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2011.08.11

ブルー・マウンテンズの深い森に涙する

シドニー・ハーバー・ブリッジを歩いて渡るの記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 海外に来たら、東日本大震災や福島第一原子力発電所の事故のことなどを聞かれるだろうかと思っていたのですが、まだそこまでの会話が成り立っていません。オーストラリアからすれば、ニュージーランドのクライストチャーチの大地震のほうがもっと身近なのかもしれませんね。

 シドニー滞在五日目の今日は、Central駅の窓口でブルー・マウンテンズ・エクスプローラーのリンクチケットを購入し、Central駅から郊外列車に乗って、ブルー・マウンテンズの最寄駅であるKatoomba駅へと向かった。ブルー・マウンテンズは世界遺産にも指定されている地域で、シドニーからの日帰り観光地として有名な場所でもある。とは言え、私は今回、オーストラリアを訪問するまで、ブルー・マウンテンズの存在さえも知らなかった。

 Central駅からKatoomba駅までは、およそ二時間掛かった。近郊列車と同様、二階建ての車両だったので、私たちは二階席を陣取った。そこには、長旅を覚悟しているのか、既に毛布に包(くる)まって横になって寝ている人がいた。私たちが空いている席に腰を下ろすと、すぐ近くにドイツ人観光客がいることがわかった。彼らの会話は、比較的静かな車内にとても良く響いた。ガンモ曰く、ドイツ語は、中国語同様、小さな声では発音しにくい言語なのだそうだ。私は、「ガンまる日記」を書かずにホテルを出て来てしまったので、二時間の移動時間を利用して書き上げた。そのため、ドイツ人観光客の話し声が気になったのだ。

 Katoomba駅には、お昼過ぎに到着した。やはりブルー・マウンテンズを目指すのか、たくさんの観光客がKatoomba駅で降りていた。私たちは、Katoomba駅前にあるバス会社のカウンターで、ブルー・マウンテンズ・エクスプローラーのリンクチケットとブルー・マウンテンズ・エクスプローラー号の乗車券を交換してもらった。ブルー・マウンテンズ・エクスプローラー号とは、私たちがこれまでにも旅先で度々目にして来たCity Sightseeing号と同じ形をした観光バスである。City Sightseeing号の表記もあることから、もしかするとCity Sightseeing号を運行している会社と同じ会社が運営しているのかもしれない。ブルー・マウンテンズ・エクスプローラー号もまた、二階建てのバスだったので、私たちは二階席に乗り込んだ。

 二階建てのバスは、ロンドンを訪れたときに利用したことがある。やはり高い場所から見下ろすだけあって、一階建てのバスから見る景色とは違って見える。みんな考えることは同じなのか、ほとんどの利用客が二階席へとやって来た。ブルー・マウンテンズ・エクスプローラー号に関しては、もう少しいろいろなことを書きたいのだが、記事の都合により、帰国後にじっくりと書かせていただくことにする。

 私たちは、ブルー・マウンテンズ・エクスプローラー号のほかに、スカイウェイやトロッコ列車、ケーブルウェイの三つの乗り物に乗車できるチケットを購入したので、それらをフル活用するために、ブルー・マウンテンズ・エクスプローラー号のStep #9という停留所で下車した。そのあたりのことについても、帰国後にじっくりと書かせていただくことにする。

 さて、私が今回の記事の中で触れたいのは、ブルー・マウンテンズで歩いた深い森のことである。私たちは、スカイウェイとトロッコ列車を乗り継いで、深い森に出た。そこは、ボードウォークと言って、自然のままの土でできた歩道ではなく、木の板で作られた人工的な歩道を歩いて観光できるようになっていた。そのため、坂道を登ったり降りたりすることが多いのにほとんど疲れることがなかった。このような整備された歩道を歩くことで、自然そのものではなく人工的な雰囲気を感じ取ってもおかしくはないはずなのだが、私は深い森に包まれているうちに、何とも言えない感動を味わって涙してしまったのだ。

 その涙の源は、喜びでも悲しみでもなかった。森の中に木々がただそこにあるだけという光景を目にしたとき、私という個もただそこにあるだけだという感覚を味わったのだと思う。自分の置かれている現状や、私と関わっている人たちのことを思い巡らしたが、そのことが引き金になったわけではなかった。私がブルー・マウンテンズを訪れなくても、ここにある木は木としてずっとここにあり、私自身もまた、誰にも見付けられなくても、存在としては確かにあるのだという確信をそこで得たのである。このような感覚を味わったのは、生まれて初めてのことだった。

 深い森の中で、ガンモは、
「ここには木の精がいる。妖精がいる。トビーが出て来るかも」
と言った。それに対し、私は、
「じゃあ、靴下をプレゼントしなくちゃね」
と言った。ガンモもまた、この深い森に何かを感じ取っているようだった。

 もう少しこの感覚を味わっていたいと思っていたものの、ここは世界的な観光地である。しばらくすると、観光客がやって来て、私を包んでいた不思議な感覚は通り過ぎて行った。そこから先は、森を見ても、もう涙は出て来なかった。

 私たちは、深い森で味わったこの感覚をもう一度味わいたくなった。そこで、日本に帰ったら熊野古道に足を運んでみたいと語り合ったのだった。

※撮影した写真のスライドショーを貼り付けておきます。なお、スライドショーが表示されない場合や、写真へのコメントをご覧になる場合は、ブルー・マウンテンズの静寂に涙するをご覧ください。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m ブルー・マウンテンズの存在さえも知らなかったというのに、私にとってブルー・マウンテンズは、また是非訪れたい場所の一つになりました。他にも美しい景色がたくさんありましたが、今日はこの深い森のことを書きたかったので、その内容のみに絞らせていただきました。ブルー・マウンテンズの他の景色については、帰国後にじっくりと綴らせていただきたいと思います。

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