« ホットヨガ(二六二回目) | トップページ | シドニー・フィッシュ・マーケット »

2011.11.01

映画『阪急電車 片道15分の奇跡』

ホットヨガ(二六二回目)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 年金の支給開始年齢を引き上げようとする動きがあるようですね。ほとんどの企業における定年退職は六十歳だというのに、年金の支給が始まるのが七十歳を超えてしまうのだとしたら、定年退職してから年金が支給され始めるまでの十数年間はどのようにして生活して行けばいいのでしょうか。年を取れば、必ずしも健康でいられるかどうかはわかりません。少子高齢化が原因とも言われていますが、ずっと働いて、毎月年金を納めて来た人たちが実際の年金を受け取る時期が遅れてしまうというのも何だか理不尽な気がします。例えばイギリスやフランスなど、老後が安泰な国ほど、街を歩くと物乞いをしている人たちが多いのは、将来のための、国の貯蓄への体制が厳し過ぎるからではないかと私なりには解釈しているのですが、日本では街を歩いていても物乞いをしている人が少ない分、将来のための、国の貯蓄への体制がまだまだ甘いのかもしれませんね。

 本作を鑑賞したのは、五月十日のことである。

 本作が劇場公開されていた頃、私がしばしば足を運んでいる映画館は、ゴールデンウィーク中ということもあってか、とにかくたくさんの人たちで溢れ返っていた。どうやらその中の多くの人たちが、本作を鑑賞するために映画館を訪れていたようだ。しかし、大盛況のため、劇場窓口には「『阪急電車』の○時△分の回は満席です」という手書きの札が掲げられていた。当日分の上映回で満席の札が掲げがれるのはまだ理解できるのだが、翌日分の上映回についても満席の札が掲げられていたのは驚いた。これまで何度となくその映画館に足を運んで来たが、これほどまでの大盛況ぶりは見たことがなかった。

 それもそのはずで、本作の舞台となっている阪急今津線は、まさしく私がしばしば足を運んでいる映画館のある沿線上に位置していたのだ。身近なエリアが映画の舞台になっているとわかれば、足を運びたくなるのが人間の心理というものだろう。

 かくいう私もその映画館で本作を鑑賞したのだが、はっきり言って、とても奇妙な感じだった。私の場合、阪急今津線の沿線に住んでいると胸を張って言える立場ではないものの、本作に登場する阪急今津線の駅の中には、私自身も乗り降りしたことのある駅がいくつかあり、とても身近に感じることができた。自分にとって、すぐに手の届くところにあるいくつかの駅や、普段、当たり前のように目にしているマロン色の阪急電車がスクリーンの中に登場するというのは、何だかとても不思議な気がした。おそらく、その映画館で本作を鑑賞されたほとんどの方たちが、私と同じような感想を抱いたのではないだろうか。

 実は、本作が公開される前に、私が本作を鑑賞した映画館では、公開前の先行試写会が開催されていたようだ。私はその試写会には応募しなかったのだが、たまたま別の作品を鑑賞するためにその映画館を訪れたときに、本作を試写会で鑑賞し終えた方たちがどやどやと劇場から出て来たところに出くわした。どの方もとても満足そうな表情をされていて、一部の方が興奮気味に感想を語り合っていたので、これはきっと見ごたえのある作品に違いないと思っていた。

 実際に鑑賞してみると、まさしくその通りだった。実のところ、題材としては身近に感じられても、鑑賞してみると期待を裏切られてがっかりしてしまうのではないかという気持ちのほうが強かった。しかし、そうではなく、内容もとても深いものだった。

 特に、時江というおばあさんを演じていた宮本信子さんの役柄は格別だった。恥ずかしいことに、予告編を観たときに、あのおばあさんを演じているのが宮本信子さんだということに気付かなかった。というのも、宮本信子さんがおばあさんの役を演じられるのはまだまだ早いと思っていたからかもしれない。しかし、宮本信子さんにはまっすぐな生き方を好む時江の役がぴたりとはまり、彼女の口から次にどんな言葉が飛び出すのか、楽しみで楽しみで仕方がなかった。

 電車の中で大きな声でおしゃべりをするおばさまたちは、関西地方ではあまりにも日常的過ぎて恐ろしかった。しかし、そんなにぎやかなおばさまたちの中にも、別の意志を持ったおばさまがいることがわかり、少し安心することができた。電車の中でにぎやかなおばさまたちに出会ったとしても、一つの集団として見てしまってはいけないのだ。ひょっとすると、自分がその集団の中にいることが本意ではないと思っている人も含まれているかもしれない。そう思うと、何だか救われるのだった。

 本作は、阪急今津線沿線に住む一部の人たちが「しがらみと決別して自立へと向かう物語」であるとも言える。恋人を後輩に寝取られた美しい女性、本当は、にぎやかなおばさまたちの仲間入りをしたくない女性、DVの恋人と付き合っている女性、学校でいじめにあっている女子学生。それぞれ何らかの問題を抱えた人たちが、阪急今津線の電車の中でそれとなく、人情的に繋がって行く。

 マニアックな感覚で結ばれた大学生のカップルは、独自の路線を築いていてとてもいい。おそらく、関西学院大学の学生さんなのだろう。関西学院大学も、私たちにとってはとても身近な大学で、ガンモがTOEICの試験を受けるときに、しばしば受験会場に指定されている大学である。そんな関西学院大学に強く憧れる高校生が、あまり勉強の得意ではなさそうな社会人の恋人と付き合っているのだが、私から見ると、その社会人の恋人は、高校生の彼女に対して誠実な愛情を注いでいるように見える。

 何はともあれ、阪急今津線沿線に住む人たちが見せてくれる様々なドラマに、私たちは釘付けになってしまうだろう。片道たった十五分の阪急今津線の中で繰り広げられているバラバラのドラマが、終盤に近付くに従って少しずつ繋がりを持ち始める展開も面白い。私にとっては、とても身近な題材だったために予想以上に楽しむことができたが、きっと身近な題材ではない人たちにとっても、心の中に何か暖かいものを残してくれる作品だと思う。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 悩みを抱えている人たちが、明日からしっかりと前を向いて歩いて行けるような、元気をもらえる作品だと思います。宮本信子さんが演じていたおばあさんの時江が、電車の中でひどくにぎやかなおばさまたちにカツを入れたときは、思わずスカッとしました。(苦笑)

人気blogランキングには、もともとブログの書籍化を夢見て参加させていただきました。まだまだほど遠いですが、私の夢を応援してくださると、大変うれしく思います。
↓↓↓↓↓↓

哲学・思想[人気blogランキング]に

|

« ホットヨガ(二六二回目) | トップページ | シドニー・フィッシュ・マーケット »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/18521/53142161

この記事へのトラックバック一覧です: 映画『阪急電車 片道15分の奇跡』:

« ホットヨガ(二六二回目) | トップページ | シドニー・フィッシュ・マーケット »