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2011.08.21

映画『津軽百年食堂』

シドニーの街歩きの記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m ずいぶん涼しくなりました。このまま涼しい秋がやって来るといいですね。もしもこのまま秋を迎えるのだとしたら、日本は猛暑の中、電力不足という危機的な状況を乗り越えることができたと言えますね。

 本作は、映画『ファンタスティック Mr.FOX』を鑑賞したのと同じ四月二日に鑑賞した。ちなみに、四月二日は本作の公開日に当たる。文章は正確ではないかもしれないが、本編が始まる前に、「この作品は、東北地方を応援します。売り上げ金の一部を東日本大震災の義捐金として寄付します」といったような内容の文章がスクリーンに表示されていた。東日本大震災が発生してからまだ日が浅かったので、本作を鑑賞することで東日本大震災の被害に遭われた方たちを応援できるのは良いことだと感じた。

 タイトルに津軽と付けられている通り、物語の舞台となっているのは、青森県の弘前である。簡単に言えば、津軽で百年続いているおそば屋さんのお話である。私自身、過去に二回ほど弘前に足を運んだことがあり、また津軽そばを食べた経験もある。しかし、残念なことに、津軽そばの味をはっきりと記憶しているわけではなかった。だから、本作に登場するように、東京のそばとの味の違いは良くわからない。

 東京で暮らす大森陽一は、自分が本当にやりたかった仕事にありつくことができずに、バルーンアートで生計を立てている。あるとき陽一は、結婚式会場で福田沙紀ちゃん演じる女性カメラマンの七海と出会い、ひょんなことから七海の高級機材を壊してしまう。それをきっかけに、陽一は七海の負担している家賃を軽減させるため、自分の住んでいる部屋をシェアすることを提案する。驚いたことに、陽一と七海は津軽出身の同郷だったのだ。最初は暗黙的に反発し合っていた二人だったが、同郷のよしみから、陽一と七海の二人のルームシェアが始まる。

 私は、主人公の陽一を演じている役者さんの演技に違和感を覚えた。彼は、役者としての演技のうまさを感じさせてくれなかったのである。あとから知ったことだが、陽一の役を演じていたのは、お笑い芸人オリエンタルラジオの藤森くんだったようだ。私はテレビを見る習慣がないので、オリエンタルラジオの存在も藤森くんの存在もまったく知らなかった。だから、本作で彼の曾おじいちゃんの役を演じている中田くんという人が、同じオリエンタルラジオの相方であることも知らなかった。本作ではむしろ、中田くんのほうが明治時代の口数の少ないそば屋の創始者の役にぴたりとはまっていたように感じていたほどだ。そういう意味では、藤森くんのほうは、現代の役に適していたとも言えるのだが、演技という点においては物足りなかったのである。

 レビューを書くにあたり、津軽百年食堂 映画/作品情報 - Yahoo!映画の評価を参考にさせていただいたところ、私が感じ取った作品の評価よりも、皆さんがずいぶん高い評価を付けていらっしゃることに驚いた。五段階評価のうち最高点の五を付けていらっしゃる方が多かったのだが、私の評価ではせいぜい五段階評価のうちの三くらいだった。つまり、可もなく不可もなくといった印象だったのである。

 というのも、やはり何人かの方がレビューに書かれているように、いろいろなエピソードが盛り込まれ過ぎていて、一体何を一番に押し出したい作品なのかが伝わりにくい作品になっていることと、全体的に大きな盛り上がりに欠けるという理由からである。いや、大きな盛り上がりに欠けなくても、そこに深いものが流れているならば、心に深く残って行くものはある。しかし、残念なことに本作の場合、心に残るものが感じられなかったのだ。

 私の評価と他の方たちの評価があまりにも食い違っていることが悔しくて、他の映画サイトを参考にさせていただいたところ、他の映画サイトでは私の感じた感想とそれほどギャップがないことに気が付いた。複数の映画サイトを参考にさせていただいたが、どうやら津軽百年食堂 映画/作品情報 - Yahoo!映画の評価だけは高評価であるにもかからわず、それ以外の映画サイトでは、それほど評価が高くないことがわかった。これほどのギャップはどうして生まれたのか、とても不思議である。

 いろいろなエピソードが盛り込まれ過ぎているということを証明するために、本作に盛り込まれている恋の物語をご紹介させていただこう。本作には、五つの恋の物語が登場している。まずは、大森食堂の創始者(すなわち、陽一から見れば曾おじいさん)とそば作りを手伝ってくれた女性の恋。七海と上司であるカメラマンとの不倫の恋。更に、七海の母とかつて七海の父が経営していた写真館を手伝ってくれていた男性助手との恋。陽一の同級生同士の恋。そして最後に、陽一と七海の恋である。これだけたくさんの恋の物語が一つの作品の中に盛り込まれていれば、観客は、一体どこに焦点を定めたらいいのかわからなくなってしまうことだろう。恋の物語としては、大森食堂の創始者の恋と、陽一と七海の恋だけで充分だったのではないだろうか。これらの分散された恋の物語を思い切ってばっさりと削り、むしろそば作りへのこだわりのシーンに置き変えたほうが作品に深みが出て来るのではないかと思う。

 このように、私にとってはいろいろな意味でとても残念な作品だったのである。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m おそらく、この手の作品に対して期待するのは、「職人の物語」なのではないでしょうか。つまり、本作に置き換えて言えば、津軽そばを作って何十年というそば作りの職人が、息子にそば作りを専門的かつ徹底的に仕込もうとする物語であって欲しかったのではないかと思うのです。しかし、本作はそうではありません。全体的に緩い流れでいくつもの小さな物語が同時進行しているという感じなので、どうしても焦点がぼやけてしまうのですね。そのあたりが、残念に思えた作品でありました。

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