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2012.01.11

映画『サンザシの樹の下で』

西宮神社に参拝の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 東日本大震災の影響に関係なく、政府の地震調査委員会がホームページで発表した将来の地震発生率が上昇したそうですね。東海地震の三十年以内の発生率も、八十七パーセントから八十八パーセントに引き上げられているとか。いやはや、恐ろしいですね。これまでの大地震の経験を活かして大地震に備えたいとは思いますが、大地震が発生したときに自宅にいるとは限らないので、準備をしておくにしてもなかなか難しいものです。

 チャン・イーモウ監督作品である本作を鑑賞したのは、七月十二日のことである。チャン・イーモウ監督作品と言えば、先にレビューを書いてしまった映画『女と銃と荒野の麺屋』が記憶に新しい。映画『女と銃と荒野の麺屋』は、精巧な喜劇とも言える物語だったが、本作はうって変わって、あまりにも切ない実話ベースの純愛物語である。

 文化大革命下の一九七〇年代のことである。都会育ちの女子高生ジンチュウは、住み込み教育を受けるために農村を訪れ、そこで青年スンと出会い、激しい恋に落ちる。しかし、ジンチュウの両親は反革命分子とみなされ、迫害を受けていた。ジンチュウの父が投獄されいるため、ジンチュウの母が必死で生活を支えていた。母は、ジンチュウが教職に就くことを強く望み、そのことを理由に、スンとの交際を何かと邪魔した。しかし、スンは深刻な病気に侵されていて・・・・・・。

 今どき、これほどの純愛物語はなかなか描けないだろうと思う。何しろ、全編を通して、二人のキスシーンがあったかどうかさえも思い出せないほどなのだから。それでも、二人の気持ちがしっかりと結ばれているのが伝わって来た。農村で出会った二人は、ジンチュウが都会に帰って来ても、しばしばプラトニックな逢瀬を重ねていた。お金持ちのスンは、ジンチュウやジンチュウの弟、妹たちのために、時には食べ物を届けたりした。ジンチュウに対するスンの気持ちはあまりにもまっすぐで、見ていてとても気持ちが良かった。鑑賞しているうちに、二人のこの幸せがいつまでも続くことを心の中で願っていた。

 最も印象に残っているのは、スンが入院している病院を訪れたジンチュウに、看護師さんの宿舎を借りて二人で泊まったシーンだ。当時は頻繁にお風呂には入らなかったのか、金属製の洗面器にお湯を入れて、足を洗っていたようだ。スンは、二人の思い出の農村に象徴的に咲いていたサンザシの花の絵の入った洗面器をたまたま見付けて購入する。そして、スンがその洗面器を使ってジンチュウの足を洗ってあげるシーンへと繋がって行くのだが、それが何とも美しいシーンなのだ。

 考えてみると、二人の間には、男女の間にありがちな欲望というものがほとんどない。ジンチュウはやや受身だが、それでもスンのことを想っている。スンはジンチュウと夜を共にしても、ジンチュウの肉体を求めたりはしなかった。もちろん、肉体を求めることは愛の延長線上にあることはわかっているのだが、二人の間にそれが存在してしまっては、もはや純愛ではなくなってしまうようにも思えた。それくらい、徹底的なプラトニック・ラブを貫いている二人なのだ。

 ラストは敢えて書かないでおくが、とにかく涙なしでは見られない。思えば、日本ではこのような描写をわざわざ避けて通っているように思う。どこかで美化しようとしているのかもしれない。しかし、チャン・イーモウ監督は、おそらくそのままを描写することを恐れなかった。それだけに、衝撃も大きいのだ。

 病室にジンチュウの写真を貼っていたスンは、どこまでもまっすぐな好青年だった。そんな二人の悲恋は、転生を繰り返しながら、少しずつ完成させて行くのだろうか。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m とにかく、こんなにまっすぐな純愛はないというくらいのピュアな悲恋でした。実話が元になっているそうですが、その後のジンチュウは、おそらくちゃんと前を向いて生きて行けたのではないかという気がしています。

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