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2012.07.26

ファースト・イレッサ(8)

ファースト・イレッサ(7)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 猛暑日が続いていますね。朝、家を出るときから、猛烈な日差しが照りつけています。マグボトルに冷たいミルクコーヒーを入れ、少し大き目の保冷専用ボトルには自宅で作った水素水を氷とともにたっぷり入れて仕事に出掛けています。寒がりの母もさすがに暑いようで、ようやく扇風機デビューを果たしたと言っていました。それでは、ファースト・イレッサ(7)の続きを書かせていただきますね。

 服用することで、時には死に至ることさえあると言われているイレッサを母が服用し始めてから、早くも一ヶ月が経過しようとしていた。最初は、その恐ろしい副作用のことばかりが気になっていたのだが、やがて咳が止まり、がん細胞が小さくなって来たということで、今ではその有り難味を実感していた。

 十一時にイレッサを服用することになっている母には、毎日欠かさずイレッサの服用を促すメールを送信予約しておいて、メールが送信されたのを確認すると、仕事中であっても席を立ち、イレッサを飲んだかどうか確認するために電話を掛けていた。母は、私が仕事中であることをいつも気遣い、そのとき話すことがあっても夕方の電話に持ち越すか、用件だけを手短に話してくれるのだった。そして、仕事を終えて帰宅途中に再び電話を掛けて、その日の出来事について、母からじっくり話を聞くという生活が定着していた。

 ちょうどこの頃、義父の四十九日の法要があり、私たちはガンモの実家に一泊したあと、私の実家にも帰省することにした。

 当時、このような状況だったので、私の実家の両親は、義父の四十九日の法要も欠席させていただいた。義弟には、イレッサがとても良く効いて、検査の度にがん細胞が小さくなっていることを報告した。実は、義父よりも先に亡くなってしまった義母は、とある肉腫のために、やはり抗がん剤や放射線による治療を受けていた。私はそのときの感触から、抗がん剤は患者の身体を痛め付けるだけで、がん細胞を小さくしてくれたりはしないものだと思い込んでいた。だから、義弟に母の状況を話すとき、
「お義母さんには申し訳ないけど」
と前置きした。すると義弟は、義母に投与された抗がん剤も、まったく効かなかったというわけではなく、少しはがん細胞が縮小したのだと教えてくれた。それを聞いて、私は少し安心することができたのだった。

 義父の四十九日の法要には、義弟の嫁の両親も参列してくれていた。母のことを知ると、身近な人が胃がんの手術をして胃を四分の三くらい摘出してしまった話や、知り合いの人が、がん細胞を一ヶ所に集めて行う難しい手術をしたという話を聞かせてくれた。最近は医学が発達して来たので、これまでできなかったこともできるようになって来たと言っていた。がん細胞を一ヶ所に集める手術というのは、原発箇所だけでなく、他所に転移のある患者さんの手術のことを言っていたのだろうか。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 何だかこうして一年前のことを綴っていると、やはり感慨深いものがありますね。こういう時期を通過して来たのだなあと振り返ってみるだけでも胸の奥が熱くなりますね。

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