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2011.12.04

映画『岳 -ガク-』

自転車日和(2)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 松山市の病院で、「永久気管孔」として開けられていた二センチ程度の穴を看護師が塞いでしまい、患者が窒息死してしまうという医療ミスがありましたね。とても残念で悲劇的なニュースではありますが、病院スタッフ間で患者の治療に必要な情報が共有されていなかったことがミスの原因であるとわかり、私は、穴を塞いでしまった看護師の責任だけではないと感じてしまいました。人命に関わるほどの大きなミスに繋がってしまいましたが、こうした連携の悪さは、私たちが普段、携わっている仕事にも起こりがちなことだと思います。誰かの頭の中にしか存在していないことが、第三者にまで的確に伝わるとは限りません。それが人命に関わることであれば、なおさら、それを知らない人たちにきちんと提示しておくことが必要でしたね。とても残念な結果を招いてしまいましたが、せめて私たちは、人命に関わるほどの大きなミスには発展しないにしても、自分たちの身近なところで決して同じようなことが起こらないように努めたいものです。

 本作を鑑賞したのは、映画『イヴ・サンローラン』を鑑賞したのと同じ五月二十三日のことである。

 冬山への登山をテーマにした作品だが、鑑賞してみて実にいろいろなことを感じた。まず、映画の世界だけでなく、現実の世界においても、冬山の登山における遭難事故はあとを絶たない。私自身、冬山の登山とはほぼ無縁の生活を送っているためか、何故、あれほど危険だと言われている冬山にわざわざ登りに行くのだろうかと不思議でならない。冬山の登山による遭難事故を防ぐには、冬山の登山を全面禁止してしまえばいいのではないかと、普段から登山とは無縁の生活を送っている私は安直に思ってしまうのだが、本作が伝えようとしているのはそういうことではない。それは、長野県警山岳救助隊と連携して、山岳遭難救助のボランティアをしている三歩(さんぽ)の、
「またおいでよ」
という言葉に集約されているように思う。

 本作を鑑賞すると、人命を奪うほどの大自然の恐ろしさを感じずにはいられない。しかし、大自然の恐ろしさの裏側には、大自然が与えてくれる大きな感動もあるのだろう。だから、そんな大自然の恐ろしさをものともせず、たくさんの人たちが危険な冬山へと登って行くのだ。

 そうして遭難してしまった人たちを救うために、長野県警には山岳救助隊が編成されていることを知った。山岳救助隊が闘う相手は極悪犯人などではなく、時には人の命を奪ってしまうほどの大自然である。山岳救助隊に所属している人たちは、訓練に訓練を重ね、自分自身の命はもちろんのこと、山で遭難した人たちの命を守ろうとしている。

 そんな山岳救助隊に配属されたのが、長澤まさみちゃん演じる椎名久美である。遭難者救助への意気込みだけは強く感じられる久美だが、自らの身体を酷使して救助する仕事であるだけに、訓練に訓練を重ねてもなかなか実績が上がらない。特に冬山での遭難者救助は、女性にとってはかなり過酷な仕事だと思う。それに対し、まるで山が自分の庭であるかのように、三歩は冬山を自由に渡り歩いている。山では迷子にならない三歩が、陸では迷子になってしまうという設定もなかなか面白い。久美は、そんな三歩から、遭難者救助に関する多くのことを学びながら、次第に鍛えられて行くのだった。

 恥ずかしながら、三歩を演じているのが小栗旬くんだと気付いたのは、本作を鑑賞し終えてからのことだった。というのも、本作の三歩は、これまでスクリーンを通して私が見て来た小栗くんの雰囲気とはまったく異なっていたからだ。これまで私が観て来た作品の中に登場していた小栗くんは、もしかすると彼自身の演出によるものだったのかもしれない。しかし、本作は、とても自然な小栗くん自身であるかのように見えた。言い換えると、三歩という山岳遭難救助のボランティアが、実際に小栗くん自身なのではないかと錯覚してしまうほどハマリ役だったのだ。

 本作を鑑賞した登山家たちは、また冬山に登りたいと感じるのではないだろうか。三歩に救出され、生死の境をさ迷った登山家でさえ、再び冬山へと登っているのだから。私の勝手な想像だが、本作の原作者は、冬山を本当に知り尽くした三歩のような人なのではないだろうか。そうでなければ、ありとあらゆることを許容した上で、明るい結末に導くことはできないように思うのだ。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m とにかく本作では、小栗くんが演じている三歩の役が魅力的ですね。もともと小栗くんは、原作の漫画を愛読していたそうで、本作への出演を依頼されて、実際は高所恐怖症であるにもかからわず、撮影のための訓練に臨んだそうです。本作は、彼のそうした努力の賜物でもあるのですね。

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