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2011.06.10

映画『洋菓子店コアンドル』

会話の内容ではなかった!の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。梅雨に入っても、ここのところ雨らしい雨が降っていなかったと思っていたら、いきなりバケツの水をひっくり返したような大雨が長時間に渡って振り続けましたね。どうか、大雨のあとの災害にはくれぐれもお気をつけください。

 本作は、二月十七日に鑑賞した作品である。洋菓子作りに携わる作品というと、映画『ちょんまげぷりん』が記憶に新しい。映画『ちょんまげぷりん』では、想定外のタイムスリップによって現代にやって来たお侍さんが洋菓子作りに目覚める物語だった。一方、本作は、東京の洋菓子店で働いているはずの恋人の行方を追って、鹿児島から上京して来た若い娘が、その後の恋人の足取りを掴むために、かつて恋人が働いていた洋菓子店コアンドルで働き始めるという、これまた奇妙な物語である。

 恋人を追って鹿児島から上京して来た若い娘を演じているのは、今やどんな役柄も器用にこなせる蒼井優ちゃんである。鹿児島ではケーキ屋の娘としてお菓子作りの実績を積んで来たなつめも、東京にある有名洋菓子店コアンドルではそんなお菓子作りの技が通用せずに四苦八苦することになる。ケーキ屋の娘としてのなつめのプライドは、洋菓子店コアンドルの店長や従業員、洋菓子店コアンドルに出入りする常連客や洋菓子評論家らにことごとく打ち砕かれてしまうのだ。しかし、最初はなかなかうまく行かない洋菓子作りや周辺の人たちとの関係にも、なつめが洋菓子店コアンドルでの洋菓子作りに熱心になるにつれ、やがて光が差して行く。

 鹿児島育ちだからなのか、通常ならばすっかり怖気づいてしまうであろう状況に追い込まれたとしても、なつめは決してその状況から引き下がろうとはしない。例えば、恋人に再会できなかったために行くあてを失ってしまったたなつめが洋菓子店コアンドルで働きたいと申し出たときも、店長は決してなつめを歓迎してはいないことが映画を鑑賞している私にも伝わって来る。それでもなつめは粘りに粘って、とうとう洋菓子店コアンドルで住み込みの従業員として働けることになる。しかもなつめは、ひどくぶっきらぼうな従業員の扱いに耐えたり、常連客の冷たい批判や洋菓子評論家の辛口なコメントにも負けずにぐんぐん成長して行く。まるで、諦めなければ必ず夢を叶えることができると、鑑賞する側に勇気を与えてくれているかのようだ。

 本作は、物語の前半と後半で、エネルギーが完全に入れ替わってしまうのが面白い。店長はなつめを受け入れ、ひどくぶっきらぼうだった従業員は立場が弱くなり、なつめの作った洋菓子をけなした常連客は、なつめの頑張りを陰では高く評価していたことがわかる。更に特筆すべきは、江口洋介くん演じる洋菓子評論家の十村となつめの二人三脚だろう。かつては有名なパティシエだったはずの十村を洋菓子作りの現場から洋菓子評論家に転身させたのは、ある事件でトラウマを抱えてしまったことがきっかけだった。そこでなつめは、ある事情からピンチを迎えた洋菓子店コアンドルを十村と一緒に切り盛りすることで、本当は今でも洋菓子作りに携わりたいであろう十村の本心を引き出すことに成功し、過去のトラウマと真摯に向き合うチャンスを与えるのである。

 こうして振り返ってみると、本作は、登場人物たちの様々な感情が交差する作品であると言える。前半と後半で登場人物のエネルギーが完全に入れ替わっていることから、人は常に同じ場所に留まり続けているわけではないことを感じさせてもくれる。言い換えると、やがて収まるべきところに収まるということを私たちに教えてくれる作品でもあるのだ。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 私自身は、これほど熱心に洋菓子作りに専念したことはありませんが、私の場合、洋菓子作りを文章を書くことに置き換えて鑑賞すると、なつめや十村の気持ちに寄り添えるような気がします。とは言え、私はもともと「導かれている」という感覚が好きなので、なつめのように、最初から四面楚歌の状況にあっては、「導かれている」とは実感できずに、頑張り切れないかもしれません。(苦笑)しかし、エネルギーの逆転を実現させたのは、他でもないなつめの自身の頑張りなんですよね。なつめはとても根性のある女性だと思います。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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