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2011.10.23

映画『女と銃と荒野の麺屋』

シドニーのチャイナタウンの記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m トルコ東部で大きな地震があったそうですね。今年は日本が東日本大震災や台風などで大きなダメージを受けましたが、他の諸国においても実にいろいろなことが起こっていますね。私たちは、この先も地球に住み続けることができるのでしょうか。地球は自然災害を起こすことで、私たちに何かをしきりに訴え掛けようとしているのでしょうか。

 本作は、チャン・イーモウ監督が、ジョエル、イーサン・コーエン兄弟の映画『ブラッド・シンプル』の舞台を中国に置き換えてリメイクした作品である。鑑賞したのは、九月二十九日のことだ。チャン・イーモウ監督作品というと、実は三ヶ月ほど前にも別の作品を鑑賞しているのだが、そちらの作品のレビューよりも先に本作のレビューを書かせていただくことにする。

 作品鑑賞直後ならば、この長いタイトルを何も見ずにすらすらと言えたのだろうが、女と銃と荒野の麺屋の意味がまだ良くわかっていない鑑賞前の段階では、劇場窓口で、この長いタイトルがなかなかすらすらとは出て来なかった。そのため、劇場に掲げられた本作のタイトルを目で確認しながら、入場券を購入する羽目になった。実際に鑑賞してみると、そこには何とも言えない独特の世界が描かれていた。作風があまりにも異なっているため、三ヶ月前に鑑賞した別の作品と同じ監督作品とはとても思えなかった。

 作品の持つ独特の世界を言葉だけで表現するのはとても難しい。女がいて、荒野が広がっていて、麺屋で働く人たちがいる。確かに、『女と銃と荒野の麺屋』の物語であるのは間違いない。

 登場人物は、荒野にある麺屋を営む主人とその妻、それから、その麺屋で働く三人の従業員、そして警察官である。予告編にもある通り、麺屋の主人の妻は、麺屋で働く従業員の男と恋仲にある。そのことを知った麺屋の主人が、警察官にあることを依頼する。

 荒野というのは、メキシコに例えるならば、広い砂漠のようなところと言っていいかもしれない。日本には似たような場所がないので、日本人の監督が本作の舞台を日本に移してリメイクするのは少々難しいかもしれない。強いて挙げるとするならば、鳥取砂丘だろうか。中国が舞台となっているので、とにかく黄土色の小高い山のような大地だけが集まった場所にぽつんと麺屋がある。警察官たちは鎧を身にまとい、そんな荒野を集団で馬にまたがってやって来る。

 麺屋で働く人たちは、主人やその妻も含めて、みんなひと癖もふた癖もありそうな連中ばかりだ。とは言え、従業員たちは完全に腹黒いわけではなく、誰もが主人の存在に怯えている。そう、妻でさえも・・・・・・。

 登場人物にそれぞれ個性があって面白いのだが、中でも目を見張るのが、警察官役の男である。鎧を身にまとった彼は、あたかも警察官という正体までもすっぽりと鎧をかぶっているかのような実態である。しかも、スクリーンに映し出される回数は圧倒的に多いというのに、台詞が極端に少ない。つまり、彼は寡黙でありながらも、その行動がすべてを物語っているのだ。彼は、ただ黙々と自分の目的を確実に達成しようとする。そんな彼の計算され尽くされた行動から目を離すことができない。そして、彼がとうとう取り乱したとき、物語はクライマックスを迎える。

 登場人物が少なく、物語の舞台となっているのも、荒野と麺屋だけだというのに、実に良く出来た作品だと思う。麺を作るシーンもちゃんと用意されているのだが、いかにも中国らしく、従業員たちがまるでサーカスの曲芸師のような連携プレイを見せてくれる。いやはや、あらゆる点において、あっぱれな作品である。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 実際にこのような場所があるのだとしたら、人々の足となるのは、やはり馬なのでしょうか。馬を走らせて警察官がやって来ても、麺屋にいる人たちが気付かないのは、荒野の大自然に馬の足音さえもかき消されてしまうからなのかもしれません。今になって思えば、荒野だからこそ、麺屋を中心に起こるいろいろな出来事がすぐには明るみにならず、次々に呑み込まれて行ってしまうようにも思います。どういうわけか、世間の評価はそれほど高くはないようですが、私はとても好きな作品です。

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