« 犯人はスクラップブック | トップページ | 腎盂炎(じんうえん)だった! »

2012.04.23

映画『ミケランジェロの暗号』

犯人はスクラップブックの記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m またまた痛ましい事故が起こりましたね。今度は京都の亀岡です。いや、もう、今回の事故に関しては、安易には語りたくない気持ちでいっぱいです。一つだけ書いておきたいのは、私たちは普段から、自分がどのような行動を取れば他の人たちにどのような影響を与えてしまうのかを、常に意識しながら行動すべきだという警告も含んでいるのではないかということです。この事故を通して、現代は、自分以外の人たちに対しても思いやりを持って行動するという基本的な意識が欠けてしまっているのではないかと痛感してしまいました。

 本作を鑑賞したのは、十月六日のことである。日本で鑑賞するには珍しいオーストリア映画だ。四国と良く似た形で南半球にあるオーストラリアではない。ヨーロッパにあるオーストリアだ。

 実は、この手の作品は、笑っていいものかどうなのか、最初のうち戸惑う。それはやはり、作品の中に、ナチス・ドイツが登場するからだろう。ナチス・ドイツ時代のユーモアは、どこか重たい。だから、ここで笑っていいものかどうか、最初は躊躇してしまうのだ。しかし、おそらくここで笑っていいのだろうと、手探りで自分を解放してしまえば、あとは作品の流れに身を任せることができる。こうして思い返してみると、いやはや、こんなにもユーモアたっぷりの作品だったのだ。

 予告編によると、本作は、映画『ヒトラーの贋札』の製作スタッフによる最新作だそうだ。調べてみると、監督さんは違っている。この製作スタッフらは、贋作を扱うのが好きなのだろうか。映画『ヒトラーの贋札』では贋札作りがテーマだったが、本作では、ミケランジェロが描いたとされる絵を守るために、またまた贋作が描かれる。

 裕福なユダヤ人美術商の一家が、ある日突然、ナチス・ドイツに囚われの身となり、家族がバラバラになってしまう。彼らは、ミケランジェロが描いたとされる絵を持っていた。ナチス・ドイツは、彼らが所有していたミケランジェロの絵をイタリアのイタリアのムッソリーニに贈り、優位になろうとするのだが・・・・・・。

 注目すべきは、この一家の息子であるヴィクトルと兄弟のように育った使用人の息子ルディの裏切りだろう。ルディはいつの間にかナチスに傾斜していたのだ。しかし、ルディを信用していたヴィクトルは、ルディにミケランジェロが描いたとされる絵の隠し場所を教えてしまう。軍に入り、すぐにも実績を挙げたいルディは、その絵を押収するためにやって来るのだ。兄弟同然に育ったルディの裏切りに激しい怒りを覚えながらも、ユダヤ人美術商の一家は、収容所に送り込まれる。

 こんな深刻な状況の中、何がこの作品をおかしくさせているのかを考えてみたのだが、おそらく、ヴィクトルを演じているモーリッツ・ブライブトロイの演技がおかしいのだと思う。彼の出演する作品は、映画『素粒子』や映画『ゲーテの恋 ~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~』を鑑賞しているのだが、特に映画『ゲーテの恋 ~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~』には、まじめな青年の中に何か言いようのないおかしさが潜んでいる。そんな彼が本作では、大胆にもナチスの軍服を着てルディと入れ替わり、ルディにユダヤ人である自分の役を演じさせるところが何ともおかしくてたまらないのだ。

 現代ならば、顔写真付きのIDカードがあるので、囚われの身である人物と軍人が入れ替わるなど有り得ないことなのだろうが、顔写真付きのIDカードもない時代であれば、このような喜劇が起こり得たのかもしれない。

 しかも、ヴィクトルには愛し合う恋人がいたのだが、ヴィクトルが収容所に送り込まれてからは、ルディがその恋人にアプローチするようになり・・・・・・。いやはや、こうして書いているだけでもややこしい。しかし、最後まで鑑賞すると、このように複雑で贋物とも思えるようなもつれ合う人間関係の中に、キラリと光る本物の何かを感じ取ることのできる作品なのだ。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 原題は、"Mein Bester Feind"で、英語表記は"My Best Enemy"です。ドイツ語は良くわかりませんが、やはりFeindはFriendではないでしょうか。ドイツ語と英語が正反対になっているのは、どちらでも意味が通じるからでしょうね。そう考えると、『ミケランジェロの暗号』という邦題は、何となくしっくり来ませんね。

人気blogランキングには、もともとブログの書籍化を夢見て参加させていただきました。まだまだほど遠いですが、私の夢を応援してくださると、大変うれしく思います。
↓↓↓↓↓↓

哲学・思想[人気blogランキング]に

|

« 犯人はスクラップブック | トップページ | 腎盂炎(じんうえん)だった! »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/18521/54546772

この記事へのトラックバック一覧です: 映画『ミケランジェロの暗号』:

« 犯人はスクラップブック | トップページ | 腎盂炎(じんうえん)だった! »