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2011.11.07

映画『アンノウン』

経口内視鏡初体験(3)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m マンションの高層階で盗みを繰り返していた男が逮捕されたそうですね。高層階に住んでいると、窓の施錠が徹底されなくなるようですが、そうした心理をついて、マンションの十階前後の部屋を狙い続けていたようです。逮捕された男は、非常階段から一番近い部屋のベランダに飛び移り、カニのように横ばいになりながら盗みを繰り返していたそうです。確かに、高層階に住んでいれば、施錠していない窓から侵入者があろうなどとはよもや思わないでしょう。高所恐怖症でないことをこのような形で活かすなんて、実にけしからんことですね。

 本作を鑑賞したのは、五月十三日のことである。映画『96時間』のリーアム・ニーソン主演の作品なので、またまた大掛かりなアクション映画なのではないかと予想されたのだが、実際に鑑賞してみるとやはりその通りで、最初は比較的穏やかな展開でも、終盤に近付くにつれ、なるほど、こんなカラクリだったのかと驚きの連続だった。

 植物学者のマーティン・ハリス博士がベルリンで交通事故に遭い、目覚めてみると、妻は自分のことを知らないと言い張るばかりか、見知らぬ男が自分に成りすましている。私は、予告編でこの展開を観たとき、世の中には、自分自身を確実に証明できるものは何もないということに気が付いてしまった。例えば私は、自動車の運転免許証がないので、写真付きの身分証明書となるとパスポートになるのだが、そのパスポートでさえ、もともとは自分自身が書類を用意して申請するものである。そこに顔写真が付加され、信頼できる機関が発行したものであるというだけで、その人物の証明にもなるわけだが、ハリスは運悪く、パスポートの入った鞄を空港に忘れてしまう。そうなると、いよいよ自分自身を証明するものがない。

 ところで、現実には難しいとしても、パスポートは映画の世界ではしばしば偽造される。もしもパスポートが簡単に偽造できてしまうものだとしたら、もはやパスポートは誰かのアイデンティティーを証明するものではなくなってしまう。そうなると本作のように、異国の地において、ある人物が確かにその人物であるというような証明は、いよいよ難しくなってしまう。

 本作は、妻がハリスのことを知らないと主張した時点で、そこにはきっと何かがありそうだとプンプン臭って来る。ハリスの心の中には、妻と深く愛し合った記憶があるというのに、ハリスの愛する妻は素知らぬ顔で自分の見知らぬ男と夫婦関係を続けているのだ。

 それにしても、これがとても大掛かりなトリックだとして、果たして妻の友人や知人、近親者や親戚などをすべて巻き込んで、この作戦に同意させることができるものなのだろうか。誰かに頼まれて嘘をつくかどうかは、個人の自由意思にかかっている。もしも妻と関わりのある人たちすべてを言いくるめて演技をさせているのだとしたら、かなり大掛かりなトリックが成立することになる。果たしてそこまでして、一体何を得たいのだろうか?

 やがてハリスは何者かに命を狙われるようになり、ベルリンで自分を運ぶときに交通事故を起こした女性タクシー運転手や元秘密警察の男性の力を借りながら、事件を解明しようとするのだが・・・・・・。

 全体のテイストとしては、映画『RED/レッド』にやや近いだろうか。なるほど、最後まで鑑賞すると、とんだどんでん返しが待っているということはわかったのだが、それならば、愛する妻と深く愛し合った愛の記憶は、一体何だったのだろう? 男女の愛に強く反応してしまう私としては、その愛の記憶を軸に鑑賞を進めたかったので、その結末においてはちょっぴり残念だった。とは言え、リーアム・ニーソン主演の作品なので、彼を暴れさせてあげるには、仕方のない手段だったのかもしれない。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 皆さんは、突然、アイデンティティーを失ってしまったとしたら、どうしますか? 私は本作を鑑賞して、私たちの周りにあるものはすべて、相対的なものに過ぎないのではないかと感じました。決して絶対的なものが私たちのアイデンティティーを証明してくれるわけではないんですよね。

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