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2012.09.03

映画『トガニ 幼き瞳の告発』

ホットヨガ(三〇五回目)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 今はもう解除されていますが、私の実家のある地域に、大雨、洪水注意報が発令されていました。母に電話を掛けてみると、これまで経験したことがないほどの激しい雷雨に見舞われたそうです。幸い、大事には至らずに済みましたが、本当に洪水が発生していたらどうなっていたのだろうと心配になりました。もっと被害が拡大したときに自分が取る行動を、頭の中に想い描いておくだけでも違って来るのでしょうね。

 本作を鑑賞したのは、九月一日のことである。去年のことだったろうか。韓国で劇場公開された本作が、現実の事件を取り扱った作品であり、映画の公開をきっかけに、現実の事件に対する捜査が更に進んだという記事をどこかで読んだ。その事件とは、二度と起こってはならない大変痛ましい事件である。

 私は、本作が日本で劇場公開されたら絶対に観に行こうと心に決めていた。しかし、本作は私の夏休み中に劇場公開され、しかも、夏休みの直後からずっと仕事が忙しかったので、なかなか劇場に足を運ぶことができなかった。そして、映画を千円で鑑賞できる毎月一日のファーストデイを迎え、この日を逃してしまってはいけないと思い、わざわざ予約していたホットヨガのレッスンを梅田店のスタジオから三宮店のスタジオに切り替えて鑑賞に踏み切ったわけである。

 既に多くの方たちがご存知のように、本作は、韓国のとある聴覚障害者学校で起こった生徒たちへの性的虐待事件を描いた作品である。あろうことか、校長や行政室長、男性教師らが、聴覚障害者学校の生徒たちに性的虐待を加えていたというものだ。声を発して自らの意志を伝えることができない聴覚障害を持つ子供たちの自由意思を奪い、自らの性欲の対象としたわけである。教育者としてあるまじき行為であるのもちろんのこと、教師である前に、人間であることさえも問い正したくなるような事件である。

 以下に、本作の二種類の予告編の映像を貼り付けておくので、本作がどのような作品なのか、雰囲気だけでも味わってみて欲しい。

 本作を鑑賞して驚いたのは、警察や弁護士、医師などが裏金で繋がり、教育の場における性的虐待の疑惑が浮上しても捜査をしようとしなかったり、嘘の診断書を書いたりしているということだ。また、教育の場で起こった性的虐待に対し、調査をしようともしない教育委員会や市役所の態度には腹が立った。彼らを動かすものは善意や正義感ではなく、お金なのだ。これが韓国の実情なのかと、私はあっけに取られ、ため息しか出なかった。

 そのため、事件が発覚して、裁判の判決が下されてからも、加害者たちは法的な刑罰を受けることもなく、被害者たちと示談を成立させて、うまく逃れようとしていたようだ。しかし、そんなことが許されるはずもなく、ある人気作家がこの事件を題材にした小説を発表し、それがベストセラーになり、こうして映画化が実現されたというわけだ。

 韓国では、本作が公開されるや四百六十万人を動員するほどの社会現象となり、法律までもが改定されたそうだ。そして、法的な刑罰を受けることのなかった加害者たちもやがて法で裁かれることになり、事件のあった学校も廃校となったという。

 コン・ユ演じる美術教師のカン・イノは、大学の恩師の紹介で、ムジンという霧で有名な街にある聴覚障害者学校・慈愛学園に赴任する。イノは生徒たちの雰囲気がどことなく違っているように感じたものの、同僚の教師は、ここの生徒たちが聴覚障害者だからだろうと言った。しかし、やがてイノは、同僚の教師や職員が生徒たちに暴行を加えている現場を目撃する。

 本作を鑑賞して私がもっとも目障りに感じたのは、表面的なところだけを漂い、もっと奥深いところにある真実に目を向けようとしない人たちの存在だった。例えば校長の妻は、夫の主張を百パーセント信頼し、夫を訴えたイノたちを逆に攻撃しようとする。何故、夫のことをもっと深く知ろうとしないのだろうか。妻が夫の表面的なところしか見ていないということに、私は激しい苛立ちを覚えた。

 そして、イノの母親もまた、最初はイノの表面的なところしか見ていない一人だった。妻に先立たれたイノには病気の娘がいて、イノの母親がソウルで育ててくれていた。イノの母親としては、自分の娘に愛情を注がずに、他人の子供の裁判に夢中になっているイノの態度に腹を立てたのだろうが、そうした見方をすることもまた、イノを表面的なところでしか見ていない証拠である。しかし、イノの母親は、やがてもっと深いところでイノを見ようとする。裁判を傍聴するのだ。そこでようやく、イノがこの事件に本気で取り組んでいることを知るのだった。

 本作に登場する学校では、女子学生への性的虐待だけでなく、男子学生への性的虐待も行われていた。男性教師から兄弟揃って性的虐待を受けていたミンスの訴えは、本当に痛々しかった。彼は、自分や弟を虐待した男性教師を許したくはなかったはずなのに・・・・・・。

 とにかく、本作には心をえぐられるようなシーンがたくさん含まれている。まだ劇場公開中なので、是非とも劇場の大きなスクリーンで鑑賞して欲しい作品である。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 私には、ミンスの叫びが一番心に響きました。子供たちだけでなく、誰しも、第三者の欲望の対象になるべきではありませんね。このような事件が世の中からなくなりますように。心から願いを込めて。

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