« ガンモ、ミイラになる(5) | トップページ | 外れた自転車のチェーン »

2011.12.10

映画『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』

ガンモ、ミイラになる(5)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。またまた更新が遅くなり、申し訳ありません。世間は皆既月食の話題で持ち切りだというのに、私たち夫婦は皆既月食とは無縁の夜を過ごしていました。(苦笑)月食や日食というと、映画か何かで、発展途上の地域に住む原住民が、白人を捕らえて火あぶりにしようとしたそのときに、月食あるいは日食が始まり、捕らえた白人を神と崇めるシーンがあったのを思い出しました。しかし、改めてそのシーンを振り返ってみると、通常では考えられないようなタイミングで月食あるいは日食が始まったことになりますよね。やはり、そのような絶妙なタイミングで月食あるいは日食が訪れるのは、映画やドラマの世界に限ってのことでしょう。(苦笑)

 本作を鑑賞したのは、五月二十八日のことである。劇場公開日に鑑賞しているというのに、鑑賞する映画の本数が多過ぎるために、鑑賞してから実に半年以上も経過してからレビューを書いている。

 普段、原作を読まずに映画を鑑賞することの多い私だが、本作に関しては違うと断言する。しかも、『ブッダ』は、手塚治虫先生の漫画の中では一番好きな作品なのだ。かなりの長編だが、とても読み応えのある作品である。

 私が手塚治虫先生の『ブッダ』の感想を述べるとき、最も印象に残ったシーンとして、お腹を空かせた人間に食べてもらうために、うさぎが自ら火の中に飛び込んで丸焼けになるシーンを取り上げる。原作を読んだときに、私にはそのシーンが最も深く心に残った。本作では、そのシーンがいきなり冒頭に現れる。しかし、「あれ? ここは感動するシーンのはずなのに・・・・・・」というのが、そのシーンを見届けた私が抱いた正直な感想だった。原作では確かに深く心に響き、号泣したはずのシーンがあまりにも素早く通り過ぎてしまったことを、私はとても残念に思えて仕方がなかった。原作を読んだときには、自らの命を投げ打ってまで火の中に飛び込んで行ったうさぎの、お腹を空かせている人間に対する深い愛情をビンビン感じたはずだったのだ。

 そのシーンで感動できなかったことは、やがて作品全体を通しての落胆へと繋がって行った。もちろん、手塚治虫先生は既に亡くなられているので、絵がオリジナルでないことは仕方のないことかもしれないのだが、全体的に、心に響いて来る要素がそぎ落とされてしまっているように思えた。それに加え、シャカ国の国王の声がいかにも棒読みといった感じで、聞いていられなかった。

 もともと手塚治虫先生の『ブッダ』は、登場人物が多く、いくつもの物語が同時進行して行くのだが、一見、複雑に見えても、読み進めるうちにその世界にグイグイ引き込まれて行く作品である。しかし、本作を鑑賞している間に、あまりにもがっかりすることが多かったために、ひょっとすると原作を読んでいない人たちは、このいくつもの流れについて行くのが困難かもしれないとも思った。

 原作が長編であるために、どうやら映画のほうは三部作で公開されるらしい。本作は、その中の第一部ということになる。しかし、第一部を鑑賞してがっかりした人たちが、第二部、第三部に期待を寄せて鑑賞するのだろうか。私としても微妙なところではあるのだが、やはり好きな作品であるだけに、第一部での酷評をバネにして、製作者には頑張って欲しいと強く願うのだった。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m シッダールタがミゲーラとの恋を引き裂かれてしまうシーンを見て改めて思ったのですが、手塚治虫先生は、『ブッダ』の中で光も闇も同時に描き出そうとしたのではないでしょうか。戦争や身分違いの恋など、シッダールタが思い悩むには十分過ぎるほどの背景が、彼の生きた時代には当たり前のようにあったのですね。そこで立ち止まろうとせずに、「世の中はこういうものだ」と割り切ってしまえば、シッダールタが悟りを開くことはなかったでしょう。しかし、彼が立ち止まり、悟りを開くに至ったのは、こうした理不尽な背景があったからこそ、なのでしょうね。

人気blogランキングには、もともとブログの書籍化を夢見て参加させていただきました。まだまだほど遠いですが、私の夢を応援してくださると、大変うれしく思います。
↓↓↓↓↓↓

哲学・思想[人気blogランキング]に

|

« ガンモ、ミイラになる(5) | トップページ | 外れた自転車のチェーン »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/18521/53458348

この記事へのトラックバック一覧です: 映画『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』:

« ガンモ、ミイラになる(5) | トップページ | 外れた自転車のチェーン »