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2011.10.29

映画『キッズ・オールライト』

ホットヨガ(二六一回目)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。バンコクの洪水が長引き、深刻な状況に陥っていますね。今年の一月にタイに行ったばかりですので、私たちがレンタサイクルを借りて走り回ったアユタヤが水に浸かってしまったというのはとても胸が痛みます。あのチャオプラヤー川も、フェリーに乗って渡りました。バンコクの人々は、フェリーに乗って日常的にチャオプラヤー川を渡り、買い物などに出掛けていたようですが、今はきっと違う状況なのでしょうね。かつてバンコクに住んでいた従妹は、現在は子供たちと一緒に日本に帰国しているのですが、彼女の夫がまだバンコクにいます。それで、一週間ほど前に彼女にバンコクの状況を尋ねてみたところ、日本人の住むところは大丈夫だと言っていました。ただ、スーパーでは飲み水が品薄になってしまっているそうで、彼女の友人は自宅に浄水器を取り付けたそうです。あれから一週間経ち、状況は更に深刻になっているかもしれませんが、どうか一日も早く水が引いてくれることを祈ります。

 本作を鑑賞したのは、五月二日のことである。公開前に、何度か予告編を観ていた作品である。

 レズビアンの女性二人が愛情で結ばれ、一緒に暮らしている。二人は、匿名で同じ男性から精子を提供してもらい、それぞれ子供に恵まれる。つまり、生まれた二人の子供は、母親は違うが父親は同じだというわけだ。広く一般的には、子供の父親が同じで母親が違う場合、二人の母親が一つ屋根の下で暮らすようなことはない。そのような場合、一緒に暮らしているのはむしろ父親のほうである。しかし、本作の設定はその逆で、二人の母親が愛情で結ばれていて、二人の子供たちとともに一つ屋根の下で暮らしているのである。

 やがて、姉弟として育った二人の子供たちも大きくなり、映画『アリス・イン・ワンダーランド』のミア・ワシコウスカが演じている姉のジョニが十八歳、弟のレイザーが十五歳になったときのことである。二人は、自分の遺伝子上の父親に会いたいと強く願うようになり、二人の母親には内緒で自分たちの遺伝子上の父親を探し始める。そしてついに、レストランを経営する遺伝子上の父親ポールとの対面を果たすのだ。ポールのことが気に入った二人は、それからもしばしば三人で密会を重ねるのだが、やがてそのことが二人の母親の知るところとなる。そして、遂に二人の母親と子供たちは、ポールとの親睦を深めるために、ポールを食事に招待するのだった。

 こうしてレビューを書くにあたり、登場人物たちの置かれている立場を改めて振り返ってみると、実にユニークであることがわかる。何故なら、本来、子供たちと血の繋がりがあるはずのポールが、あたかも部外者であるかのように描かれているからだ。レズビアンの二人の母親は、子供が欲しくても二人だけでは産むことができずに、ポールの力を借りることになる。しかし、匿名で精子を提供したポールが、自分の精子の行方を知るはずがない。だから、単に精子を提供しただけのつもりのポールを二人の子供たちが探し当てたとしても、ポールには二人が自分と血を分けた子供たちであるという実感が沸かなかったのではないだろうか。

 しかも、本作にはもっとおかしな展開が用意されている。広く一般的には、女性二人、男性一人の関係は、二人の女性が一人の男性を取り合う間柄になりがちなのだが、本作はそうではない。二人の女性がレズビアンということで、世間の常識を覆すような展開が待っているのだ。更に、その先にある苦悩までもが世間の常識からはかけ離れている。

 本作を鑑賞すると、誰もが、愛とは何か、家族とは何かということについて、深く考えさせられるのではないだろうか。愛し合う男女がセックスをすれば子供が産まれるが、極端な話、愛がなくても、男女がセックスをするだけで子供はできてしまう。その一方で、いくら愛し合っていたとしても、女性二人だけでは子供には恵まれない。そして、二人の母親とポールは、セックスを介さずに子供に恵まれた。単に精子を提供しただけとも言えるポールは、果たして本当の意味で父親と言えるのだろうか? また、家族とは、血縁で結ばれた関係のことだけを指すのだろうか? そんな疑問が生まれて来る。

 世間の常識を超えたところに、本作で描かれているような家族がある。二人の母親や二人の子供たちと愛情で結ばれているわけではないポールが、あたかも部外者であるかのようにぎこちなく描かれているところからすると、創り手が本作を通して伝えたかったのは、血の繋がりが最も大切であるということではないはずだ。愛情で結ばれているということが何よりも大切であるということを示すために、わざわざ本作のようなアプローチが選ばれたのだとすると、ずいぶん回りくどい表現方法が取られたものだと思う。あたかも部外者であるかのように描かれているポールの緊張感が伝わって来て、何だかおかしくもある作品なのだ。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 一風変わった家族の物語であります。子宮筋腫という英単語が出て来るのも興味深いですね。(苦笑)私は、同性愛についての偏見はありませんが、それならば、最初から子供を産んで育てることを諦めてしまうという選択もアリかなと思います。本作の中で取り扱われているジョニ・ミッチェルというミュージシャンの音楽については良くわかりませんが、マニアックな話題で盛り上がる雰囲気も良く出ていたと思います。普段の生活では感じることのできない感情を味わうことのできる作品ですね。

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