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2012.01.21

映画『いのちの子ども』

どんな会話でもいいわけじゃない(後編)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m またまた更新が遅くなり、申し訳ありません。数々の不具合のあったセンター試験ですが、無事に再試験が行われたようですね。それでも、おそらく最初の試験問題とは異なっているはずなので、採点に関してはどうなるのでしょうね。それにしても、わずか一週間で新しい問題を用意できたとなると、それはそれで凄いとは思います。

 本作を鑑賞したのは、七月二十三日のことである。パレスチナのガザ地区というと、今でもイスラエルとの紛争が絶えない地域である。おそらく皆さんも、ニュースなどでその地域の名前を耳にすることも多いはずである。本作は、そのガザ地区で長年取材を続けて来たテレビジャーナリストのエルダールが監督を務め、パレスチナ人の赤ん坊ムハンマドがテル・アビブ郊外の病院でイスラエル人医師の治療を受ける様子がドキュメンタリーとしてまとめられている。お互いの国同士は敵対関係にあるというのに、医師と患者という個人レベルにおいては、国境も宗教も関係ないことを示す感動作だ。

 エルダールは、イスラエル人のソメフ医師からの協力申請を受けて、免疫不全という難病を抱えたパレスチナ人の赤ん坊ムハンマドを救うために必要な骨髄移植の手術の費用をテレビで呼び掛けて募る。イスラエル人向けの番組で、パレスチナ人を救うための寄付が呼びかけられたものの、無事に寄付は集まり、免疫不全のパレスチナ人の赤ん坊ムハンマドは手術を受けられることになる。

 やがて、骨髄移植にはドナーが必要なため、ムハンマドの家族や親族が検査される。その結果、従妹がドナーとして適合したのだが、従妹に病院まで来てもらおうとするものの、ちょうどそのときガザ地区で大規模な爆破事件が発生し、従妹は検問所を通ってイスラエルに入国できなくなってしまった。それでも、三日後にはようやく検問所を通過することができて、手術も成功する。

 骨髄移植のドナー探しは大変なことであるとは知ってはいたが、なるほど、血縁者であれば、適合する確率が高くなるのだとわかった。しかし、もともと病気を抱えているのはパレスチナ人の赤ん坊であるのに対し、対応している医師はイスラエル人である。それにガザ地区における爆破事件という新たな要因も加わり、ただでさえ困難な骨髄移植が一層困難なものになってしまった。それでも手術に成功したのだから、パレスチナ人の赤ん坊ムハンマドは、実に多くの人たちに支えられていることになる。

 本作には、パレスチナ人であるムハンマドの母ラーイダとイスラエル人で本作の監督であるエルダールが互いの本音を交わすシーンがある。国や宗教も違う二人は、ムハンマドの病気を通じて表面的には友好的な状態にあるものの、やはりお互いの宗教観は大きく異なっていた。私自身も驚いたのは、ムハンマドが大きくなったら殉教させるかもしれないとラーイダが口にしたことだった。殉教? 何故? こうしてムハンマドの小さな命を救おうと、既にたくさんの人たちが必死で働き掛けているというのに、せっかく救ってもらった尊い命を宗教によって失う覚悟があるというのは、私にも理解できなかった。もちろん、エルダールもラーイダのこの言葉には強い衝撃を受けたようだった。

 理由もわからずに、ただ自分の周りにいる人たちが受け入れているというだけで、ある価値観を受け入れることが良くある。殉教という価値観に関しても、もしかしたらそのような歴史があるのかもしれない。何故、殉教させるのかという問い掛けに対し、その宗教を信仰していない人たちが納得できるだけの明確な説明は、おそらくできないだろうと思う。

 エルサレムに行ってみたいというラーイダの願いを叶えてあげたときも、エルダールはずいぶん複雑な想いを抱えていただろうと思う。何故ならエルサレムは、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地だからだ。

 私には、パレスチナ問題は難しい。実際、ムハンマドがイスラエル人に助けてもらったということで、パレスチナ人からは非難の声も上がっていたらしい。それでも、国境や宗教を越えて、個人レベルでは助け合うことができたということを高く評価すべきではないかと思う。こうしたことの積み重ねが、のちの平和にも繋がって行くようにも思う。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 日本は、他国と海で隔てられているために、このような問題とはほとんど無縁だと思います。しかも、日本人の宗教心は、他国に比べると緩い気もしますよね。しかし、国同士が隣接していて、宗教心も高ければ、このような争いが起こり得るのかもしれないとも思いました。それでも、個人レベルでは救いの手を差し伸べることができていることがせめてもの救いですね。

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