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2011.06.04

映画『ザ・タウン』

秋田紀行(7)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m またまた更新が遅くなり、申し訳ありません。m(__)m 島根県や福島県で震度四から震度五弱の地震が発生したそうですね。島根県で地震が発生するのは珍しいと思います。地震が滅多に発生しない地域で揺れを体験された方たちは、きっと驚かれたことでしょう。福島県も、せめて地震が落ち着いてくれるといいですね。とにかく皆さん、どうかくれぐれもお気をつけください。

 本作を鑑賞したのは、二月十日のことである。

 舞台となっているのは、アメリカで最も銀行強盗が多いとされるボストンのチャールズタウンである。ここでは、銀行強盗がまるで家業のように親から子へと引き継がれているという。そのチャールズタウンで、ダグは気心の知れた幼馴染たちとともに、父と同じく銀行強盗を繰り返していた。彼らは毎回、綿密な計画を立てて完全犯罪を目論んで来たものの、あるとき予期しなかったハプニングに見舞われたために、襲った銀行の女性支店長クレアを人質に取り、何とか逃げ切ることができた。しかし、リーダーのダグは、クレアに素顔を見られてしまったのではないかと不安になり、探りを入れるためにクレアに接近する。ところが、ダグとクレアはやがて男女として惹かれ合ってしまうのだった。

 クレアと愛し合うようになってからのダグは、銀行強盗からきれいさっぱり足を洗い、新たな人生を歩み始めようとするものの、それは同時に幼馴染たちを裏切ることにもなってしまうため、なかなかその一歩を踏み出せないでいた。『ザ・タウン』というタイトルの通り、街そのものがダグを銀行強盗にするための役割を担っているかのように見える。ダグが銀行強盗からきれいさっぱりと足を洗うには、ダグ自身が大きな意識変革を起こすとともに、環境をも変えて行かなければならないだろう。自らの願望と環境が合致しない人は、ダグほどのワルではないにしても、本作の中に自分自身の葛藤を見出すのではないだろうか。例えば、仕事そのものは好きにはなれないものの、同じ職場で働いている仕事仲間たちとはうまくコミュニケーションが取れている場合、仕事を辞めたいが、仕事仲間たちと離れたくないがために職場を去りがたいという悩みを抱えているかもしれない。そういう人は、ダグの葛藤に共感できるのではないかと思う。

 何らかの新たな方向性を見出したとき、環境のせいにして新たな一歩を踏み出せないことを批判する人たちもいるかもしれないが、自分の願望のために街や幼馴染たちを切り捨てることができないという葛藤を抱いたダグの中には、自分の生まれ育った街や幼馴染に対する思いやりがあったと考えられる。反対に、もしもダグが街や幼馴染たちを自分から簡単に切り離すことができるのだとしたら、それはそれで愛を感じない作品になってしまうように思えるのだ。

 同時に、ダグが銀行強盗犯であることに気付いてしまったクレアは、自分の中の正義感とダグへの愛情の狭間で激しく葛藤することになる。その葛藤の末に、クレアが何を選択したかは、ダグとクレアの電話の様子からも察しが付くだろう。

 ダグを演じているのは、本作の監督も同時にこなしているベン・アフレックである。また、ダグと一番仲の良い幼馴染のジェムを演じているのは、映画『ハート・ロッカー』のジェレミー・レナーである。本作の彼はとにかくはまり役である。まるで本当にチャールズタウンで何度も何度も銀行強盗を重ね、危ない橋を渡って来たワルであるかのようだった。一方、ダグらに銀行強盗の情報を与えていた花屋のファーギーを演じていたピート・ポスルスウェイトは、表情だけで演技のできる名脇役だったが、残念ながら、今年の一月にがんで亡くなってしまったそうだ。日本で公開されている作品の中では、本作が彼の遺作となってしまったらしい。

 銀行強盗というワイルドな題材を扱った作品なので、本作の中では警察と銀行強盗たちの激しいカーチェイスや銃撃戦が繰り広げられたりもする。しかし、至るところに派手なアクションシーンが盛り込まれているからと言って、決して右から左へと流れて行ってしまうような作品ではない。新たな一歩を踏み出そうとするときの、過去との決別の仕方について考えさせられる作品でもあるのだ。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 本作の監督を務めたベン・アフレックは、過去に映画『ゴーン・ベイビー・ゴーン』という作品で高く評価されているようです。私は鑑賞していませんが、映画『ゴーン・ベイビー・ゴーン』では、実の弟であるケイシー・アフレックが主役を演じています。一方、本作ではベン・アフレック自身が主役を演じています。俳優でもあり、映画監督でもある彼は、撮る側と撮られる側という双方向から映画と関わっているのですね。彼のように双方向から映画と関わりを持っているならば、映画監督としてメガフォンをとっているときは俳優としての経験が活かされ、俳優として何かの役を演じているときは、映画監督の経験が活かされていることでしょう。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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