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2011.06.28

映画『戦火の中へ』

招かれざる客の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。熊本で震度四の地震があったそうですが、熊本にお住まいの皆さん、大丈夫でしょうか。日本のあちらこちらで地震が起こっていますね。日本は地震大国だなどと言われていますが、ようやくそれを実感するようになって来たこの頃です。急に揺れると驚きますので、地震については正確な予知ができるといいですね。

 本作を鑑賞したのは、二月二十三日のことである。映画『太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-』を鑑賞して間もない頃だったので、短期間のうちに戦争映画ばかりを鑑賞することに多少のためらいもあった。しかし、鑑賞して本当に良かったと思った。というのも、映画『太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-』とはまた違った意味で、ずいぶん見応えのある作品だったからである。

 本作は、朝鮮戦争のときに、ほとんど戦闘経験のない韓国軍のわずか七十一人の学徒兵たちが、北朝鮮軍と激戦を繰り広げる様子が描かれている。何と、この悲惨な物語は、実話に基づいているのだそうだ。

 最初のうち、七十一人の学徒兵たちは、まとまりがなかった。多くの学徒兵たちは、学徒兵のリーダーに任命されたジャンボムの指示に従っていたものの、少年院送りを逃れるために兵士に志願したガプチョらは、いつもジャンボムに反発していた。しかし、やがて七十一人の学徒兵たちは本格的な戦いを強いられることになり、その戦いを通じて、これまで反発し合っていた心がようやく一つになるという感動的な物語となっている。とは言え、ようやくそこに真の友情を見出したというのに、一つになる時期があまりにも遅過ぎて、涙を誘うのである。

 歴史的な出来事は、様々な要因が重なった末に起こるものだと実感する。わずか七十一人の学徒兵たちが北朝鮮軍と激戦を繰り広げることになってしまったのは、国連軍の支援を受けていた韓国軍が軍司令部のあった浦項に駐留していたというのに、招集がかかってしまったことに起因する。しかも、北朝鮮軍の部隊は、上司の命令に背いて浦項にやって来る。学徒兵たちは、慌てて韓国軍に応援を要請するものの、そのときの戦いが劣勢に傾いていた韓国軍にには援軍を回す余裕がなかった。浦項にやって来た北朝鮮軍のパク・ムラン少佐は、韓国軍の学徒兵たちに降伏するよう提案するものの、彼らは降伏することなく、七十一人の学徒兵だけで北朝鮮軍と戦うことになってしまったのである。

 私たちは、本作のような戦争映画を通して、戦争がいかに悲惨なものであるかを疑似体験する。これはたまらんと思ったのは、戦死した韓国軍の兵士たちの遺体を学徒兵たちが埋葬するシーンである。現代の日本で誰かが亡くなれば、近親者が葬儀をあげて、僧侶がとなえるお経により死者の魂が安らかになると、やがて火葬される。しかし、戦争中に亡くなった兵士たちは、土の中に埋められるだけである。そこには、ただ一人の兵士だけでなく、何人もの兵士たちの遺体が時間を置かずに次々に埋葬される。戦争で人の命の尊さが忘れ去られてしまうのは、このように大量の遺体を目にすることになるために、本来の感覚が麻痺してしまうからだと思う。あるいは、ただ一つの命を失った悲しみに立ち止まり続けることはできない状況のために、悲しみをよそへ追いやって、戦い続けるのかもしれない。いずれにしても、自分の本当の気持ちを味わい尽くさずに次の段階へと進んでいるために、精神的な後遺症が残ってしまいかねない。どうやら、感覚を麻痺させて、無理に次の段階へと進もうとするのが戦争のようである。

 私はこれまで、戦争映画はあまり好きではなかったと書いて来た。実際、その通りなのだが、それでもこの世の中に多くの戦争映画が存在するのは、悲惨な出来事を通して私たちが学ぶべきものがそこに隠されているからだと思う。戦争映画の作り手は、どうしてもそれを伝えたくて戦争映画を世の中に送り出しているのだと思う。

 ちなみに本作の監督は、映画『サヨナライツカ』のイ・ジェハン監督だそうだ。映画『サヨナライツカ』では、まったくと言っていいほど感動がなかったのだが、本作はとても感動的で、骨のあるいい映画を観させてもらったと思っている。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 北朝鮮軍を率いるパク・ムラン少佐を演じていたチャ・スンウォンもなかなかいい味を出していました。グループのリーダーとなる人は、ある程度、話のわかる人なのかもしれません。もしも学徒兵たちが、パク・ムラン少佐の提案を受け入れて降伏していたならば、本作で描かれているのとはまた違った結末があったことでしょう。しかし、学徒兵たちは勇敢に戦いました。訓練のときにはなかなか一つになることができなかったのに、究極的な状況に追い込まれると、人間はようやく本心を引き出せるのかもしれません。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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