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2011.04.20

映画『エリックを探して』

対等な当事者の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 東京電力で、数千人単位の人員削減や減給が予定されているそうですね。福島第一原子力発電所の事故の処理や保障に掛かる費用を思えばわからなくもないですが、東京電力といういわば特殊な知識や経験を必要とする分野で働いて来られた方たちが、東京電力で得た知識や経験を活かして次の仕事に就くのは、まったく同じ業種での仕事でもない限り、かなり難しいのではないでしょうか。例えば、ソフトウェアの開発業務を仕事としている私などは、派遣先の企業が変わったとしても仕事の内容はほとんど変わりません。しかし、東京電力の仕事は違いますよね。まったく同じ業種での仕事というと、他の電力会社ということになろうかと思います。それなのに、数千人単位の解雇というのは、かなり厳しい状況だと思います。

 本作を鑑賞したのは、一月十三日のことである。前回の鑑賞からしばらく時間が空いてしまったのは、年末年始はひどく忙しかった上に、帰省したり、タイ旅行に出掛けたりしていたからだ。そういう意味では、本作が今年になって初めて鑑賞した作品ということになる。

 本編が始まるや否や、
「あっ、イギリス英語が耳に心地いい!」
と思った。そう、舞台となっているのは、イギリスのマンチェスターである。

 郵便配達員のエリックは、二番目の妻の連れ子である二人の男の子とともに三人で暮らしている。しかし、子供たちはエリックの言うことに耳を貸そうとはせず、友達との交流を中心とした自由奔放な生活を送っている。そんなエリックの心の中にあるのは、一番目の妻への熱き想いである。一番目の妻とエリックは、あることがきっかけで別れてしまったのだが、二人の間に生まれた娘を介して、久し振りに再会のチャンスが訪れる。しかし、一番目の妻がいつまでも美しく輝いていることにショックを受け、エリックはひどく気後れしてしまう。そんなエリックのもとへ、プロサッカー選手だった元マンチェスター・ユナイテッドのエリック・カントナが現れ、人生に関するいろいろなアドバイスをくれるのだった。エリックにとってカントナは、部屋にポスターを貼って熱烈に応援するほどの対象である。カントナは、エリックが困ったときにエリックの前に現れているように見えるものの、どうやらカントナの姿は、エリックだけにしか見えていないようである。

 エリックの年齢は、六十歳くらいだろうか。ちょっとかわいいおじいちゃんという印象である。エリックには、同じ郵便配達員の仲間たちがたくさんいて、毎日、たくさんの仲間たちに支えられながら過ごしている。仕事を終えたあとに仲間たちとパブでビールを飲んでいる姿も微笑ましい。最初のうち、私は、外も明るいうちから、仕事仲間たちとパブでビールを飲むことができるのだから、きっとイギリスの郵便配達の仕事は、日本よりも早い時間に終わるのだろうと思っていた。しかし、良く考えてみると、彼らの仕事が終わる時間が早いのではなく、特に夏場のイギリスは、緯度の関係で二十一時頃まで外が明るかったことを思い出した。だから、決して彼らは夕方の早い時間からビールを飲んでいるわけではなかったのだ。

 本作の見どころは、カントナの助言によって、エリックがどんどん元気になって行くところだろう。カントナとの会話も面白いのだが、エリックの仕事仲間たちがワークショップのようなものを開催しているのも大変興味深い。ワークショップのようなものに参加することで、仕事仲間たちが互いの心をオープンにしているのだ。このようなシーンからも、本作の脚本は、絶対に精神世界に興味を持っている人が書かれたのだと確信する。そうでなければ、ワークショップのような発想は出てこないし、エリックとカントナとの会話もスピリチュアルなもにはならないだろう。

 更に興味深いのは、エリックがカントナと話をするときには、カントナが過去の試合でビシッとゴールを決めたときの英雄伝を聞きたがるものの、実際にカントナが話す内容は、個人プレイではなく、チームプレイの大切さを強調していたことだ。本作では、そうしたカントナのそのアドバイスがそのままエリックの生活にも活かされようとしている。すなわち、郵便配達員の仲間たちが、エリックの抱えている問題に協力を惜しまないのである。突拍子もないそのアイディアは、最悪の事態を想定すれば命さえ落としかねない状況なのだが、エリックと郵便配達員の仲間たちは見事にやってのける。それはもう、相手がエリックと郵便配達員の仲間たちの見事な連携プレイに圧倒されたとしか言いようがないのだ。

 カントナについて調べてみると、特にチームプレイを重視していた選手でもなさそうに見えた。むしろ、自分が目立つことを望んでいたようにも受け取れる。そうだとすると、本作に出演することで、カントナは過去の自分に懺悔しようとしているのかもしれない。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 本作は、エリック・カントナ自身が本人役で出演しているのも面白いですね。彼の歴史に残るプレーや一部の会見の様子なども盛り込まれています。私は、スポーツにはまったく詳しくないのですが、彼の活躍ぶりをご存知の方たちにとっては、見逃せない作品の一つでしょうね。スポーツに疎い私も、精神的な観点や男女の愛の観点から、充分楽しませていただきました。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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