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2012.07.24

映画『真夜中のカーボーイ』

ホットヨガ(三〇二回目)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 今、これを書いている地下鉄の中で、女子高生が私の隣で大きな船を漕いでいます。彼女は時々電車の窓ガラスに頭をぶつけては、はっと我に返っています。これほど大きな船を漕いでいるのですから、きっと授業中も漕ぎ続けるに違いありません。彼女は一体何をしていて、こんなにも寝不足なのでしょうか。かくいう私も残業続きで眠いのですが・・・・・・。(苦笑)

 本作を鑑賞したのは、十二月二十一日のことである。TOHOシネマズに「午前十時の映画祭」という昔の名作を千円で鑑賞できる企画があり、それを利用したのだ。

 本作は、一九六九年製作のアメリカ映画で、アメリカン・ニュー・シネマの代表作らしい。原題は"MIDNIGHT COWBOY"なのだが、邦題を担当された水野晴郎さんが、COWとCARをかけて「真夜中のカーボーイ」と付けたそうだ。CARとかけたのは、主人公たちがバス移動するからだろうか。

 テキサスからニューヨークにやって来たジョー・バックは、カウボーイの格好をして、ニューヨークの孤独な夫人たちに自らの肉体を売り、お金もうけをしようと企んでいた。しかし、現実はなかなか厳しく、やっとのことで交渉が成立して行為に至った相手もまたプロの女性だったため、反対にお金を巻き上げられてしまう。

 そんなとき、ジョーはダスティン・ホフマン演じるペテン師のラッツオと知り合った。ところがジョーは、今度はラッツオに騙され、またしてもお金を巻き上げられてしまう。

 ラッツオに騙されたとわかったジョーは、何とかしてラッツオを探し出すものの、あまりにも貧乏なラッツオの姿を見て文句を言うことができなかった。

 罪ほろぼしのためなのか、ラッツオはホテルを追い出されてしまったジョーを自分の住んでいる廃屋に招き入れ、そこで共同生活を始める。しかし、重い病に冒されているであろうラッツオは日に日に弱って行くのだった。

 ラッツオの夢は、フロリダに行くことだという。おそらく、暖かいフロリダに行けば、自分の病も少しは良くなると思ったのではないだろうか。

 ジョーは、そんなラッツオの夢を叶えるために、男性相手に肉体を売り、何とかお金を稼いで行く。そして、二人はようやくフロリダ行きのバスに乗り込むのだが・・・・・・。

 出会いの場はたくさん用意されているというのに、人と人の結び付きが希薄な現代においては、本作のような男性同士の友情を扱った作品を描き切ることはできないように思う。最初は騙し騙されることから始まり、やがては重い病を抱えたラッツオの面倒をみるほど固い絆で結ばれて行くプロセスが、自然でとても素晴らしい。しかも、ジョーは、かつて自分を騙した男との友情のために、男性を相手に肉体を売ることまでしてしまうのだから。

 夢を抱きながら、テキサスからニューヨークに出て来たものの、思ったようにはうまく行かずに四苦八苦していたジョーが唯一得たものはと言えば、ラッツオとの固い友情だった。しかし、その友情でさえも、フロリダ行きのバスの中で失ってしまうことになる。何とも悲しい物語ではないだろうか。

 私は、ラッツオを演じているダスティン・ホフマンの演技が素晴らしいと思った。本作の公開時期は、ちょうど映画『卒業』でダスティン・ホフマンが大ブレイクした直後らしい。まだまだ彼が若い頃の作品だとは思うのだが、他の役者さんたちが何十年も掛かってようやくたどり着く領域に、この若いダスティン・ホフマンは既に辿り着いているように見える。台詞がないときの役者としての表情がすっかり出来上がっているのだ。役を演じている間、彼は自分に催眠術でもかけているのではないかとも思えるほどである。そんな彼の演技を見守るだけでも価値のある作品だと思う。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m もしもジョーのような人が目の前に現れたらならば、絶対にタイムマシンに乗って過去からやって来た人だとわかるでしょう。ラッツオは、どこの時代にもいそうなタイプかもしれませんが、ファッションや性格をトータルで判断してみても、ジョーのような人は、現代にはいないと思います。女性にも男性にも肉体を売るという大胆な商売をしていても、中身はとても暖かい人物なんですね。

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