ガンモ、ぬいぐるみになる(2)
※ガンモ、ぬいぐるみになる(1)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 内視鏡で処置を受けた四十五歳の女性が亡くなってしまうという医療事故が、一年前に起こっていたそうですね。内視鏡で女性の大腸に穴を開けてしまっていることに気付くのが遅れてしまったことが原因のようです。内視鏡が医療の場に取り入れられることで救われる患者さんが圧倒的に増える一方で、このような医療事故が報告されるのは、大変痛ましいことであります。内視鏡における処置だけでなく、実はこの世におけるありとあらゆる出来事が、今回のケースと同様の性質を持っていますね。しかし、私たちが普段、目を向けようとしているのは、光の部分だけなんですよね。
一週間後、外科手術を受けるためにガンモが再び病院を訪れてみると、男性医師は、昨日、新しい白衣をおろしたばかりだとかで、看護師さんたちと和気藹々と話をしていたという。別の看護師さんが、今日は手術を行う日だと男性医師に伝えると、男性医師は驚いた様子で、
「えっ? 私は聞いてないよ」
とおっしゃったそうだ。どうやら、一週間前にすったもんだしながら、ようやくガンモの手術をこの日に決めたというのに、そのことをすっかり忘れてしまっていたらしいのだ。それでも、簡単な手術なので、間もなく手術の準備が整えられたそうだ。もちろん、ガンモに施された麻酔は局所麻酔である。
手術に入る前に、男性医師はガンモに、
「縦割りにするか、横割りにするか、どっちにする? うちはオーダーメイドだから」
と尋ねられたらしい。要するに、縦に切るか、横に切るかを尋ねられたのだが、ガンモは男性医師の「オーダーメイド」という表現に思わず笑ってしまったそうだ。そして結局、横割りに切ってもらうことにしたという。
いよいよ手術を行う段階になると、男性医師は隠語を使い、看護師さんに合図を送ったそうだ。その合図とは、
「これが大事だから」
という言葉なのだそうだ。その合図を聞いた看護師さんは、男性医師の眼鏡を外したそうだ。おそらく手術が始まると、近距離に焦点を合わせる必要があるために、老眼の入った眼鏡を看護師さんに外してもらったのだろう。男性医師がその合図を送ったとき、男性医師の手には既に手術用の手袋がはめられていたため、眼鏡を取れない状況にあったようだ。
そうしてガンモの腕は、男性医師によって切り開かれた。看護師さんはガンモに、
「大丈夫ですか?」
と声を掛けてくださったという。すると男性医師は、
「大丈夫、大丈夫」
と答えたそうだ。ガンモは、「看護師さんは自分に言ってくれているはずなのに、何故、先生が『大丈夫、大丈夫』と答えるのだろう?」と思ったらしい。そのせいか、看護師さんはもう一度、
「大丈夫ですか?」
とガンモに尋ねてくださったそうだ。おかげでガンモは、
「大丈夫です」
と、ようやく返すことができたらしい。
ガンモが冷静な態度を取っていたからなのか、男性医師は手術中に、切り開いたガンモの腕の中を見せてくださったという。ガンモはこれまでの外科手術の経験から、自分の身体の中から取り出されたものは見たことがあるものの、まだ取り出さずに身体の中に収まっているものは見たことがなかったそうだ。そのときガンモは、白いものが自分の身体の中にあるのを見たという。
そのとき看護師さんが、生検が必要かどうかを男性医師に尋ねたそうだが、男性医師は、
「大丈夫、大丈夫。これは悪いものじゃないから」
とおっしゃったそうだ。
手術は無事に終わり、翌日、消毒にうかがうことになり、抜糸も十日後に決まったそうだ。手術翌日の消毒は祭日だったのだが、もともと救急病院でもあるので、手術を担当してくださった男性医師ではないものの、別の医師が対応してくださったという。手術を終えたガンモは、腕に大きなガーゼ付きの絆創膏のようなものを貼られ、外科手術の傷あとを保護していた。
「痛い?」
と私が尋ねると、ガンモは、
「痛い」
と答えた。男性医師からは、痛み止めや抗生物質を処方されたようだ。
こうして無事に外科手術と消毒も終え、あとは抜糸を待つばかりとなった。
※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 手術を終えたガンモは、興奮気味に私に電話を掛けて来ました。手術を担当してくださる男性医師があまりにもユーモアに溢れる人だったので、リラックスした気持ちで手術を受けることができたようです。確かに私を診察してくださったときも、かなりお茶目な方だとは思いましたが、ここまでユーモアに溢れる医師だとは思いませんでした。それを考えると、私よりもガンモのほうが、より男性医師自身を引き出していることになるのでしょうね。男性医師はガンモの前で、これだけのユーモアを連発しているのですから。
人気blogランキングには、もともとブログの書籍化を夢見て参加させていただきました。まだまだほど遠いですが、私の夢を応援してくださると、大変うれしく思います。
↓↓↓↓↓↓
| 固定リンク





