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2011.05.21

秋田紀行(4)

映画『白夜行』の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 先日、とある映画のレビューを拝見していたところ、映画『ヒア アフター』の公開が自粛されたり、公開予定だった映画『唐山大地震-想い続けた32年-』が延期されたりしていることを知りました。映画『ヒア アフター』は、私も鑑賞しましたが、映画『唐山大地震-想い続けた32年-』については、劇場で予告編を観ただけでした。確かに映画『ヒア アフター』はは、津波の描写がやけにリアルでした。せっかく素晴らしい作品であっても、あれほどの大地震の経験と重なってしまうような描写が含まれているのであれば、人々にはまだまだ受け入れられないだろうというのも理解できます。果たして、これらの作品を日本の人々が受け入れられる日が来るのでしょうか。長く掛かりそうな気もしますね。それでは、秋田紀行(3)の続きを書かせていただきます。

 角館(かくのだて)を散策した私たちがコインロッカーに預けた荷物を取り出そうとしていると、私たちがこれから乗車しようとしている阿仁合(あにあい)行きの秋田内陸縦貫鉄道の列車には、タビックスの団体さんが乗り合わせることがわかった。タビックスの団体さんは何十人もいらっしゃるので、一両しかない秋田内陸縦貫鉄道の車両は、あっという間にタビックスの団体さんで埋め尽くされてしまった。一両しかない列車に座ってのどかな田園風景を眺めながらゆったりと旅をするという私たちの夢は、一瞬のうちに打ち破られてしまった。

 とは言え、その列車に乗車しなければ、宿泊する旅館の夕食の時間に間に合わなくなってしまうので、私たちは仕方なく、コインロッカーから大きな荷物を取り出すと、混雑した秋田内陸縦貫鉄道の一両しかない車両に乗り込んだ。列車がいよいよ発車する段階になると、秋田内陸縦貫鉄道のお姉さんが二人、私たちの乗車した列車を見送ってくださった。お姉さんの手には、秋田内陸縦貫鉄道の販促グッズが握られていた。こうして、私たちが乗車した列車が発車すると、その日に宿泊する旅館の最寄駅となる阿仁マタギ駅までおよそ一時間の間、ずっと立ちっぱなしで過ごすことになってしまったのである。

 途中のある駅に列車が停車したとき、乗客の一人が、
「昨日、あの辺りで熊が出たんです」
とおっしゃった。その頃、ちょうど熊が冬眠する前の時期だったので、おそらく熊は、冬眠する前に空腹を満たしておきたかったのだろう。しかし、山には食べるものが少なくなってしまい、仕方なく、人里に降りて来たのではないだろうか。私は、熊が出たという方向を、珍しそうにじっと見つめていた。

 阿仁マタギ駅で降りると、旅館の送迎バスが待っていてくださるはずだった。降りてみると確かに、そこには送迎バスらしきバスが停車していたのだが、バスに書かれていた文字が「マタギの学校」だったので、宿泊する旅館の送迎バスではないと思い、もたもたしてしまった。旅館を予約したのはガンモだったので、ガンモに、
「あのバスが旅館の送迎バスなの?」
と尋ねてみたのだが、ガンモは撮影に夢中で返事をしてくれなかった。そうこうしているうちに送迎バスは、私たちと同じ列車に乗っていた一組の中年のご夫婦を拾って発車してしまったのである。

 すると、送迎バスの後ろ姿を見送ったガンモが、
「あっ! あのバスが送迎バスだった!」
と言った。私は慌てて、送迎バスを追いかけ始めたのだが、送迎バスの運転手さんは私たちの様子に気付いてはくださらず、さっさと走り去ってしまった。

 無人駅ののどかな田園風景を前に取り残されてしまった私たちは、送迎バスに乗り遅れてしまい、途方に暮れていた。私は、ガンモに旅館の名前を聞いていなかったことや、ガンモがのんびりと写真撮影をしていたために送迎バスを見逃してしまったことなどに腹を立て、ガンモに怒りをぶつけた。そこで私はガンモに、
「荷物もあるし、歩いては行けないから、旅館に電話して迎えに来てもらって」
と頼んだのだ。旅館までは、決して歩いて行けないほどの距離ではないようだったが、初めて来る場所で、道もわからない上に、大きな荷物もあったので、自力で旅館まで辿り着くのは難しいと判断したのである。旅館を予約してくれたガンモは、旅館のホームページで、秋田内陸縦貫鉄道の運行に合わせて送迎バスが来てくれるというような記述を見付けたために、予約時に送迎バスでの出迎えを希望しなかったのだそうだ。

 阿仁マタギ駅前は、タクシーを呼ぶにも、タクシー会社などありそうにない、あまりにものどかな田園風景が広がっていた。タクシー会社を探して連絡をするよりは、やはり宿泊先の旅館に電話を掛けて迎えに来ていただくのが一番いいようである。ガンモは私の願いを聞き遂げると、駅のすぐ横にある木造の建物の中に入って行った。そこには公衆電話があるらしかった。

 ガンモが電話を終えて出て来るのを待っていると、のどかな田園風景の中に、一台の白い自動車が駅に向かって走って来るのが見えた。良く目を凝らして見ると、その自動車には、先ほど見送ることになってしまった送迎バスと同じような文字が書かれている。私は大声で、木造の建物の中にいるガンモを呼んだ。自動車は私たちの近くで停まり、中からお客さんと思われる男性が一人降りて来た。運転手さんは、その男性客を阿仁マタギ駅まで送って来られたようだ。その運転手さんが、私たちの視線に気付いてこちらを見てくださったので、私はガンモから聞いた旅館の名前を口にして、
「『マタギの湯』の方ですか? 送っていただけますか?」
とお願いしてみた。そう、その日、私たちが宿泊するのは、日帰り温泉も運営している『マタギの湯』という旅館だったのである。すると、運転手さんは私たちの申し出を快く受け入れてくださり、私たちを旅館まで送り届けてくださったのである。

※撮影した写真のスライドショーを貼り付けておきます。なお、スライドショーが表示されない場合や、写真へのコメントをご覧になる場合は、秋田紀行(4)をご覧ください。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 宿泊する旅館の夕食の時間に間に合うように、タビックスの団体さんで溢れ返った列車に思い切って乗り込んだというのに、私たちは旅館の最寄駅に待機してくれていた旅館の送迎バスを見逃してしまったのです。しかし、そのあとすぐに、日帰り温泉を利用された方を送迎するために阿仁マタギ駅に来られたミニ送迎バスの運転手さんが私たちを送り届けてくださり、間一髪のところで救われました。いやはや、大げさかもしれませんが、私たちにとっては大冒険でありました。(笑)

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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