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2011.09.02

映画『死にゆく妻との旅路』

ホットヨガ(二五三回目)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 皆さんのお住まいの地域の台風十二号の状況はいかがでしょうか。台風の動くスピードがひどくのろいせいか、私の住んでいる兵庫県は、なかなか暴風域には入らないようですね。金曜日の夜はいつも映画を鑑賞してから帰宅するのですが、台風十二号が接近しているというのに思い切って映画を鑑賞しても、帰宅にはほとんど差し支えありませんでした。ただ、今回の台風はとにかくスピードがのろいようですので、決して油断することなく、土砂災害や川の氾濫などに注意してくださいね。

 どこから情報を入手したのか、珍しく、ガンモのほうから映画を観たいと言い出した。末期がんの妻をワゴン車に乗せて、日本のあちらこちらを走り回る映画だという。三年前に義母が肉腫で亡くなってからというもの、ガンモはがんに興味を持っていた。がんに関するブログを熱心に読んだり、がんを扱った映画を鑑賞したりしながら、がんに関して、自分なりに何か答えを探しているかのようだった。ガンモが観たいと言い出した本作は、ミニシアター系映画館で上映されている作品らしく、二月の終わり頃の公開だったが、私たちの住んでいる兵庫県にやって来たのは四月頃のことだった。そこで私たちは、兵庫県での公開を待ちかねて、四月九日に三宮にある映画館に足を運んだ。

 実際に起こった出来事なので、映画を鑑賞されなくても、過去にニュースなどで取り上げられたことにより、本作の内容をご存知の方もいらっしゃるかもしれない。また、本作の主人公である清水久典さんが手記を綴っていらっしゃるので、その手記を読まれた方もいらっしゃることだろう。本作は、その手記に基づいて製作された映画のようである。

 三浦友和さん演じる清水久典は、石川県七尾市で小さな縫製工場を営んでいたが、中国製の安価な商品が出回ったことから、次第に経営難に追い込まれる。膨らんでしまった借金の返済に困り果て、姉からは自己破産を薦められたものの、久典は、石田ゆり子さん演じる大腸がんの手術を受けて間もない妻のひとみを連れて、ワゴン車で地元を離れる決意を固める。観光地を回れば、職にありつけるのではないかと思ったらしい。

 作品の冒頭から、ひとみが久典に恋焦がれているのが伝わって来る。大腸がんの手術を受けたあと、ひとみは娘夫婦の住むアパートに居候していたのだが、夫のいない生活はひどくつまらないのか、金策のためにあちらこちらをかけずり回っていた久典の帰りを、窓の外を眺めながら、今か今かと待ち受けていた。

 五十万円というなけなしのお金を持ち、ワゴン車の旅に出た二人だったが、私には、二人がとても幸せだったと感じられた。特に、狭い車内にお布団を敷いて、二人で並んで寝ている姿など、私には涙ものだった。ひょっとすると、狭いシングルベッドにガンモと寄り添って寝ている自分の姿と重ね合わせたのかもしれない。例えどんな状況にあろうとも、二人で一緒にいることが幸せなのだということが、あのシーンを見てひしひしと伝わって来る。

 他にも、久典がひとみの髪の毛をカットするシーンがあり、私たち夫婦の姿と重なった。我が家も毎回、お風呂場でガンモの髪の毛を私がカットしている。狭い車内に布団を敷いて寝る行為も、夫婦で散髪をする行為も、夫婦で一緒にいたいという二人の気持ちも、私にはわかり過ぎた。

 この映画の内容をニュースで知った方、手記を読まれた方、映画を鑑賞された方、それぞれの感想をインターネットで拝見したが、共感できなかったという方もいらっしゃれば、共感できたという方もいらっしゃった。意見が分かれてしまうのは、何が一番の幸せであるかという価値観の違いから来ているように思う。病院で治療を受けたほうが幸せだったのではないかと考える人たちもいる。しかし、ひとみが入院をすれば、二人が離れ離れになることは必至であり、本作の中にもひとみがそのことを恐れて激しく拒絶するシーンがある。また、治療にはお金も掛かるだろう。周りから見れば、単なる逃避だと思われるかもしれないが、まずは二人の間に一緒にいたいという強い想いがあったということを理解したいと思う。

 二人のワゴン車生活は二百七十二日間にも及び、ワゴン車の走行距離は六千キロにも達したそうだ。やがて食べ物を受け付けなくなってしまったひとみはワゴン車の中で静かに息を引き取り、久典は「保護責任者遺棄致死」の罪で逮捕された。ひとみを病院に連れて行かなかったことが罪になったらしい。しかし、この判断は、とても難しいのではないだろうか。定められた法律に従えば有罪になってしまうのかもしれないが、それならば、夫婦が一緒にいたいという強い想いや、病院の治療を受けるためにお金がないという状況は考慮されないのだろうか。私は、夫婦が一緒にいたいと願う愛のある行為が、「逃避」という一言で片付けられてしまうのはひどく残念である。

 鑑賞したあとは、本作を鑑賞したいと言い出したガンモのほうがひどく冷静で、私のほうがすっかり感情移入していた。本作の中で、ひとみが久典のことを「おっさん」を呼んでいたので、鑑賞後しばらくは、私もガンモのことを「おっさん」と呼んでいたのは言うまでもない。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 一緒にいたいと切望することからすると、きっと久典さんとひとみさんはソウルメイトだったのでしょうね。それだけに、ひとみさんが亡くなったあとの久典さんの絶望感は、計り知れないものがあったことでしょう。久典さんが書かれた手記は十五万部を売り上げたそうですが、それだけの印税があれば、おそらく借金も返済できて、ひとみさんも病院で適切な治療を受けられたかもしれません。でも私は、ひとみさんは大腸がんが再発してしまったとしても、大好きな久典さんと長い時間を一緒に過ごすことができて、とても幸せだったと思います。

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