデュースした常識にとらわれない葬儀を通して、親しかった人たちに自分自身を送り出して欲しいと考えているようだった。

 私には、アナベルが自宅で発作を起こして激しく痙攣(けいれん)したときの様子が恐ろしかった。アナベルを見ながら、私は母のことを想ったのだ。母の場合は、肺がんからの転移だが、やはり頭に脳腫瘍がある。それらがやがて大きくなると、あのような発作が起こってしまうのかと恐ろしくなったのだ。その一方で、主治医に余命三ヶ月と言われたアナベルは、ガンマナイフやサイバーナイフによる放射線治療は施せないのだろうかと残念に思ったのだった。

 本作は、親しい人の死をどのように受け入れて行くのか、ヒントを与えてくれる作品でもあると思う。不老不死は有り得ないのだから、人間である限り、誰にでも死は訪れる。しかし、誰かと親しい関係を結べば結ぶほど、親しい人の死は耐え切れないものになる。それでもラストでは、もはや両親を亡くしたときのイーノックではないように思える。両親を亡くしたときのイーノックは、まだまだ被害者意識が強かったのではないだろうか。だから、周りと壁を作りながら生きて来た。しかし、ラストのイーノックは違う。ちゃんと前を向いて生きて行こうとしているのだ。その違いについては、鑑賞する人によって、感じ方が違うかもしれない。決して冷たくもならず、無関心でいるわけでもなく、親しい人を亡くしてもなお、前を向いて生きて行くことができることを、イーノックは確実に知ったのだと思う。

 本作でメガホンを取っているのは、映画『パラノイドパーク』や映画『ミルク』のガス・ヴァン・サント監督である。ひょっとすると、イーノックがたどり着いた境地に、ガス・ヴァン・サント監督自身もたどり着いてしまっているのかもしれない。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m とても変わった作品でした。加瀬亮くん演じる特効隊員のヒロシもいい味を出していました。あまりはっきりとは描かれていませんでしたが、イーノックが前向きでいられるのは、彼の存在があったからなのかもしれません。ヒロシ自身、あちらの世界とこちらの世界を行き来しているわけですし、そういうところから、死者との繋がりを持つことは不可能ではないことを認識したのかもしれませんね。

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