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2011.07.31

映画『サラエボ,希望の街角』

企業の節電対策の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 記事の中でご紹介した節電対策以外では、関東地方にある事業所において、分割して合計二週間の夏休みが予定され、夏の電力消費のピークが去った頃に休日出勤をして埋め合わせるという対策が取られることになります。単に夏休みが多いだけならば、大いに喜ぶべきことだと思うのですが、あとで周りの人たちが休んでいるときに出勤しなければならないのは、少々複雑な気持ちでしょうね。

 本作を鑑賞したのは、三月二十六日のことである。タイトルに「サラエボ」が含まれていることから、何年か前にDVDで鑑賞した映画『サラエボの花』を思い出した。調べてみると、本作は、映画『サラエボの花』のヤスミラ・ジュバニッチ監督の作品のようである。確か、映画『サラエボの花』でも、ボスニア紛争の残した傷跡をテーマとして扱っていたが、本作でもまた、前作の映画『サラエボの花』とは別の観点から、ボスニア紛争あとのサラエボを舞台に、ある恋人同士の抱える苦悩を描き出している。

 映画『サラエボの花』のほかに、ボスニア紛争の残した傷跡について描き出した作品と言えば、同じくDVDで鑑賞した映画『あなたになら言える秘密のこと』が記憶に新しい。こちらは、ヤスミラ・ジュバニッチ監督の作品ではないのだが、サラ・ポーリー主演の作品で、やはりボスニア紛争により受けた深い心の傷が描き出されている。

 本作の最初の部分だけを鑑賞すると、ボスニアで暮らす人々の間には、もはやボスニア紛争の傷跡など残ってはいないのではないかと錯覚してしまう。と言うのも、ボスニアで航空機の客室乗務員として働くルナと空港の管制室で働くアマルは、金銭的にも精神的にも満たされた恋人同士であるように見えるからだ。しかし、それはあくまで表面的な見え方であり、実際のところ、ルナは目の前で両親を殺されるという深い傷を負っている。一方、アマルもまた、ボスニア紛争で戦ったときの悲惨な体験を忘れようと、アルコールの力を借りていた。

 あるときアマルは、勤務中の飲酒がばれてしまい、半年間もの定職処分を受けてしまう。アマルはその間に、別の仕事を探そうと試みるのだが、ちょうどその頃、かつての戦友だったイスラム原理主義者の友人と再会し、次第にアマル自身もイスラム原理主義者へと傾いて行く。その結果、ルナとアマルの関係は確実に変化して行くのだった。

 本作を鑑賞すると、ボスニア紛争が残して行った傷跡は、想像以上に深いものだとわかる。特に、戦場での体験を忘れることができずにアルコールの力を借りていたアマルは、次第にイスラム原理主義へと傾いて行ったが、アマルにとっては、アルコールがイスラム原理主義に変わっただけだとも思える。すなわち、アマルには何らかの寄りかかりが必要だったというわけだ。

 アルコールであれ、イスラム原理主義であれ、アマルの選んだ道が「現実からの逃避」あるいは「依存」であるならば、のちにルナが選んだ道は「自立」であると言える。対照的な二人が選んだ道は、やがて大きく分かれることになるのだ。もしも二人の心の中にボスニア紛争の残した大きな傷跡がなければ、二人の間には、これまでと同じような時間が流れ続けていたのかもしれないが、そうはならなかった。

 相手が変わることで、相手との関係性までもが変わってしまうのは、相対的な関係と言える。絶対的な関係ならば、相手がどんなに変わろうとも、二人の間に愛情だけは残ると思うのだ。そういう観点からすると、本作は、ボスニア紛争が残して行った傷跡を題材に描かれているようでいて、実は、それぞれの人たちが自分本来の生き方に目覚めたことにより、相対的な関係が崩壊して行く様が描かれているのかもしれない。アマルとの子供を望んでいたはずのルナが、思い切った決断を下す姿に、人はここまで変われるものなのだろうかと、私は驚きを隠し切れなかった。真の愛情とは、どんな状況に対しても決して揺れることのない感情なのだと、私は改めて認識することになったのである。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 鑑賞した直後は、ボスニア紛争が残して行った傷跡を題材に描かれた作品だと思っていたのですが、こうしてレビューを書くにあたり、作品を振り返ってみると、男女の愛の理想的な姿を逆説的に表現している作品のように思えて来ました。このような作品を鑑賞することによって、男女の愛を体験している人たちは、自分たちの愛の体験と照らし合わせて考えることができるのではないでしょうか。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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