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2012.01.27

映画『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』

表現の不自由の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 私は子宮筋腫が大きいので、これまでエストロゲンを含む乳製品は控えていたのですが、今は注射で女性ホルモンの分泌を止めているため、乳製品でも臆せずに摂っています。最近は、コンビニなどで売られている五百ミリリットル入りの紙パック飲料「練乳オーレ」が特にお気に入りです。練乳は、子供の頃にかき氷などにかけて食べていましたので、私にとっては、とても懐かしい味ですね。

 世界的に有名なストリート・アーティストのバンクシーが監督したドキュメンタリー作品である本作を鑑賞したのは、映画『いのちの子ども』を鑑賞したのと同じ七月二十三日のことである。

 あるときロサンゼルス在住のティエリー・グエッタというフランス人が、ストリート・アートの映像を撮り始めた。しかし彼は、長年撮り貯めた映像を振り返ることもせず、録画したテープは貯まる一方だった。

 のちに彼は、これらの映像を使って映画を製作しようと思い立つのだが、出来上がった作品は、彼にしかわからないようなマニアックなものだった。そこで、彼の作品の中に登場する世界的なストリート・アーチストであるバンクシーが立ち上がり、自ら監督になってティエリーも登場させ、本作を仕上げたというわけだ。

 ストリート・アートというと、日本よりも海外のほうが活動が活発であるように思う。海外を旅行した人たちがすぐさま思い浮かべるのは、海外の電車に乗ったときに景色として見えて来る数々の落書きではないだろうか。あの手の落書きは、文字が多いのだが、ストリート・アートは、文字通りアートである。私は気付かなかったのだが、ストリート・アーチストたちは、自分の作品の周辺にサインを残しているらしい。もちろん、バンクシーもそうである。

 彼らは人目につかない夜中にこっそり出掛けて行き、夜のうちに実に手際良く作品を仕上げる。しかし、実際のところ、落書きかアートかの線引きは難しいように思う。ストリート・アートは、自分の用意したキャンバスではなく、街角のコンクリートなどに勝手に描くわけだから、もしも描いたものが落書きレベルのものであれば、迷惑千万な訳である。

 そう言えば、私は東京に住んでいた頃、アパートの自室でギターの練習をしていたのだが、私が練習を始めると、隣接している歯科の窓がぴしゃりと閉められた。また、夜、遅い時間であれば、大家さんから「ギターを弾くのをやめて」と電話が掛かって来たりした。そのことを、ギターのうまい友人に話すと、「自分はそんな経験ないよ。ギターがうまいから」と憎たらしいことを言われた。

 さて、このドキュメンタリー映画の面白いところは、これまでストリート・アーチストたちの映像を撮り続けていたティエリーが、バンクシーの勧めにより、自分自身もアーチストに変身してしまうところだろう。ミイラ取りがミイラになったという表現が適切かどうかはわからないが、ストリート・アーチスト撮りがアーチストになり、作品を発表するようになったのである。しかし、ティエリーはにわかアーチストなので、どうやら真のアーチストからは批判を受けているようである。実際、彼の個展が開催されるまでのプロセスが本作に盛り込まれているのだが、スタッフはついて来ないばかりか、開催直前まで作品のレイアウトも決まらず、しっちゃかめっちゃかである。しかも、自分がアーチストになるまでに、知名度の高いバンクシーを利用しているようなフシもある。

 とは言え、本作は、そんなティエリーに仕返しをするような意味合いも込められているようにも思う。どこからどこまでがバンクシーによる演出なのか、正直言って、良くわからないところも面白い。

 本作を鑑賞して感じたのは、真のアーチストというのは、絶対に譲れない自分なりのこだわりを持っているが、にわかアーチストは人の意見に流され易いということだった。また、真のアーチストは作品を産み出すという行為は三次元以上で行われているが、にわかアーチストは二次元でそれを行っているのかもしれない。そんな違いをはっきりと感じ取ることができた。ストリート・アーチストだけでなく、ありとらゆる芸術的な分野において、真のアーチストとにわかアーチストの違いを実感したい人にもお勧めの作品である。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 残念ながら、日本ではストリート・アートをあまり見掛けませんね。この作品を鑑賞してからは、ストリート・アートを見掛けたら、作者のサインに注目しようと思いました。

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