« N-08B購入記(後編) | トップページ | ホットヨガ(二二九回目) »

2011.03.24

映画『武士の家計簿』

N-08B購入記(後編)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。実は、新しい携帯電話(N-08B)の購入に際し、ショックだったことがあります。それは、大阪駅前のヨドバシカメラでは、私が購入した金額よりも更に半額の金額で機種変更することができたということです。すなわち、六万円の四分の一の価格である一万五千円で機種変更することができたのです。ちょっと先走ってしまいました。(苦笑)それはさておき、東京電力の福島第一原子力発電所で復旧作業に当たっていた方たちが被曝されたというニュースが流れましたね。実際に福島第一原子力発電所で復旧作業に当たっていらっしゃる方たちは、大地震の発生後、一度も帰宅せずに復旧作業に努めていらっしゃるそうで、命懸けの作業に頭が下がる思いです。しかし、本当にこのままでいいのだろうかとも考えます。何故なら、私はいつも、誰かの苦しみの上に成り立つ幸福はないと考えて来たからです。しかし、原子力発電所における事故に立ち向かうには犠牲を覚悟しなければなりません。皆さんもそうだと思いますが、そのあたりの想いが実に複雑ですね。

 本作は、公開からわずか三日後の十二月七日に鑑賞した作品である。

 森田芳光監督のお名前は良く存じ上げているが、これまでの彼の監督作品を振り返ってみると、映画『(ハル)』と映画『黒い家』の二つくらいしか鑑賞していないことがわかった。古くから活躍されている映画監督なのに、どうやら私と交わる時間が少なかったようだ。しかし、不思議なことに、過去に鑑賞した二本とも、ガンモと一緒に鑑賞しているのだ。特に、パソコン通信で出会った二人が恋に落ちて行く状況を描いた映画『(ハル)』は、同じようにパソコン通信で出会った私たちと共通するものがあるのではないかと思い、興味津々で劇場まで足を運んだ。ところが、実際に鑑賞してみると、私たちの進行とはまったく異なっていて驚いたのを覚えている。

 本作は、江戸時代に加賀藩の御算用者(ごさんようもの・会計処理の専門家)として、加賀藩の財政に関わった猪山家の物語である。歴史学者の磯田道史さんが、偶然、古書店で見付けた家計簿を分析して原作を書き上げたらしい。

 もともと猪山家は下級武士なのだが、そろばんを得意としていたため、代々加賀藩の御算用者を担当していた。主人公は、堺雅人くん演じる八代目の直之である。直之は、そろばんをはじくのが得意だっただけでなく、自宅でもせっせと家計簿を付けて、家計をうまくやりくりしていた。武士は、身分が高くなるほど出費が多くなるらしく、いつの間にか増えてしまっていた借金を確実に返済するため、直之は家財道具を売り払って借金の返済に充てることにした。世間体などから、武士はなかなかこのようなことを実践しないらしいのだが、直之は思い切って実践し、その後も節約を重ね、借金を返済することに成功したようだ。

 そろばんと言うと、私も子供の頃に習っていたが、今の子供たちはどうなのだろう。電卓による計算が主流の世の中になったので、もはやそろばんを習う子供たちは少なくなってしまったのかもしれない。かつて、町でたくさん見掛けていたはずのそろばん塾も、今ではほとんど見掛けなくなってしまった。ちなみに、私が通っていたそろばん塾は、私の同級生のお父さんが経営していたのだが、やはりそのお父さんの子供である私の同級生は、そろばんが得意だった。

 しかし、考えてみると、私の同級生は確かにそろばんが得意だったかもしれないが、そろばんの高い技術を活かして、家計をやりくりすることも得意だったかどうかはわからない。そろばんが得意なことと、家計をやりくりするのが得意なことはまったく別物だと思う。しかし、本作の主人公である直之は、そろばんをはじいて計算するという行為を、家計をやりくりするという方法でうまく実践に持ち込むことができた人であると言える。

 直之には、お駒という妻がいるのだが、二人の夫婦関係が実にいい。お駒を演じているのは仲間由紀恵ちゃんである。二人は、お見合いのような縁が一時的に設定されるものの、実際には自力で出会い、惹かれ合う。実際に恋をして結ばれた二人の絆は強いのだ。

 本作の中で最も印象的なシーンは、直之の息子の着袴のお祝いのために親戚を招いたときに、予算不足のために鯛料理を出すことができず、鯛の絵を描いて間に合わせたシーンである。招かれた親戚たちは、出された鯛が絵であることに驚きを隠し切れない様子なのだが、直之一家は決して見栄を張ることをせず、鯛料理を出してもてなすことができないことを親戚に対してオープンにして、できる限りの出費を抑え、借金を返済することに専念したことは素晴らしい選択だと思う。思えば、鯛料理はぜいたく品の象徴であり、言い換えれば、決して存在しなければ困るものではない。そういうことにお金を費やすよりも、存在しなければ困るものだけにお金を費やして、残ったお金をできるだけ借金の返済に充てたというわけなのである。

 直之が息子に対して厳しかったことも印象的である。お金を失くしてしまったまだ小さな息子に、直之は出て来るまで探せと言う。息子は、失くしたお金を探すために、夜の暗い道を歩き、お金を失くしたと思われるく川辺のほうまで探しに出掛ける。一見すると、直之は、お金の計算のことばかり考えている父親であるように見受けられるのだが、思えば直之は、息子に対してそのように厳しく接することで、お金の帳尻が合うことの大切さを教えていたように思う。何かを植えつけるには、ポジティブな感情を伴うよりも、ネガティブな感情を伴ったほうが強く印象付けられるのは確かである。息子にしてみれば、お金の計算に関して特に厳しい父は、自分をしっかりと愛してくれていなかったように見えるかもしれない。しかし、のちに彼はそろばんが得意ということで、新政府軍に高く評価され、軍の会計を担当することになるのだ。これは、父の直之がお金の計算に関して厳しく育ててくれたからこそ得ることのできた貴重な役割でもあるのだ。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 何かを極めるには、生半可な気持ちでは到達できない領域がありますよね。本作は、そういう領域に到達した人たちの人生が描かれた作品であると言えます。失うものも多いかも知れないけれど、得たものも大きいのではないか。全体として、そんな感想を抱きました。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

哲学・思想[人気blogランキング]に

上記ボタンをクリックしてくださいますと、一日に一回、ランキングのポイントに加算されます。もしも毎日のように「ガンまる日記」を読んでくださっているならば、記事に共感したとき、あるいは応援してもいいと思ったとき、ポチッと押してくださると、大変うれしく思います。

|

« N-08B購入記(後編) | トップページ | ホットヨガ(二二九回目) »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/18521/51210494

この記事へのトラックバック一覧です: 映画『武士の家計簿』:

« N-08B購入記(後編) | トップページ | ホットヨガ(二二九回目) »