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2012.06.21

映画『家族の庭』

新鮮な野菜ジュース作りの現場を見学するの記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。台風五号は、いつの間にか消えてしまっていましたね。ところで、つい先日、映画『ハートブレイカー』の記事の中に、ジョニー・デップとヴァネッサ・パラディの間には魂の繋がりがあると書きましたが、残念ながら、二人は破局してしまったと正式に発表があったそうですね。でも、この二人の絆は、そう簡単には切れることはないと私は思いますよ。いずれ、復縁するのではないでしょうか。

 本作を鑑賞したのは、十一月二十六日のことである。イギリス映画なのだが、まだ台本のないうちから俳優さんたちを集めて、即興のリハーサルを重ねるうちに台本が出来上がって行ったのだそうだ。実に面白い作り方である。出演されている俳優さんたちは、出来上がった台本通りに役を演じるのではなく、むしろ作品を創造することに協力しているのである。私は鑑賞後にそのことを知ったのだが、なるほど、そう言われてみれば大きくうなずけるところがあった。というのも、特にメアリーという女性を演じている女優さんが、あまりにもメアリーの役になり切っているので驚いていたからだ。もしかするとあれは演技などではなく、彼女の地ではないのかと思ってしまうほどだった。

 地質学者のトムと医学カウンセラーのジェリーは、長年連れ添った熟年夫婦である。そんな夫婦のもとへ、悩みや問題を抱えたいろいろな友人や知人たちが次々に集まって来る。

 エンターテイメント性の高い作品のように、何か特別なことが起こって物語が掻き乱され、やがて収拾に向かうわけではない。むしろ、登場人物たちの日常が淡々と描かれているのだが、イギリス人の他者との距離の取り方が良くわかって面白い。

 メアリーはジェリーの同僚なのだが、自分には男運がないと思っている。そのためか、親子ほども年の離れたトムとジェリーの三十歳の息子にアプローチして飲みに行く約束を取り付ける。しかし、あるときメアリーがトムとジェリーの家を訪れると、息子が恋人を連れてやって来る。息子と仲良くなろうと思っていたメアリーにとっては、青天の霹靂だったようだ。しかし、観る側にとっては、そんなメアリーの居心地の悪さに注目したくなる。

 これまで、勝手知ったる何とかで、ジェリーの家に頻繁に出入りしていたメアリーだったが、息子の恋人の登場で、にわかに調子が狂ってしまう。しかも、息子とその恋人がもうすぐやって来るというタイミングにメアリーはまたまた現れ、何とも場が悪い。トムとジェリーにしてみれば、早く帰って欲しい気持ちでいっぱいなのが、スクリーンを通じて伝わって来る。そんなメアリーは、自分にとって居心地の良い場所を失ってしまうかのように見える。

 そんなことにもめげずにメアリーがトムとジェリーの留守中に家を訪れてみると、今度は親戚の男性が家にいる。またまた勝手知ったる何とかで、メアリーは自分が主導権を握ろうとするのだが、どうもうまく行かない。

 メアリーにとっての居心地の悪さは、自分ではトムとジェリーと近い存在だとは思っているものの、トムとジェリーにしてみれば、友人よりも血縁との関係を優先させているところにあるのではないだろうか。また、安定した夫婦関係を築き、安定した生活を営んでいるトムとジェリーにしてみれば、悩みや問題を抱えているわけではない。そのため、悩みや問題を抱えているメアリーと対等な関係を築くことができないのではないだろうか。かと言って、トムとジェリーは決して上から目線でメアリーを見ているわけではなく、突き放すべきところは突き放しているのだ。言い換えると、友人を甘やかしてはいない。これがイギリス風の他者との付き合い方なのかと思う。

 トムとジェリーの息子の恋人の女性は、出会って間もないというのに、すぐにトムとジェリーと打ち解け合って、二人と対等な関係を築いて行く。それは、その恋人の女性が自立しているからなのかもしれない。それに対し、メアリーはトムとジェリーに依存しようとしているのだと思う。

 そのような人間関係が見え隠れしていて、心理的にはなかなか面白い作品だと思う。いくつかの場の悪いシーンなどもひっくるめて、やはり即興から生まれた作品だということに、大きくうなずくことのできる作品である。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m どこかにありがちな人間関係が自然な形で表現されているのが面白いと思います。こういう作品を鑑賞すると、「本当の優しさとは一体何だろう?」と考えてしまいますね。自分の足で歩けるのに、何から何まで世話を焼こうとするのは、本当の優しさとは言えないかもしれません。トムとジェリーのように、親しくても時には突き放すことも、依存している人の自立のためにはいいのかもしれません。

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