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2011.08.14

PIN or sign?

帰国はブルーの記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 暦の上ではもう秋だというのに、まだまだ残暑は続きそうですね。そう言えば、パソコンや携帯電話が普及してからは、暑中見舞いや残暑見舞いを交わすことも少なくなって来ました。まさしく、「残暑お見舞い申し上げます」の状態でありますね。あと二週間もすれば涼しくなるでしょうか。何とかこの残暑を乗り切りたいものです。

 ここ三ヶ月ほどの間、私はあることがきっかけで、英語学習からすっかり遠ざかってしまっていた。そのため、シドニーを訪れてもなかなか現地の人たちの話す英語を聞き取ることができず、四苦八苦した。それでも、一日、二日とシドニーで過ごすうちに、耳が少しずつ英語の感覚を取り戻して来た。

 あれは確かシドニー滞在三日目のことだったと思う。ガンモと一緒にある観光地に出掛け、入場券を購入するために、ガンモがクレジットカードを差し出した。受付の女性がガンモに、
"Credit card?"
と確認されたので、ガンモは、
"Yes."
と答えた。更に受付の女性は、
"PIN or sign?"
と尋ねて来たのだが、どういうわけかガンモは返事をしないまま固まっていた。私は慌てて、"please"も付けずに、
"PIN!"
と叫んだ。すると、受付の女性は、
"Thank you."
と私に言ってくれた。

 ご存知のように、PINとは、クレジットカードで支払うときに機械に入力する暗証番号のことである。最近は、携帯電話をロックするときなどにもこの言葉が使われているので、馴染みが深いと思う。"PIN or sign?"とは、クレジットカードで支払うときに、機械を通してPIN入力して認証するか、それともサインするかの確認だった。もちろん、ガンモには、PINという単語もsignという単語も理解できているはずなのに、
"PIN or sign?"
と二つの単語が繋がったとき、"PIN"の'N'と"or"の'o'が連なって別の言葉に聞こえてしまい、「PIN入力もできるはずなのに、何故、いまどき『サインしますか?』などと尋ねられるのだろう?」と思い、どのように返事をすべきか迷っていたらしい。これまでにも書いて来たが、やはり自分が現地の人と英語を話す立場にあると、どうしても上がってしまい、冷静ではなくなるのである。

 それからの私たちは、二人の会話の中で、
"PIN or sign?"
を何度も何度も繰り返した。こうして、良く使われる英語を忘れられないシーンとして記憶の中に叩き込んで行くのである。

 そして、シドニー滞在六日目のことだったろうか。またしてもある場所でクレジットカードを使おうとしたとき、受付の女性から、
"PIN or sign?"
と尋ねられた。そのときもガンモがクレジットカードを差し出して対応してくれていたのだが、またしても固まっているではないか。そこで私は反射的に、
"PIN, please."
と答えた。あとからガンモに尋ねてみると、ガンモは、
"PIN or sign?"
がまた出て来たと思い、答える準備を整えていたところだったらしい。そこに私が割り込んだので、
「何で俺が答えようとしてるのに、まるみが先に答えるの?」
と言って、ひどく悔しがっていた。

 同じシーンに出くわすことで、ほんのちょっとした言葉を何度も何度も繰り返しながら自分のものにして行くプロセスはとても面白い。二人で一緒に旅行することで、片方が主役になって舞い上がっているときに、もう片方が冷静に対処することができる。私たちはもはや"PIN or sign?"を忘れることはできないだろう。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 現地の人との会話で固まってしまうのは、自分が主役になると冷静ではいれらなくなることに加え、聞き取れた単語から想像する固定概念も邪魔をしてしまっているようです。そのため、冷静な立場で会話を聞き取る第三者が必要になって来るのですね。こうして学んだことを繰り返すことによって、私たちの中で、忘れられない英語をどんどん積み重ねています。(苦笑)

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